公金検査請求訴訟制度の提言

2005年(平成17年)6月16日
日本弁護士連合会


本提言について

地方自治法においては、普通地方公共団体の財務行為の違法性をチェックして損害を回復する手段として、普通地方公共団体の住民による「住民訴訟」が認められています。これにより、公共事業談合、官官接待、不正手当など多くの事案で訴訟が提起され、普通地方公共団体の行政における財務行為のあり方が是正、改革されてきました。


ところが、国については、住民訴訟のような制度がなく、違法な財務行為が明らかになっても、国民がこれを正す手段がありません。このため、例えば公共事業談合が発覚しても、国の損害は放置されたままとなってしまいます。このような状況は、明らかに正義に反し、憲法で定められた財政民主主義の観点からも問題です。


日弁連は、2002年5月、司法制度改革推進本部の行政訴訟検討会において、国レベルでの住民訴訟の創設を求めるなど、以前より問題点を指摘してきました。そして、今回、日弁連独自に「公金検査請求訴訟法案」をとりまとめ、かかる制度創設についての提言を6月16日の理事会で採択しました。


この提言は、法務省(6月8日)など関連諸機関に提出しました。


※公金検査請求訴訟制度とは

問題があると思われる国の財務行為について、国民が、会計検査院に対して監査を請求し、会計検査院の対応が不十分なときは、国などを被告として必要な措置を取るよう請求する訴訟を提起することができる制度。


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