公式参拝に関する会長声明

小泉純一郎内閣総理大臣は、本年8月15日に靖国神社を公式参拝することを表明している。


しかし、内閣総理大臣がその地位にあるものとして一宗教法人である靖国神社を公式参拝することは、「その目的が宗教的意義をもち、その行為の様態からみて国又はその機関として特定の宗教への関心を呼び起こす行為というべきであり」「公式参拝における国と宗教法人靖国神社との宗教上のかかわり合いは、我が国の憲法の拠って立つ政教分離の原則に照らし、相当とされる限度を超える」(仙台高裁、平成3年1月10日岩手靖国住民訴訟控訴審判決)ものと断定せざるをえない。


したがって、公式参拝は、憲法20条3項が禁止する宗教的活動に該当する違憲な行為といわなければならない。


よって、小泉内閣総理大臣に対し、憲法尊重擁護義務を負う立場を考慮し、靖国神社の公式参拝を行わないように求めるものである。


2001年(平成13年)7月26日


日本弁護士連合会
会長 久保井 一匡