市民の司法参加と日弁連
裁判員法成立まで -市民の司法参加実現を目指して-
日弁連は、1990年5月25日の定期総会において、「司法改革に関する宣言」を採択し、このとき初めて日弁連として「国民の司法参加の観点から陪審や参審制度の導入を検討」すべきであることを宣言しました。

1994年5月27日の定期総会においては、「司法改革に関する宣言(その3)」 を採択し、司法改革実現のための3大目標の1つとして、「陪審や参審など市民が直接司法に参加する制度を検討し導入すること(市民に開かれた司法の促進)を設定しました。

これらと並行して、日弁連は、1990年、1992年、1994年、2000年に開催した司法シンポジウムにおいて、陪審制・参審制の導入等をテーマとした活発な議論を行いました。さらに、陪審制度について市民とともに考える活動として、全国各地で模擬陪審裁判開催運動にも取り組んできました。

1999年、司法制度改革審議会が設置されました。審議会において開催されたヒアリングにおいて、日弁連は、刑事裁判に陪審制度を導入すべき旨意見を述べました。
市民司法参加と日弁連
第26回会合 (2000年7月25日開催):「国民の期待に応える刑事司法の在り方について」
市民司法参加と日弁連
第30回会合 (2000年9月12日開催):「国民の司法参加」に関する意見
ヒアリングに先立つ2000年3月17日には、意見書「陪審制度の実現に向けての提言 - 日弁連提案の陪審制骨子 -」を発表し、刑事の重罪事件の否認事件に、選択的刑事陪審制度(陪審裁判か裁判官による裁判かを選べる制度)の導入を提案しています。

2001年6月、司法制度改革審議会は、裁判員制度の創設を提言しました。日弁連は、これ以降、裁判員制度のあるべき姿を探究し実現するとの立場から、司法シンポジウム国際会議(国際水準から見た裁判員制度)や司法シンポジウム (20th)(あるべき裁判員制度の実現に向けて - 考えよう市民の目から裁判を - )の開催、模擬裁判員裁判運動などに取り組みました。

2002年2月から活動を開始した、司法制度改革推進本部裁判員制度・刑事検討会においては、ヒアリングに出席したほか、3回にわたり意見書を提出し、裁判員制度の具体的制度設計について積極的に意見を述べました。
市民司法参加と日弁連
第7回会合(2002年9月24日開催):「裁判員制度」の具体的制度設計にあたっての日弁連の基本方針
市民司法参加と日弁連
裁判員制度「たたき台」に対する意見(2003年5月30日)
市民司法参加と日弁連
裁判員制度及び刑事裁判の充実・迅速化に関する意見書(2003年12月11日)
市民司法参加と日弁連
裁判員制度、刑事裁判の充実・迅速化及び検察審査会制度の骨格案に対する意見書(2004年2月12日)
2004年5月21日、「裁判員の参加する刑事裁判に関する法律」が国会で可決・成立しました。当連合会は、この日、裁判員法の成立にあたっての会長声明を発表し、この「歴史的課題」に全力を挙げて取り組み、国民の期待に応える決意を表明しています。