会長からのご挨拶(2022年10月1日)

会長からのご挨拶

私が会長に就任してから、早いもので6か月が経過しました。


この間、直面する多くの課題に対応する日々ですが、市民の皆様や関係各位、また、会員のご理解やご協力により、大変充実した活動を展開できていることに、改めて御礼申し上げます。


さて、今年の夏も大変な猛暑でありました。近年では、世界各地で極端な高温、豪雨、森林火災、台風の巨大化等の異常気象が頻発し、日本でも災害級と形容される猛暑、数十年に一度と言われる集中豪雨や巨大台風が毎年のように各地を襲い、河川の氾濫や崖崩れ等甚大な被害が発生しています。


これらの気候危機により、現在及び将来世代の生存基盤が脅かされることは、憲法やその他関連法規等で定められている生命や健康、居住、社会生活を営む権利等への脅威であり、重大な人権問題でもあります。


このような気候危機の原因は、産業革命後の二酸化炭素(CO2)等温室効果ガスの排出増加による地球温暖化であり、日本を含む国際社会を構成する全ての国々は、気候危機によりもたらされる国民の生命等に対する切迫した危険を回避するため、速やかに十分な対策をとらなければなりません。


日本政府も、2050年までにカーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指すことを2020年に宣言し、2030年度までの温室効果ガスの削減目標を2013年度比26%削減から46%削減に引き上げ、さらに50%の高みを目指す方針を昨年に表明しましたが、その実現への道筋は不透明です。


当連合会は、2021年の人権擁護大会において、「気候危機を回避して持続可能な社会の実現を目指す宣言」を採択し、前述のような各種指摘を行った上で、2050年脱炭素に向けて最大限努力することを宣言しました。さらに、先日の旭川における人権擁護大会においても、この問題意識についての新たな決議をいたしました。


当連合会は、これらの人権擁護大会宣言・決議を踏まえ、これからの新たな動きにも注目、検証しながら、引き続き活動していきたいと思います。


今後とも、変わらぬご支援を賜りますよう、お願い申し上げます。




2022年(令和4年)10月1日
  日本弁護士連合会会長     

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