会長からのご挨拶(2024年7月1日)
会長からのご挨拶
2024年は1月1日の能登半島地震、4月3日の台湾東部地震、4月17日の四国西部地震など、大きな地震の発生が続いています。
いつ発生するかわからない大規模地震については、日頃の備えが必要です。日弁連は、災害復興支援委員会を中心に過去の災害を教訓とした新たな被災者支援策を提案し続けています。いまだに復旧が十分ではない令和6年能登半島地震の被災者への支援についても、より実効性のあるものにするため、北陸4県の弁護士会を中心とした全国の弁護士会、弁護士会連合会と連携して取り組んでいきます。
また、2024年3月にケニア、4月にはブラジルで大雨による洪水が発生するなど、世界各地で大規模水害が発生しています。日本においても、毎年のように線状降水帯が発生し、大雨による甚大な被害が生じています。
これらの水害は地球温暖化の影響と考えられており、日弁連は、日本政府等に対し、地球温暖化の原因である温室効果ガスの排出を削減するために、化石燃料から再生可能エネルギーへの転換が急務であることを提言し続けています。脱炭素社会の実現は世界共通の課題であるという認識を深める一方で、日本政府のエネルギー基本計画では十分な取り組みがなされていないと感じます。日本だけではなく、世界中が脱炭素社会の実現に向けて行動することが不可欠であり、毎年大型化する台風や線状降水帯によって多くの水害に見舞われ、気候変動を目の当たりにしている日本には、その経験を伝えて、より強く世界中に働きかけをしていく責任があります。
日弁連では、2024年10月3日に愛知県名古屋市で開催する人権擁護大会シンポジウムにて「人権保護としての再生可能エネルギー選択~地球環境の保全と地域社会の持続的発展を目指して~」と題した分科会を予定しています。
市民の皆様におかれましては、上記のような日弁連の活動にご理解とご協力を賜りますよう、お願い申し上げます。
2024年(令和6年)7月1日
日本弁護士連合会会長