会長談話(山梨県弁護士会の「甲府弁護士会臨時総会決議の取消決議」について)

当連合会は、このほど開かれた山梨県弁護士会定期総会において、同会の前身である甲府弁護士会の昭和17年12月10日、および同18年1月29日の「国家総動員法違反被疑事件の弁護」に関する各臨時総会決議の取消決議を採択したとの報告を受けました。


甲府弁護士会として行った同決議は、「国家総動員法違反被疑事件の一切の弁護を受任しないこと、決議に違反した会員を退会処分とすること」を骨子としております。刑事弁護人の活動を決議で奪うことができないことは今日的視点からはもちろんのこと、決議当時においても誤りであったと言わざるをえません。


真の司法改革実現のためには、日弁連をあげて様々な諸課題に取り組んでいる今日、こうした過去の誤りを正していく姿勢は、弁護士及び弁護士会に対する市民の信頼を高めるためにも必要なことです。その意味で山梨県弁護士会の上記決議を歓迎致します。


2002年(平成14年)3月19日


日本弁護士連合会
会長 久保井 一匡