不当景品類及び不当表示防止法等の一部を改正する等の法律の成立に当たっての会長声明

本日、参議院本会議で、不当景品類及び不当表示防止法等の一部を改正する等の法律(以下「改正法」という。)が、可決・成立した。

 

この改正は、2013年に大規模に発覚した食品業界の虚偽・誤認表示問題を受け、事業者においては適正な景品類の提供及び表示の管理上の措置を講ずること、都道府県にも事業者に是正措置を命じる権限を与えること、また、消費者庁が他の省庁に不当表示の報告徴収や立入検査等を委任できるようにすること等を定めたものであり、表示の適正化並びに消費者被害の抑止に向けて、一歩前進させるものである。

 

しかしながら、当連合会が、表示の適正の確保に不可欠として、繰り返し導入を求めてきた課徴金制度については、衆議院及び参議院消費者問題に関する特別委員会において、「透明性・公平性の確保のための主観的要素の在り方など賦課要件の明確化及び加算・減算・減免措置等について検討し、事業者の経済活動を萎縮させることがないよう配慮するとともに、消費者の被害回復という観点も含め検討し、速やかに法案を提出すること」と附帯決議がなされた上で、改正法第4条に、「この法律の施行後一年以内に、課徴金に係る制度の整備について検討を加え、必要な措置を講ずるものとすること」と定めるにとどまった。

当連合会は、2014年2月21日付けで、「不当景品類及び不当表示防止法の課徴金制度導入等に伴う制度設計に関する意見書」を公表し、不当景品類及び不当表示防止法のあるべき基本的方向性や、新制度の構築に係る留意点等について意見を述べたところであるが、ここに、改めて、国に対し、実効性ある課徴金制度の導入に向けて具体的な検討を加速させ、早急に法改正を進めることを強く求めるものである。

 



 


  2014年(平成26年)6月6日

  日本弁護士連合会
  会長 村 越   進