会長からのご挨拶(2020年10月1日)

会長からのご挨拶

本年度も上半期が終わり、下半期が始まります。猛暑日が続いた夏も終わり、本格的な秋を迎えました。新型コロナウイルス感染症による市民生活への影響は広範囲にわたっており、さまざまな場面で支援を必要とする人が増えています。また、企業活動への影響も甚大であり、中小企業の経営に従事する方々は苦戦を強いられ、中には、倒産や廃業に追い込まれている方々も少なからず出てきています。


本年4月以降、日弁連は、COVID-19対策本部を中心として、全国52の弁護士会と連携・協力体制を築き、積極的に支援活動を展開してきました。


このような中、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、感染者やその周囲の関係者、医療関係者に向けられた偏見や差別が大きな問題になっています。しかし、このような偏見や差別は何ら根拠のない不当なものであり、決して許されるものではありません。弁護士および弁護士会はこのような偏見や差別を生み出さない社会を築くため、最大限努力する旨の会長声明を公表しました(2020年7月29日付け「新型コロナウイルス下で差別のない社会を築くための会長声明」)。


新型コロナウイルス感染症の感染拡大とその長期化により発生した労働問題、賃料をめぐるトラブルなどについても、引き続き全国各地で無料相談会を開催するとともに、各地の弁護士会の法律相談センター、法テラス等において相談をお受けし、解決に向けた適切な支援・助言ができる体制をさらに充実させたいと考えています。


少年法改正問題については、法制審議会の部会と与党プロジェクトチームの双方において取りまとめがなされ、最大の懸案であった少年法適用年齢の引下げに関して、少年法の対象は20歳未満であること、また、すべての事件が家庭裁判所に送致されることがそれぞれ維持されることになりました。しかしながら、家庭裁判所から検察庁に逆送される事件の範囲が拡大されたことや、少年の実名等の報道も一定の要件の下で許されることになったことなど、日弁連やさまざまな団体等が主張し、求めてきた内容とは異なる部分もあることから、立法化までの過程で私たちの主張が認められるようさらに活動を展開していきたいと思います。


新型コロナウイルス感染症の感染拡大と長期化の中で、日弁連の中でも、これまで一堂に会して議論するのが当たり前とされてきた委員会や総会、理事会などの開催方法が大きく変わろうとしています。既に各種オンラインシステムを活用しなければ活動が困難になっており、システムの整備や拡充が喫緊の課題となっています。同時に会則・会規等もこれを念頭に置いたものに変更する必要があり、その準備を始めています。


日弁連は、私のほか副会長と事務総長、事務次長、その他弁護士の嘱託および事務局職員全員が力を合わせ、さまざまな困難に直面している方々に迅速かつ適切な法的支援が行われるよう、引き続き全力投球していく所存です。



2020年(令和2年) 10月1日
  日本弁護士連合会会長     

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