グリーンピースの名誉毀損に関する人権救済申立事件(勧告・助言)

農林水産大臣宛て勧告/一般社団法人グリーンピース・ジャパン宛て助言

2013年12月24日


 

水産庁職員であるX氏(農林水産省水産庁遠洋課捕鯨班課長補佐、当時)が2007年2月15日、複数の海外メディアのインタビューにおいて、南氷洋にて火災事故を起こした日本の調査捕鯨船の救援を、近在にいた反捕鯨団体である国際環境保護団体グリーンピース・インターナショナルやシーシェパードの保有船に要請するかとの質問に答える中で、「いえ、彼らはテロリストですから」との発言をした。

 

かかる発言は、グリーンピースの名誉権を侵害するとともに、その結社の自由を侵害するおそれのあるものであるから、特に申立人のような政府に批判的な立場をとる特定の私人や団体に対し「テロリスト」という呼称を公の立場において容易に使用しないよう指導を徹底することを農林水産大臣に勧告し、同時に申立人グリーンピース・ジャパンに対しては、今後、抗議監視活動を行う上では現行の国内法及び国際法秩序を尊重した活動態様を取ることを助言した事例。