会長からのご挨拶(2017年1月1日)

 

会長からのご挨拶

中本和洋会長

新年明けましておめでとうございます。

本年が皆様にとって素晴らしい年となりますことをお祈り申し上げます。

 

昨年は、大変災害の多い年でした。とりわけ昨年4月に発生した熊本地震は大きな被害をもたらしました。日弁連は、復旧・復興に向けて引き続き被災者の支援に全力で取り組んでまいります。

 

本年も、日弁連は、基本的人権の擁護を使命とする法律家の団体として、日本国憲法の基本理念である立憲主義ならびに基本原理である国民主権および恒久平和主義を堅持する立場から、安保法制の憲法上の問題点を広く市民の皆様と共有し、全国の弁護士会とともに、その適用・運用に反対し、廃止・改正に向けたさまざまな取り組みをしていきます。

 

昨年、福井市において開催された第59回人権擁護大会では、「死刑制度の廃止を含む刑罰制度全体の改革を求める宣言」が採択されました。日弁連は、なお一層、犯罪被害者・遺族の方々の声に耳を傾け、市民の皆様の理解を得るための努力を行いつつ、同宣言の実現に取り組んでまいります。

 

また、昨年は弁護士の弁護活動や業務に関連する法律が成立しました。刑事訴訟法等の一部改正、総合法律支援法の一部改正、児童福祉法等の一部改正などです。本年も、これらの法律に対応するための取り組みを継続していきます。

 

昨年の司法試験の合格者数は、1583人であり、日弁連が目標としている1500人に近いものとなりました。一方、法曹志望者は年々減少しており、三権の一翼を担うべき司法の弱体化が懸念されます。日弁連は、法曹養成制度の改革と、法曹の魅力や弁護士の活動等の広報に取り組んでまいります。

 

司法修習生に対する修習手当の創設に向けての取り組みについては、昨年11月末日時点で453人もの国会議員の賛同メッセージをいただき、政府の予算関連文書である、いわゆる「骨太の方針」や「未来への投資を実現する経済対策」の中にも、司法修習生に対する経済的支援の充実・強化が盛り込まれました。また、昨年12月には、法務省が新たな経済的支援策を発表しました。日弁連は、修習手当の早期の実現に向けて取り組んでいきます。

 

今日、日弁連は、この他、民事・刑事の司法改革、法曹養成制度改革、国際活動の拡大・強化、活動領域の拡充、弁護士自治を守る取り組み等、多くの課題を抱えています。

 

今こそ、日弁連は、会員の中のさまざまな意見を集約し、合意形成を図って、弁護士の活動基盤を強固なものにするとともに、これらの課題を一つひとつ改善・改革していかなければなりません。

 

本年1年間、皆様のご支援、ご協力を心からお願い申し上げます。

 

 

 

2017年(平成29年)1月1日
日本弁護士連合会会長 中本 和洋(なかもと かずひろ)