私が担当した裁判員裁判は、千葉地裁の第13号事件ということで、それほどマスコミの関心がないせいか、裁判所に行った時には大騒ぎということはなかったです。
裁判員候補者のリストに載ったという通知が来たのが、3月か4月ごろだったと思います。そのときは、これは多くの人に来るので自分が呼び出されることはないなと思っていました。中に入っていたアンケートを読んだら、自分は裁判員ができないという仕事や資格にあたらなかったので、そのまま返事も出さずに放置しておいたのです。ところが9月下旬になって、あなたが裁判員候補者に選ばれました、12月15日の午前9時に千葉地裁に来てくださいという内容の書類が届いたわけです。でも、その書類は大体100人ぐらいに届くということでした。
12月15日から3日間と記してあったので、多少、仕事のあんばいをやりくりして、一応、何があってもいいようにして、当日裁判所に出かけました。私はくじ運の悪いほうなので、半ば当たることはないと思っていました。
裁判所に集まった人は50人ちょっとでした。その中から選ばれるのは、裁判員6人に補充裁判員を加えた8人。確率から言うと、まだ何分の幾つかなと思っていました。実際に番号を呼ばれたときは、これは大変なことだなと驚いたというのが実感です。
裁判員選任に当たって、別室で裁判長から個別に質問を受けたのは、事情があって裁判員はできないと申し出た人だけで、当日集まった人全員が個別に質問を受けたのではありませんでした。裁判員に選ばれた後は、いきなり、別室で宣誓……。中身は忘れましたが、置いてあった紙に書いてあったことを、起立して読み上げ、宣誓しました。そのころから、次第に緊張が高まってきました。裁判長から裁判員の役割について説明がされたかもしれませんが、特に印象に残っていないですね。
裁判員に選ばれる確率は低くて、ほとんど選ばれないと思って裁判所に行っても、現実には6人プラス若干名が選ばれます。皆様方に、実際の事件についての呼び出しが来たときは、一応、これはやる可能性がかなり高いと思って、心を決めて裁判所に行かれたほうが、私のようにうろたえないで済むかと思います。 |