会長からのご挨拶(2017年4月1日)

 

会長からのご挨拶

中本和洋会長

会長就任2年目を迎えました。

昨年は、熊本地震や鳥取県中部地震、東北地方・北海道地方の台風による水害、糸魚川大規模火災と、多くの災害が発生しました。これらの災害による被災者の皆様に心よりお見舞い申し上げるとともに、本年度も被災者の皆様への法律相談等の支援活動に全力を挙げて取り組んでまいります。

 

米国では本年に入ってトランプ政権が誕生し、前政権と異なる政策を打ち出しています。とりわけ、イスラム圏6か国からの入国禁止令に対しては米国内外からも批判が起こっており、人権擁護活動を使命とする日弁連としても米国の司法の対応に関心を持っています。

 

この他、ヨーロッパ各国で大統領選挙や総選挙が実施され、韓国でも大統領選挙が実施される予定です。シリアやアフリカでは内乱や戦闘状態が今日もなお続いています。このような世界の状況を見るとき、日本に平和な日々がいつまでも続くという保証はなく、私たちには平穏な日々を守るための不断の努力が求められていると思います。

 

さて、日弁連は、多くの課題を抱えていますが、多くの関係の皆様のご支援・ご協力によって、いくつかの課題を実現あるいは進展させることができました。

 

まずは、昨年12月に法務省から平成29年度以降に採用予定の司法修習生に新たな経済的支援策となる給付制度を新設することが発表され、本年2月3日には裁判所法の一部を改正する法律案が閣議決定されました。現在、法曹志望者は減少していますが、同改正法が成立して、今般の給付制度が問題解決に向けた第一歩に繋がることを期待しています。

 

また、本年3月3日に開催された臨時総会において、弁護士の不祥事対策等として預り金等の規制強化策と依頼者見舞金制度の創設が可決されました。併せて、日弁連のガバナンス強化を目指す総会の定足数の新設についても可決されました。

 

日弁連では、引き続き、憲法問題、共謀罪問題等、平和と人権を守る取り組みにも全力を尽くしてまいります。この他にも、民事司法改革、国際競争力の強化、法曹養成制度改革、高齢者・障がい者・子ども等の社会的弱者に関する施策、死刑制度の廃止を含む刑罰制度の改革等、多くの取り組むべき課題があります。

 

日弁連執行部は、新たに13人の副会長を迎え、これらの課題の実現に向けて引き続き一つひとつ着実に取り組んでまいります。

 

皆様の引き続きのご支援・ご協力をお願い申し上げます。

 

 

 

2017年(平成29年)4月1日
日本弁護士連合会会長 中本 和洋(なかもと かずひろ)