女子差別撤廃条約選択議定書の早期批准を求める会長声明

1999年10月6日、国連総会において女子差別撤廃条約選択議定書が採択された。


日本弁護士連合会(日弁連)は、この採択を求めて国連女性の地位委員会が草案を審議している段階から、1997年6月に日弁連会長声明、1998年2月に草案の条項について「意見書」、昨1999年2月に日弁連会長声明を出してきた。


この選択議定書は、2000年9月22日に10か国目のイタリアの批准書が寄託されたので、16条1項により2000年12月22日に発効する。


女子差別撤廃条約選択議定書は、女子差別撤廃条約の違反について、個人または集団が女子差別撤廃委員会に申立をすることおよび、条約の重大で系統的な違反に対する女子差別撤廃委員会の調査手続を定めており、女性に対する差別の撤廃、すべての女性の基本的人権の保障を達成するうえで画期的なものである。


2000年9月の、男女共同参画審議会答申「男女共同参画基本計画策定に当たっての基本的な考え方-21世紀の最重要課題」では、この選択議定書について、「女性にかかわりの深い国際約束のうち女子差別撤廃条約の選択議定書やILO条約等の未締結のものについて、世界の動向や国内諸制度との関係にも留意しつつ、男女共同参画の視点から積極的な対応を図っていく必要がある。」としている。


日弁連は、男女共同参画基本計画の策定にあたって、同審議会が女子差別撤廃条約選択議定書の批准へ向けて積極的な姿勢を明らかにしたことを歓迎し、政府が同基本計画にこの選択議定書の早期批准を明記することを切望する。


日弁連は、日本が女子差別撤廃に向けて、国内はもちろん国際的にも重要な役割を今後とも果たしていくために、女子差別撤廃条約選択議定書を一日も早く批准することを求めるものである。


日弁連もまた、この選択議定書の重要性を国民に広く知らせることも含め、女子差別撤廃条約選択議定書の批准に向けてできうる限りの努力をする所存である。


2000年(平成12年)11月15日


日本弁護士連合会
会長 久保井 一匡