障害年金制度の認定基準に係る早急な見直しを求める意見書


2024年4月19日
日本弁護士連合会

 

本意見書について

日弁連は、2024年4月19日付けで「障害年金制度の認定基準に係る早急な見直しを求める意見書」を取りまとめ、同月25日付けで厚生労働大臣宛てに提出しました。


本意見書の趣旨

1 国は、国民年金法施行令別表の1級9号の「包括条項」に定める障害の程度の文言を、現代社会において用いられる表現に改訂し、また、同別表2級15号の「包括条項」とともに、それらの内容についても、現在の障害年金受給者の生活実態を反映し、機能障害を重視するものではなく日常生活上の制限の程度を基準とするものに改訂するべきである。


2 国民年金・厚生年金保険障害認定基準の「第2 障害認定に当たっての基本的事項」(以下「基本的事項」という。)について、次のように改めるべきである。

  (1) 「基本的事項」の例示を削除するべきである。例示を仮に示すのであれば、時代に応じた例示に改訂するとともに、様々な障害種別ごとに、できるだけ多数の例示を記載するべきである。

  (2) 「基本的事項」のうち、2級の障害の程度について定める記載について、「労働により収入を得ることができない程度のものである。」は削除するべきである。

  (3) 「基本的事項」の「3 認定の方法」では、原則として「診断書及びX線フィルム等添付資料により行う」とされているところ、療養の経過、日常生活状況等を総合的に考慮するものとすべきである。


3 国民年金法施行令別表1級10号及び2級16号並びに厚生年金保険法施行令別表第一の3級13号の精神障害に関する「障害の状態」の規定を、日常生活上の制限の有無及び程度や、支援の要否及びその分量等の明確なものに改訂すべきである。


4 知的障害については、国民年金法施行令別表及び厚生年金保険法施行令別表第一に、精神障害とは独立した項目として、前項と同様の趣旨の「障害の状態」の規定を付け加えるべきである。


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