刑事施設における物品販売に関する意見

2008年2月15日
日本弁護士連合会


 

本意見書について

日弁連は、「矯正施設内で収容者が購入する食品および日用品の不当な値段は、民法709条、独禁法25条に該当するもので、調査をお願いしたい」との被収容者からの申立てを受け、刑事施設における物品販売の制度や販売されている物の価格などについて調査を行いました。その結果、人権侵害性の発生ないし具体的な恐れがあるとまでは認められないが、『ほぼ全ての施設において、被収容者に対する物品販売業について財団法人矯正協会(刑務官を会員とする組織)が独占的な地位を与えられており、適正価格の形成が阻害されるおそれが生じ、また、被収容者に対する販売により得られた利益が処遇にあたる刑務官に間接的ながら還元される構造となっていること』、そして、『公務員としての倫理規範の遵守ないし公務の公正に疑義が生じる状態にあり、ひいては健全な収容関係の維持の弊害となりかねない事態にあること』が判明したため、添付のとおり法務大臣宛に意見書を提出しました。


意見書の趣旨

法務大臣及び法務省矯正局長において、各刑事施設の長に対して、


  1. 財団法人矯正協会が販売業者としての地位をほぼ独占する運用を直ちに改めるよう指導すべきである。
  2. 前項の目的を達成するため、販売業者を指定するにあたっては、新規参入を希望する民間業者に適切に情報を提供するなどして広く業者を募集し、できる限り多くの業者に参入させるよう効果的な運用を行うよう指導すべきである。

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