[中部]三重弁護士会

三重弁護士会

〒514-0036 津市丸之内養正町1番1号
TEL 059-228-2232
FAX 059-227-4675
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1 三重県の状況

三重県は、日本列島のほぼ中央、太平洋側に位置し、県土は細長く、北勢、中勢、南勢、伊賀、東紀州地区に分けられます。

 

人口は約177万人で県内各地に分散しており、人口が特に集中した都市はなく、県庁所在地である津市が約27万人、四日市市が約30万人、鈴鹿市が約19万人となっています。

 

気候風土は穏やかで、山渓谷、川、海と自然に恵まれ、県土の3分の1以上が自然公園地域となっています。

 

三重弁護士会は中部弁護士会連合会に属し、名古屋高等裁判所管内であることから、愛知県弁護士会等中部ブロックの弁護士会との交流が密ですが、歴史的・文化的・地理的な背景や県民性からみると、三重県は近畿地方、中部地方双方に属するともいえ、特に北勢地区は名古屋圏、伊賀地区は大阪圏に属しており、大都市へのアクセスは比較的容易です。

 

2 裁判所の状況

裁判所の配置は、地方裁判所は中勢地区に津地方裁判所本庁、北勢地区に四日市支部、南勢地区に松阪支部と伊勢支部、伊賀地区に伊賀支部、東紀州地区に熊野支部があります。独立簡易裁判所は、北勢地区の桑名、中勢地区の鈴鹿、東紀州地区の尾鷲にあります。

 

3 弁護士の状況

三重弁護士会の会員数は2023年(令和5年)7月現在194名です。


県民数に対する弁護士数をみると、弁護士1人当たりの人口は約9100人となります。日本の人口約1億2600万人に対する弁護士1人当たりの人口数は約3000人ですので、それと比較すると、弁護士数が少ない地域のようにも見えますが、名古屋、大阪といった大都市へのアクセスが容易であることから、これら県外都市の弁護士が三重県における弁護士需要の相当部分を担っている実情もあります。


2019年(令和元年)度まで当会の会員は増加を続け、195名に達した後、2022年(令和4年)度は若干減少し、会員の増加ペースは一段落しています。


また、60期以降の若手会員は、過半数を超え、現在、約64%程度を占めています。


現在、津の本庁管内と四日市支部管内に関しては、弁護士不足を感じることはありませんが、新規登録弁護士を募集している事務所は、一定程度あるようです。また、松阪支部管内、伊勢支部管内、伊賀支部管内においても、同様の状況です。


以前は、弁護士ゼロワン地域であった熊野支部管内は、熊野ひまわり公設事務所の設置や、近接する和歌山県新宮市の弁護士数増加、高速道路の開通などにより司法アクセスが徐々に解消されつつあります。

 

4 三重弁護士会の会務

三重弁護士会は、会長1名と副会長4名の執行部体制を採っています。

 

ここ数年、会長は50期後半、副会長は60期前後という構成で、年々若返りが進んでいます。


会から比較的早い段階で常議員、副会長を担うことになり、大規模弁護士会と比べると、若い世代で執行部等を経験し、会務の中心として活躍しています。


委員会は、日弁連の委員会に対応するほぼすべての委員会(委員会の名称が異なっていたり、日弁連の複数の委員会を1つの委員会にまとめていたりする委員会もあります。)があり、会員は平均2つの委員会に所属しています。


新入会員は、刑事弁護委員会、人権擁護委員会といった、活動が活発な実動部隊といえる委員会のいずれかに所属しており、入会当初から積極的に会務に携わり、会員全員が委員会活動を分担して担っています。

 

5 国選等の公的活動の参加

国選弁護は、会員のうち9割近くが法テラスと被告人国選弁護契約をしており、津本庁・四日市支部の会員は、概ね平均で月1件程度を、その他の支部の会員はばらつきがあり、件数の多い会員では、月2、3件引き受けています。


法律相談センターの設置については、地裁支部のあるすべての地域に設置済みです。


法律相談センターは、平日毎日開催する三重弁護士会法律相談センター(本庁)、四日市法律相談センター、週1回開催する名張法律相談センター、熊野法律相談センター、松阪法律相談センター、伊勢法律相談センターがあります。


そのほか市町や社会福祉協議会、自治体、商工会議所等から法律相談担当の派遣依頼もあります。


法律相談からの受任は自由であり、会への負担金もなく、入会して間もない会員も積極的に事件を受任しています。


弁護士過疎対策のもう一つの柱である公設事務所は、2002年(平成14年)6月に弁護士ゼロワン地域の熊野市に熊野ひまわり基金法律事務所が開設されました。


公設事務所弁護士は任期制であり、定期的に(原則3年)後任弁護士が公募されます。支援体制も整えられておりますので、弁護士過疎地で公設事務所弁護士として活動されることに関心のある方は、ぜひ、熊野公設事務所への応募をお願いいたします。


さらに、2008年(平成20年)1月からは法テラス三重地方事務所にスタッフ弁護士が赴任し、資力の乏しい方のための民事法律扶助事件、あるいは国選弁護・少年付添事件の処理に特化した法テラス三重法律事務所が開設されました。現在、法テラス三重地方事務所には2名のスタッフ弁護士が勤務しています。

 

6 会員の業務・就職事情

当会では、ほとんどの法律事務所において一般民事、家事事件および刑事事件など幅広く事件を取り扱っています。一部の法律事務所では破産管財、交通事故事件などの分野を重点的に手がけているところもあります。


就職事情に関しては、60期以降の新入会員の大幅な増加が一段落し、新規採用を公にしていなくても、「人によっては採用したい」と考えている事務所は複数あるようです。


なお、伊勢支部管内、伊賀支部管内においては、国選事件や成年後見事件、LAC(自動車保険の弁護士特約による相談)紹介事案など一部の業務に関し、会による配転が滞る事態も見られ、担い手が必ずしも十分でない分野も存在しています。

 

7 終わりに

当会では、弁護士の公的役割に対する市民からの期待の高まりと共に、行政機関との連携を深め、各種公的委員への就任依頼、講師・相談担当者の派遣依頼等も年々増加しています。また、中小企業に対する法的支援を強化するため、商工会議所等中小企業関係団体と連携した活動も増えています。


また、被疑者国選の拡大や少年付添人援助制度の積極的な利用による少年事件・刑事事件、あるいは、成年後見制度利用促進法の施行に伴う成年後見制度の分野などにおいて、若手弁護士の果たすべき役割は増加しています。


これらの公的活動や会務についても、入会される方には即戦力として、積極的にその役割を担っていただきたいと思います。