弁護士に対する「ゲートキーパー立法」阻止のための運動方針

2005年(平成17年)12月16日
日本弁護士連合会


 

2005年11月17日、政府の国際組織犯罪等・国際テロ対策推進本部は、FATF(金融活動作業部会)勧告実施のための法律の整備の一環として、FIU(金融情報機関)を金融庁から警察庁に移管することを決定した。


この決定により想定される弁護士に対する「ゲートキーパー立法」は、弁護士・弁護士会の存立基盤である国家権力からの独立性を危うくし、弁護士・弁護士会に対する国民の信頼を損ね、弁護士制度の根幹を揺るがすものとなる。


よって、日本弁護士連合会(以下「日弁連」という)は、弁護士に対する「ゲートキーパー立法」を阻止するため、ゲートキーパー問題対策本部の体制を強化し、次のとおり運動方針を定め、行動をする。


  1. 弁護士に対する「ゲートキーパー立法」が弁護士制度の存在意義を危うくし、ひいては司法制度の基盤を突き崩す危険があることを訴える運動をねばり強く展開し、この運動が国民的支持を得ることを目指す。
  2. 政府及び政府機関に対し、弁護士に対する「ゲートキーパー立法」は、依頼者が真実を述べて弁護士から適切な助言を受けることによる法遵守の促進を阻害し、かえって立法目的に反する結果となることを訴え続ける。
  3. ゲートキーパー制度の弁護士への適用を阻止し、あるいは廃止を求めて活動している諸外国の弁護士会との連携をこれまで以上に強化する。
  4. 弁護士がマネーロンダリングやテロ資金の移動にいささかも関与することのないよう、会内における研修を更に強化して行う。