MENU

ひまわりほっとダイヤル 日弁連の中小企業向け弁護士予約サービス ひまわりほっとダイヤル 日弁連の中小企業向け弁護士予約サービス

最新情報

トップページ > 最新情報 > ゼロゼロ融資終了後の倒産回避策について

ゼロゼロ融資終了後の倒産回避策について

新型コロナウイルス対策として政府が始めた「ゼロゼロ融資」の受付が終了し、1年程度が経過しています。ゼロゼロ融資は新型コロナウイルスの影響で売上高が減少した中小企業や零細企業を対象に、金融機関が特例的な条件で資金を貸し出す制度となっていました。同様に持続化給付金や家賃支援金などの支援も停止し、また、公租公課の猶予制度も廃止されました。
中小企業は、今後、どのようにして倒産を回避していくことが良いのでしょうか。

1 まずは事業改善
金融機関に引き続き元本返済の猶予をしてもらって資金繰りを維持しつつ、事業改善を図ることが考えられます。支援策としては、中小企業活性化協議会の「収益力改善支援 」を利用することが考えられます。また、経営改善計画策定支援事業(通常405事業)の通常枠を活用して、事業改善施策を練ることも一つです。中小企業活性化協議会という公的組織が全国47都道府県に整備されており、無料で相談に応じていますので(守秘義務があるので、相談内容が金融機関やその他第三者に漏れる心配はありません。)、相談に行ってみるのも一つかと思います。

2 時間的余裕がない場合
経営改善する時間的余裕がない場合、税金当局や年金事務所が分割弁済に待ってもらえないような場合はどうすれば良いのでしょうか。債務超過会社がこのような状況になってしまうと、破産を思い浮かべる方が多いかもしれません。 しかし、債務超過会社だからと言って、また、時間が乏しいからと言って、破産以外の方法で対応することも可能です
例えば、①早期に事業引受会社(スポンサー)を探して、当社事業を事業譲渡や会社分割でスポンサー会社やその子会社(新会社)に移転させつつ、有利子債務の全部または一部を現法人に残し、現法人は特別清算で債務免除を受けるという方法があります。この方法のことを「第二会社方式」と呼ぶことがあります。第二会社方式を活用して事業再生を図る方法ですが、各地の中小企業活性化協議会、中小企業の事業再生等に関するガイドラインの再生型手続などの準則型私的整理手続を利用するか、日弁連の特定調停スキーム(手引1)などを活用して対応することが考えられます。
②スポンサーへの譲渡が出来ず、廃業するしかないとしても、金融機関やリース以外の債務全額を支払う目途が立ちそうであれば、任意に廃業する方法も考えられます。任意廃業の方法としては、中小企業の事業再生等に関するガイドラインの廃業型手続、日弁連の特定調停スキーム(手引3)を活用して対応することが考えられます。
③最後にこれらの対応が無理で会社が法人破産となる場合でも、連帯保証している経営者が個人破産をしなければならないかというと、必ずしもそうとは言い切れません。2015年2月から経営者保証に関するガイドラインの運用が開始しており、個人破産をしないで、保証債務を免除してもらうことも可能となっているからです。2022年3月には廃業時における「経営者保証に関するガイドライン」の基本的考え方が公表されており、金融機関や弁護士に少しずつ浸透しています。
事業再生、任意廃業、経営者保証に関するガイドラインについて、いずれも事業再生・倒産処理を扱う弁護士に相談しながら対応することが必要となります。早い段階で相談するほど打ち手は増えますので、早めの相談をお勧めします。