福岡県弁護士会の弁護士の逮捕にあたっての日弁連コメント

2012年(平成24年)10月31日
日本弁護士連合会

 

 

 

本日、成年後見監督人として選任されていた福岡県弁護士会に所属する弁護士が、成年後見人が管理していた金員1、800万円を詐取した疑いで逮捕されました。また、当連合会は、既に福岡県弁護士会の調査により、被疑事実を含め総額約4、400万円を詐取したという事実で懲戒手続に付されていることを確認しています。


かかる不祥事は、弁護士及び後見監督制度に対する信頼を著しく損なうものであり、誠に遺憾です。また、このような不祥事が短期間のうちに相次いで明らかになったこと、加えて、当該弁護士はこれまで九州弁護士会連合会の理事長などの役職を務め弁護士倫理の向上に率先して努めるべき立場にあった者であり、そうした立場にある者がこのような不祥事を起こしたことは、極めて重大な問題として、当連合会は、厳粛に受け止めています。


もとより、弁護士は、職務上、依頼人の財産管理に関与する場合が多く、そのため高度の職業倫理に基づき、職務を誠実に全うすることが求められています。


当連合会は、今回の不祥事を深刻に受け止め、弁護士に対する信頼の回復をめざし、弁護士会とも連携しつつ、改めて、弁護士の職務に関する倫理と行為規範(弁護士職務基本規程)の徹底を図る所存です。