成年被後見人の選挙権喪失に関する人権救済申立事件(勧告)

内閣総理大臣、総務大臣、衆参両院議長宛て勧告

2012年12月25日


 

ダウン症により療育手帳を持つ申立人は、約25年に渡り選挙権を行使してきたが、家庭裁判所で後見開始の審判を受け成年被後見人となったことから、公職選挙法の規定により選挙権を失った。



公職選挙法11条1項1号が成年被後見人の選挙権を一律かつ全面的に剥奪していることは、成年者による普通選挙を定めた憲法15条1項、同条3項に反しており、成年被後見人の選挙権を不当に侵害するものであるとして、速やかに公職選挙法11条1項1号を削除する法改正を行うことを勧告した事例。