私が裁判員に選ばれたのは、この裁判員制度が始まって間もないときで、日本で3番目、青森では初めての裁判員裁判でした。9月1日午後に選任手続が行われました。私たち市民は、裁判所に行くというだけでも緊張するわけですが、随分注目された裁判だったので、多くの報道陣が裁判所を囲んでいて、大変驚かされました。私もマスコミの方々から囲まれて、なかなか裁判所に入れなかったんですが、裁判所の方が助けにきてくれて、やっと入ることができました。
最初は、一体これから何が始まり、何をされるんだろうかと緊張していました。選任手続では、まずペーパーでインタビューアンケートに答えました。その事件が起こった町にかかわりがあるか、仕事等で頻繁に出かけたことがあるか、また事件は性犯罪だったので、そういう犯罪に対して落ち着いて最後まで審理していけるでしょうか、などという質問だったことを覚えています。46名の方々が出向いたのですが、皆さん、緊張の面持ちでした。私もそうでしたが、自分が選ばれたらどうしようという思いで、静かに、みんながだれと話すでもなく、沈黙の中で選任を待ちました。
そのあと、4人ずつ呼ばれて、裁判長との面接がありました。これは、先ほどのペーパーでの質問をもう一度繰り返すような感じだったので、時間がもったいないような気がしました。待ち時間は、非常に緊張していました。あの時間を有効活用して、裁判員制度の趣旨とか、この制度を通して、どういう方向に日本が変わっていってもらいたいのかとなど説明でもしてもらえれば、裁判員となる市民が、意識を持って臨めるんじゃないかなと思えました。
選ばれた後、宣誓をしたり、裁判長から裁判員の役割について説明があったんですが、私の場合は緊張がずっと続いていて、これからどんなことが待ち構えているのかとか、どういう流れでどうしたらいいんだとか気になって、今、振り返ってもあまり印象に残っていません。 |