会長からのご挨拶(2017年10月1日)

 

会長からのご挨拶

中本和洋会長

日弁連は、会務執行方針として国際活動の強化を掲げ、その中の課題の一つとして国際交流の促進に取り組んでいます。


毎年、各国で法曹関係者の国際会議が開催されています。私は、今年6月から7月にかけて、海外での国際会議に3回出席しました。


最初は、中国の浙江省杭州市において、欧州弁護士会評議会(CCBE)中華全国律師協会(ACLA)、日弁連の各会長・副会長が参加する三極会議に出席しました。この会議では、①法曹の国際化、②法曹の情報化、③公益活動(プロボノ活動)への弁護士の参加、④若手弁護士の育成、⑤法曹の広報・利用促進の5つのテーマについて討議がなされました。
 
次に、日韓バーリーダーズ会議が、韓国のソウルにて開催され、日弁連から正副会長をはじめ事務総長・事務次長、弁護士会連合会代表者など多数が出席し、大韓弁護士協会の正副会長、地方弁護士会の会長等と意見交換をしました。この会議では、①法曹養成問題、②弁護士業務領域の拡大と弁護士会の役割の2つのテーマについて、充実した討議が行われました。
 
さらに、スリランカのコロンボで開催されたアジア弁護士会会長会議(POLA)に出席しました。今回は「法曹の未来~アジア太平洋地域のトレンドとステータス」をテーマに開催され、会長会議では、日弁連から議題として提案した依頼者・弁護士間秘匿特権に関する決議案が採択されました。また、①次代の法曹を育てる、②技術と法曹の将来、③法律扶助とプロボノ活動、④裁判外紛争解決制度(ADR)等のセッションが行われ、私は、②技術と法曹の将来のセッションに参加し、「AIは弁護士に取って代わるか」をテーマにAI(人工知能)と弁護士業務についてプレゼンテーションを行いました。
 
また、本年度は、東京において、2つの国際会議が開催されました。


8月には、若手法曹国際協会年次大会(AIJA東京大会)が開催されました。AIJAは世界約100か国4000人の会員が加盟する45歳以下の法曹等による組織です。大会の共通テーマはAIであり、全てのセッションがAIに関連したものでした。日弁連は2016年に加入し、今大会は広報協力を行いました。
 
9月には、icon_page.pngLAWASIA東京大会2017が4日間に亘って開催されました。開会式には皇太子殿下・雅子妃殿下の御臨席を賜り、その後の30を超えるセッションでは、司法、人権、ビジネス法、公益、家事法、刑事、ADR、企業法務、若手法曹、法曹養成、IT・AIなど多彩なテーマについて議論が行われ、また大会最終日にはアジア・太平洋地域の学生たちによる白熱した模擬仲裁の決勝戦が行われました。日弁連は、共催団体として組織委員会とともに大会の準備と運営に関わり、1600人以上が参加した歴史に残る大会の一翼を担いました。
 
このような国際会議への参加を通じて、各国が共通した課題を抱えていることや、その取組・対応が判り、大いに参考になりました。また、IT・AIの進展に伴い、リーガル・サービスの在り方が変わってくる中で、弁護士がコミュニケーション能力を高め、依頼者の状態や心理を把握し、解決策を提案する力がますます必要になってくることを実感させられました。




2017年(平成29年)10月1日               
      日本弁護士連合会会長