日弁連における男女共同参画推進特別措置(女性副会長クオータ制)の導入に当たっての日弁連コメント

当連合会は、本日開催した臨時総会において、2018年度から、副会長に占める女性会員の割合を計画的に高めていくための積極的改善措置(ポジティブ・アクション)として、新たに男女共同参画推進特別措置(いわゆる女性副会長クオータ制)を導入することを決議しました。本制度は、現在の副会長の人数を2人増員して15人とした上で、副会長のうち2人以上は女性が選任されなければならないとするものです。


当連合会は、2002年の定期総会決議において、司法における意思決定の場に女性が参加し、男女共同参画を実現するためのポジティブ・アクションに取り組むことを宣明しました。背景には、人権擁護と社会正義の実現を標榜する弁護士の集団である弁護士会こそ、両性の平等という憲法の理念を実現すべく、男女共同参画を積極的に推進し、社会のモデルとなるべきとの問題意識があります。


その後、政府の男女共同参画推進本部が2003年に「社会のあらゆる分野において、2020年までに、指導的地位に女性が占める割合が、少なくとも30%程度になるよう期待する」という数値目標を定め、様々な施策が行われています。


当連合会は、この政府目標も踏まえ、政策・方針決定過程に関する組織等に占める女性会員の割合について、5年ごとに目標を定めています。2013年に策定した「第二次日本弁護士連合会男女共同参画推進基本計画」では、日弁連の理事者(会長、副会長、理事)に占める女性会員の割合を、2017年度までの5年間で15%程度に増えるよう期待し、そのための条件整備等の取組を推進することを決定しました。


本制度は、この目標を実現するために、女性の副会長の割合を一定数以上とする積極的改善措置(ポジティブ・アクション)として実施するもので、当連合会における男女共同参画の実現に向け大きく踏み出す施策です。


当連合会は、司法におけるジェンダー・バイアスを排除し、国民の半数を占める女性の法的サービスへのアクセスを容易にするために、また、弁護士・弁護士会に対する国民の信頼を高めるためにも、当連合会における男女共同参画を実現し、ひいては、「男女が性別にかかわりなく、その個性と能力を十分に発揮することができる男女共同参画社会の実現」(「男女共同参画社会基本法」前文)に向けて、引き続き役割を果たしていく所存です。




  2017年(平成29年)12月8日

日本弁護士連合会      

 会長 中本 和洋