日弁連新聞 第508号

平成28年熊本地震
災害対策本部を設置

日弁連は、熊本県や大分県で発生した一連の「熊本地震」への対応のため、地震発生当日の4月14日に災害対策本部を設置し、翌15日には第1回対策本部会議を開催するとともに、熊本県弁護士会、九州弁護士会連合会および各地の弁護士会、各自治体や法テラスなど関係諸機関と連携し、被災者の支援に全力で取り組む旨の緊急会長談話を公表した。

4月18日には、大規模災害の被災者に対する法律相談の円滑化を含む総合法律支援法の一部を改正する法律案の早期成立等を求める緊急声明を公表した。

また、4月19日からは被災者支援のために実施される被災地弁護士会等の活動のための費用等に充てるために義捐金の募集を開始した。東日本大震災の際と同様に、多くの会員にご協力をいただきたい(振込先等は左下に記載のとおり)。

4月21日には、熊本県弁護士会との情報共有と今後の対応を検討するために、岩渕健彦本部長代行(仙台)、近藤健太事務局長(東京)、津久井進委員(兵庫県)が熊本県を訪れ、同弁護士会との協議を行った。

同日、熊本県弁護士会では、法律相談等被災者支援活動に関する会員向けの研修が実施され、137人もの会員が受講した。

日弁連からは、新潟県中越地震等の被災者支援活動に携わった平哲也委員(新潟県)と広島豪雨災害の被災者支援活動に携わった今田健太郎委員(広島)を派遣し、これまでの経験に基づき講演を行った。

日弁連は、被災地域の一刻も早い復旧・復興が実現することを願うとともに、過去の震災における支援活動で培ってきた経験を活かし、被災者に対する法的支援に尽力する。

 

<義捐金の振込先>

三菱東京UFJ銀行 東京公務部
普通預金 1006466 ニホンベンゴシレンゴウカイ

*弁護士の場合、振込みの際には必ず振込人の氏名の前に登録番号を付けてください。
<お振り込みに当たって>
※使途は日弁連にご一任ください。 ※寄付金控除の対象となりません。
※詳細は日弁連ホームページをご確認ください。

【問い合わせ先】日弁連人権部人権第二課 TEL:03-3580-9910

 

法制審議会刑事法(性犯罪関係)部会における議論状況

本年3月25日、法制審議会刑事法(性犯罪関係)部会第5回会議が開催され、二巡目の議論が終了した。

同会議では、諮問案別紙要綱(骨子)第三「監護者であることによる影響力を利用したわいせつな行為又は性交等に係る罪の新設」について、第七「強盗強姦及び同致死の罪並びに強盗強姦未遂罪の改正」について、第四「強姦の罪等の非親告罪化」の適用範囲について、およびヒアリングの実施について審議された。

第三については、事務当局から、「影響力を利用して」という要件につき、監護者に該当する者は、一般的に、18歳未満の被監護者の意思決定に作用する影響力を持つものであり、かつ、その影響力が遮断されていない状況下で性交等を行ったときには、基本的には影響力を利用したものと考えられることから、性的自由に対する侵害に該当するとの説明がなされた。これに対し、事実上の立証責任の転換になるのではないか、監護者概念が明確ではなく、処罰範囲が拡がるのではないかといった意見もあったが、要綱(骨子)を支持する意見が多数を占めた。

第七については、一巡目の議論で中止未遂の取り扱い等が現行法と異なる点につき疑問が呈されていたが、事務当局から改正の理由について説明がなされ、審議の結果、要綱(骨子)を支持する意見が多数を占めた。

第四については、非親告罪とする法改正を行う場合、その適用範囲をどのようにすべきかにつき、訴訟手続に関する改正であり不利益変更に当たらないため、改正法の施行前に行われた行為であっても、非親告罪として取り扱うべきであるとの意見が多数を占めた。

また、被害当事者等からのヒアリングを求める意見が出ていることに鑑み、ヒアリング実施の要否について検討され、ヒアリングを実施すべきとの意見が多数を占めたが、法務省の「性犯罪の罰則に関する検討会」で実施したヒアリングの補足的な位置付けとして内容が重ならないようにし、加害者側も含めて幅広く意見を聴取する必要があるという点が確認された。

今後は、ヒアリングの開催日程を含めて事務当局において検討されることとなっており、次回はヒアリングが行われる見込みである。

(司法調査室嘱託 高橋しず香)

 

*同部会での議論状況および資料等は法務省ホームページでご覧いただけます。

 

総合法律支援法改正案・衆議院本会議通過

総合法律支援法改正案が本年4月5日開催の衆議院本会議にて可決された。

衆議院法務委員会では、①認知機能が十分でないために自己の権利実現が妨げられているおそれがある方(特定援助対象者)やDV・ストーカー・児童虐待を現に受けている疑いがあると認められる方(被害者等)に対する法律相談援助について、対象者の該当性判断や費用負担を求める基準、負担額を定めるに当たって、利用者がちゅうちょすることのないようにすること、②特定援助対象者の代理援助の対象となる行政不服申立手続の範囲について柔軟に解釈するとともに、行政機関への申請行為にも拡大すること、③被害者等の行政機関との交渉等の場面における弁護士費用の援助や未成年者である犯罪被害者への費用償還を要しない援助の必要性について引き続き検討すること、等について附帯決議がなされた。

日弁連は、同法案が今後参議院において可決成立した場合には、関係機関とその運用実施に関する協議を行う予定である。

(日本司法支援センター対応室長 高橋太郎)

 

第67回定期総会
旭川で開催(5月27日)

本年5月27日(金)午後1時から、旭川グランドホテル(旭川市)において、第67回定期総会が開催される。平成28年度(一般会計・特別会計)予算議決の件、宣言・決議の件他、計6本の議案が審議される予定である(議案内容等の詳細は、5月17日頃に送付される議案書に記載)。多数の会員の参加による充実した審議をお願いしたい。

 

地域司法の充実に関する全国担当者交流会
3月9日 弁護士会館

本年1月15日の民事司法改革に関する日弁連・最高裁協議において、最高裁から労働審判実施支部の拡大等運用が改善されることが明らかになった。この協議の総括と今後の各弁護士会での取り組みについて議論すべく全国の担当者による交流会が開催された。

 

冒頭、村越進会長(当時)から開会挨拶があり、最高裁との協議の結果、労働審判実施支部の拡大や一部の裁判所支部および家庭裁判所出張所における裁判官のてん補回数の増加など、一定の成果が上がったことは評価すべきであるが、引き続き全国各地で意識的な運動が必要である旨が述べられた。

最高裁との協議の総括として、協議に参加した赤羽宏会員(東京)が、日弁連は、①労働審判実施支部の拡大、②非常駐支部における常駐化、③支部機能の拡大を三本柱として運用改善の提案を行い、その結果、①2017年4月から静岡地裁浜松支部、長野地裁松本支部、広島地裁福山支部で労働審判が実施されることになり、②2016年4月から松江地家裁出雲支部で支部長を置いての常駐化、③2016年4月から静岡地家裁掛川支部、神戸地家裁柏原支部、高松地家裁観音寺支部等でてん補回数の増加が実現することになったが、合議制事件取扱支部の拡大等、見送られた項目もあると報告した。

今回運用改善が見送られた地域について、裁判官制度改革・地域司法計画推進本部の浦田修志事務局次長(横浜※現・神奈川県)は、裁判官不足や支部機能の低下により生じている問題事例の情報を収集し、各弁護士会が各地の裁判所との協議会や委員会などで問題事例の共有を行うとともに、運用の改善を引き続き求めていくことが必要であると述べた。また、各方面に働き掛けをしていくことも重要であるとした。

最後に、高崎暢本部長代行(札幌)が、今回運用が改善した地域においても、その成果が絵に描いた餅にならないように情報を周知し、積極的な利用を呼び掛けるともに、その他の地域においても腰を据えて継続的かつ多面的に運用改善に向けて取り組むことが重要であると激励の言葉を述べ、交流会を締めくくった。

 

「ローエイシア東京大会2017」に関する説明会を開催します!(5/31)

日弁連が加盟をしているローエイシア(アジア太平洋法律家協会)の年次大会が2017年の9月18日から21日にかけて、東京で開催されることとなりました。日本法律家協会、日本ローエイシア友好協会とともに、日弁連が呼び掛け人となって発起人を募り、4月19日に「LAWASIA東京大会2017組織委員会」が正式に立ち上がりました。日弁連では、5月31日(火)午後6時から弁護士会館にて同大会の企画・運営・準備にご関心をお持ちの会員の皆さまを対象に説明会を開催いたしますので、ぜひご参加ください(詳細は会員専用ページをご覧ください)。

 

2016年度会務執行方針(要約)

  • 全文は日弁連ホームページをご覧ください。
はじめに

今日の日本は、人口減少と超高齢化、グローバル化とIT化の進展など、大きな変化の中にある一方、格差社会への傾斜が見られ、様々な分野で制度改革が求められています。このような中、司法の役割、とりわけ日本弁護士連合会の役割は、これまで以上に重要なものになっています。

日弁連は、今なお、平和と人権を守る取組、民事・刑事司法改革、法曹養成制度改革、弁護士自治の維持・強化、弁護士の国際的活動の拡大等、多くの課題を抱えています。今こそ弁護士の活動基盤を強固なものにし、これら多くの課題を改善・改革して利用しやすく頼りがいのある司法を築く必要があります。

以下の諸課題に全力で取り組みます。

 

第1 平和と人権を守る

弁護士の最大の使命は人権の擁護にあります。憲法を護り、多方面にわたる人権擁護の取組を継続します。

安保法制の適用・運用に反対し、廃止に向けた取組を行います。国家緊急権の創設改憲の動きに対しても、慎重な姿勢で取り組みます。

両性の実質的な平等と女性の権利の確立を目指し、選択的夫婦別姓制度の導入、再婚禁止期間の廃止などを求めます。

少年法の成人年齢引下げに反対します。国選付添人制度については、身体拘束事件全体への対象の拡大実現を目指します。

成年後見制度を充実させ、「ホームロイヤー制度」の普及等に努めます。また、高齢者・障がいのある人が犯罪を繰り返さないための制度構築にも取り組みます。

外国人に対する差別を解消し、外国人の基本的人権を確立するため一層の取組を行います。

消費者基本計画への適時適切な対応などの課題に取り組みます。

労働者の権利については、労働時間法制の不当な規制緩和に反対し、派遣労働の固定化の見直しを求めます。

生活保護基準の切下げに反対し、奨学金制度の充実・貧困対策、自殺対策に取り組みます。

性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センターが全国で設置されるよう、政府に対し財政的な支援を求めます。

暴力団等による被害の防止、救済を図るとともに、活動の排除に取り組みます。

個人情報保護法の改正やマイナンバー制度の運用状況等を厳しく監視していきます。

報道による名誉・プライバシーなどの人権侵害救済の取組を継続します。

国連の各人権条約機関への個人通報制度の導入に取り組みます。

特定秘密保護法については、廃止を含めた抜本的見直しを実現するための取組を進めます。

共謀罪法案が提案されることに反対する取組を強化します。

政府に対し、死刑の執行の停止と死刑に関する情報の公開を求めるとともに、死刑廃止についての全社会的議論を広く呼びかけます。

 

第2 利用しやすく、頼りがいのある民事司法の実現

民事司法の改革は、弁護士の活躍の場を拡げ、市民にとって身近で利用しやすい司法を実現するために重要な課題です。

弁護士会照会制度、当事者照会制度及び文書提出義務の強化などの証拠収集制度の拡充のため取組を進めます。

司法に助力を求める者が報われるような損害賠償制度の構築に向け、検討を進めます。

財産開示制度の改正や第三者から財産情報を取得する制度の導入などを含め、強制執行制度の実効性を高めるための取組を進めます。

家事事件手続法の適正な運用を見守るとともに、家庭裁判所の裁判官・調査官の増員などの人的・物的基盤の充実に向けて取り組みます。

司法による行政チェック機能を実効あるものとするために、行政訴訟制度の改革に向けた検討を進めます。

提訴手数料を抜本的に低額・定額化するために取組を進めます。

権利保護保険(弁護士保険)の一層の普及と案件の対象や利用主体の拡大を図り、同保険の信頼性向上のための取組を進めます。

 

第3 司法アクセスの改善及び司法基盤整備

法律相談の活性化に全力で取り組みます。

引き続き弁護士過疎・偏在対策を進めるために、ひまわり基金法律事務所や都市型公設事務所の在り方や支援策について検討します。

裁判所支部における裁判官の常駐化などの取組を進めるとともに、必要な司法予算の増額を訴えていきます。

依頼者・弁護士間の通信内容の開示を強制されない権利を確立するための取組を行います。

 

第4 えん罪を生まない刑事裁判の実現

裁判員裁判における公判廷での弁護人の活動を強化するための研修を積極的に行います。公判前整理手続の長期化の原因や改善策を検討します。

取調べの録音・録画の運用の状況を監視し、全件・全過程の可視化実現のための取組を進めます。また、弁護人立会権の実現に向けた取組を強化します。全面的証拠開示の実現に向けた取組を続けます。

国選報酬の増額に向けた取組を行います。

新たに導入される捜査公判協力型協議・合意制度が誤判原因とならないよう、研修等を充実させます。

被疑者・被告人の身体の拘束に係る判断に当たって、否認・黙秘又は検察官請求証拠についての不同意を理由に不当に不利益な扱いを行った事例を把握するなどの取組を行います。

 

第5 東日本大震災及び福島第一原子力発電所事故により被害を受けた人々の生活の回復

東日本大震災から5年を経過した現在もなお、多くの人々が過酷な生活を強いられています。様々な課題について必要な法制度の創設を提言していきます。

復興は人々の失われた基本的権利を回復する「人間の復興」でなければなりません。この理念に基づき、災害復興法制の改正や生活再建支援制度の抜本的改善に向けた取組を更に強化します。

福島第一原子力発電所事故による損害の完全な賠償を実現するための活動に引き続き取り組みます。

被災者・被害者の救済のため、自治体、隣接士業などとのネットワーク構築に努めます。

また、原発事故を踏まえ、我が国の原子力推進政策を抜本的に見直し、再生可能エネルギーを推進します。

 

第6 日本司法支援センター(法テラス)事業に関する取組

日本司法支援センター(法テラス)と連携し、予算の増額、対象事件の拡大、立替基準の適正化、DV事案などの困難案件における複数受任や償還免除の活用・拡大等に取り組みます。

国選付添人制度の対象範囲拡大や、人権分野の法律援助7事業の本来事業化等、法テラス事業の拡充を目指します。

 

第7 法曹養成制度の改革

2016年3月11日の臨時総会において成立した「法曹養成制度改革の確実な実現のために力を合わせて取り組む決議」に基づき、法曹養成制度を巡る改革諸課題全般について、関係諸機関・諸団体とも協力しながら、主体的かつ積極的に取り組みます。司法試験合格者数を早期に年間1500人とすることの実現に向け全力で取り組みます。

法科大学院集中改革期間の中、規模を適正化するなど、制度の改善のための取組を進めます。

司法修習の更なる充実に引き続き取り組みます。司法修習生に対する給費の実現・修習手当の創設を内容とする給付型の経済的支援の速やかな実現のために取り組みます。

 

第8 弁護士の業務拡充と活動領域の拡大

国、自治体への弁護士の任用促進、行政連携など各種の取組を一層進めていきます。

中小企業の弁護士利用を一層促進する取組を進めます。

上場企業の社外役員として弁護士を選任することの推奨等を積極的に働きかけていきます。

弁護士が組織内においても活躍できるよう、関係機関に対して活用に向けた働きかけをしていくとともに、組織内弁護士を支援する態勢を整える取組を進めます。

関連機関・団体と連携し、中小企業の海外展開支援など、国際業務の推進に取り組んでいきます。

会員からインターネットを用いた情報発信が適正に行われるよう環境整備を進めます。

会員の要望に応え、市民の弁護士に対する信頼を高めるため、研修をさらに充実させます。

 

第9 若手会員への支援

若手会員向けの相談窓口を全国に広めるために有用な情報の収集などに努めます。また、研修コンテンツの充実、eラーニング利用等の促進を図ります。

司法修習生・若手会員に対する就業支援及び独立開業支援も継続して行います。

日弁連会費の更なる減額を検討します。

 

第10 男女共同参画の推進

男女共同参画の推進のための研修・啓発活動に積極的に取り組みます。

また、理事者に占める女性会員の割合を計画的に高めていくための方法について検討を進めます。

 

第11 法教育の充実

教員向け・学生向けの各種イベントの企画、教材の開発、政策提言や学校派遣事業といった各種の取組を、より一層推進します。

 

第12 司法及び弁護士の国際化の推進

国際法律業務の発展に向けて活動し、様々な国際的イベントでの日弁連のプレゼンス向上を目指します。

中小企業が海外展開で不測の損害を被らないようにするため、前もって弁護士による法的な助言等を受けることの重要性について、広く周知をしていきます。

日本企業が裁判外で国際的紛争を迅速適正に解決し得るような人的・物的インフラ整備についての検討を進めます。

ハーグ条約事件等渉外家事事件に対応できる人材を育成するとともに、相談窓口の整備などを検討します。

 

第13 広報の充実

日弁連の意見や活動を報道していただくため、適時、適切な発信を行います。

また、弁護士・弁護士会のイメージアップ広報を全国で引き続き展開するとともに、各地の弁護士会の広報担当者との連携を促進します。

 

第14 弁護士自治を堅持する方策

「預り金等の取扱いに関する規程」を適正に運用するほか、不祥事防止のために様々な施策を継続し、発展させていきます。

弁護士職務基本規程を改めて見直すとともに、会内論議を深め、必要な改正を検討します。

財政の見直しと経費削減を行うとともに、組織の合理化を進めます。

弁護士法第72条違反事例についての情報収集・集約に努めるほか、その解釈適用問題について引き続き検討・議論を進めます。

 

*本会務執行方針は、熊本地震発生前の4月14日の理事会で表明されたものです。

 

シンポジウム
新たな被災者の生活再建支援制度の構築に向けて
東日本大震災・原発事故5年の教訓を踏まえて
3月10日 弁護士会館

  • シンポジウム「新たな被災者の生活再建支援制度の構築に向けて~東日本大震災・原発事故5年の教訓を踏まえて~」

東日本大震災・福島原発事故から5年が経過したが、被災地の復興は途半ばである。災害の教訓が生かされたとも言い難く、昨年発生した茨城県常総市等の水害でも被災者への支援は十分とはいえない。日弁連のこの5年間の被災者および原発事故被害者支援の取り組みを総括するとともに、被災者生活再建支援法の問題点を考えるためシンポジウムを開催した。

 

被災者ごとの適切な支援の重要性を説いた阿部市長

日弁連における5年間の取り組み

日弁連は今後も被災者支援を継続していくとの村越進会長(当時)の冒頭挨拶に続き、東日本大震災・原子力発電所事故等対策本部の中野明安副本部長(第二東京)は、この5年間、法律相談、被災自治体の任期付公務員就任、原発ADRへの関与など、多数の弁護士がさまざまな形で復興に向けて活動をしてきたことを報告した。また、仙台弁護士会の震災ADRの費用補助など、日弁連による財政的サポートについても紹介した。その上で、今後は、被災者一人ひとりの生活再建のため、被災者生活再建支援制度の構築が重要課題となると訴えた。

 

東松島市の復興の現状と課題

宮城県東松島市の阿部秀保市長は、入居率が低いといわれている復興公営住宅だが、東松島市では9割が入居しており、これは自治体職員が市民に寄り添い、サポートしている成果であると、被災者ごとの適切な支援の重要性を説いた。

 

被災地の実情

宮城県内で在宅被災者支援を行っている伊藤健哉氏(一般社団法人チーム王冠代表)は、被災者支援制度を市民が自力で利用するのは難しく、法律の専門家である弁護士の支援が必要であると述べ、避難所のみならず在宅の被災者にも弁護士の支援が届く制度があるとよいと提言した。

 

新たな生活再建支援制度の提案

災害復興支援委員会の津久井進副委員長(兵庫県)は、日弁連が本年2月、被災者の生活再建支援制度の抜本的な改善を求める意見書を公表したことを紹介し、全体の復興のためには、小さな我慢は仕方がないというのはおかしく、一人ひとりの復興を積み上げていくべきであると今後の対応を訴えた。

 

より良い消費者契約法・特定商取引法の改正を求める全国担当者会議
4月7日 弁護士会館

本年3月4日、消費者契約法(以下「消契法」)・特定商取引法(以下「特商法」)の一部を改正する法律案が国会に提出された。今回の法改正を早期に実現するとともに、改正案に盛り込まれなかった論点を確認し、真の消費者保護のために今後取り組むべき課題を共有すべく全国担当者会議を開催した。

 

法改正をめぐる状況

消費者問題対策委員会消費者契約法・特定商取引法改正に関するPTの国府泰道座長(大阪)は、今回の法改正には、日弁連として十分な働き掛けができたとはいえず、今後の法改正の局面では、消費者の声を消費者庁や内閣府消費者委員会の専門調査会に確実に届けると同時に、マスコミや地方議会の決議を通じて世論に訴えていく必要があると述べた。

 

改正法の概要と経緯、今後の取り組み

消費者問題対策委員会の池本誠司委員(埼玉)は、悪質事業者への対応、所在不明の違反事業者への対応等を規定する改正特商法を概説した上で、勧誘に対する規制の導入が見送られたことは非常に残念との感想を語った。山本健司委員(大阪)は、昨年12月の専門調査会報告書で「速やかな法改正」を提言された7事由(過量契約取消制度の創設等)を盛り込んだ改正消契法の要点を説明した上、今回導入が見送られた他の論点は専門調査会で継続審議されることから、次回の報告書で法改正に向けた取りまとめがなされるよう働き掛けていく必要性を訴えた。森哲也副委員長(第一東京)は、残された課題への取り組みとして、事前拒否者に対する勧誘禁止制度の導入や消契法の取消権の拡大等については、高齢者被害の予防・救済対策とも共通する観点であることから、高齢者被害対策に取り組む団体などとの連携が有用であると指摘した。

 

各地での取り組み

川本真聖幹事(大阪)は、特商法改正への取り組みとして「訪問取引お断り・勧誘禁止」ステッカーを作成し、地域社会福祉協議会を通して全戸配布により啓蒙活動を行った大阪弁護士会の取り組みを報告した。

また、朝見行弘会員(福岡県)は、福岡市議会、福岡県議会での意見書作成につなげた福岡県弁護士会の取り組みを報告し、地方議会の意見書が法改正に及ぼす影響力を指摘した上で、全国的な展開を呼び掛けた。

 

罪に問われた障がい者等の刑事弁護の体制整備等に関する情報交換会
3月29日 弁護士会館

障がい者が罪に問われた場合、その障がい等の特性を理解した弁護人によるきめ細かい弁護活動が不可欠であるが、そのためには、弁護士会として、弁護人等の質を確保する必要がある。そこで、各弁護士会における取り組み等について情報交換会を開催した。

 

まず、日弁連高齢者・障害者権利支援センターの青木寛文委員(長野県)が、障がい者である被疑者・被告人の刑事弁護に当たっては、社会福祉士等の専門家の助力を得る必要があり、そのためには、弁護士会と地域生活定着支援センター等の福祉関係機関との連携が必要であると述べた。また、この連携の重要性に対する認識を共有し、体制整備に向けた活動を進めていくため、本情報交換会の開催に至ったと説明した。

次に、山本恭子委員(長野県)が、昨年10月に行った各弁護士会へのアンケートの結果、他職種と連携している弁護士会は22会に止まったと報告した。また、このアンケート結果を基に、障がい者への刑事弁護に関し先進的な取り組みを行っている弁護士会のノウハウを、まだ取り組みが進んでいない弁護士会に提供すべく、本年2月から3月にかけてキャラバンを実施したことを紹介した。

その後の意見交換では、被疑者・被告人に障がいがあることが気付かれずに手続が進んでしまうことがあり、会員に問題意識を持ってもらうために研修の実施が重要であるとの意見が出されたほか、弁護人からの依頼に応じ、福祉専門職に関与してもらい福祉的支援を整える「大阪モデル」が紹介されるなど、活発な議論が繰り広げられた。

最後に、日弁連刑事弁護センターの奥村回副委員長(金沢)が、取り組みの進んでいない弁護士会においては、PTを立ち上げる等して、本情報交換会参加者が中核となり、他の会員に、障がいを有する被疑者・被告人への有効かつ適切な弁護活動の実践のための問題意識とノウハウを周知することを期待すると述べて、本情報交換会を締めくくった。

 

公開講座
コーポレートガバナンス・コードの今後の運用と社外取締役の有効活用
「社外取締役ガイドライン」を使った課題と活動
3月24日 弁護士会館

  • 公開講座「コーポレートガバナンス・コードの今後の運用と社外取締役の有効活用-『社外取締役ガイドライン』を使った課題と活動-」<東京会場>

2015年6月のコーポレートガバナンス・コード適用を機に、社外取締役の職責と活動範囲があらためて議論の対象となっている。そこで、企業関係者や投資家を招き、企業の持続的成長の観点から、社外取締役とその活用方法に関する公開講座を開催した。

 

基調講演では、司法制度調査会・社外取締役ガイドライン検討チームの佐藤順哉座長(第一東京)が、「社外取締役ガイドライン」は社外取締役に就任する者、これを迎える企業、就任への不安等を抱く弁護士のいずれにも有用であると指摘した。また、コーポレートガバナンス・コードにおける取締役会の役割や社外取締役の位置付けを概説した。

続くパネルディスカッションでは、蛭田史郎氏(旭化成株式会社常任相談役/オリンパス株式会社社外取締役)が、企業は社会の課題を解決し、ステークホルダーの活動・活躍の場を広げる存在であるべきとの見解を示した上で、社外取締役の役割は、企業外部の価値観や行動様式に基づき、企業活動がこれらの目的に合致しているかをチェックする点にあると述べた。

銭谷美幸氏(第一生命保険株式会社株式部部長)は、投資先企業の評価では、ROE(株主資本利益率)等の数字だけでなくガバナンスや成長性を重視していると指摘した。また、社外取締役の選任議案に根拠があるか否か、社外取締役の報酬が業績連動型とされているか否かなど人事・報酬等の諸問題に関する投資家の視点を説明した。

自らも社外取締役を務める山口利昭会員(大阪)は、女性や外国籍の社外取締役を選任するメリットとして、企業自体や取締役会の雰囲気を一新し得ること、特に業績悪化時など変化が求められるときには、これらの社外取締役が企業の風土や常識を変える土壌になり得ることを指摘した。

公認会計士の資格を持つ中野竹司会員(東京)は、社外取締役による経営の監視について、当該企業の業界で典型的な不正類型を知る、会計上の数字に関し経年変化と経営戦略との整合性を検証する、内部統制部門とのコミュニケーションを図る等の方法が有用であると述べた。

*社外取締役ガイドラインは、日弁連ホームページ(HOME≫お知らせ≫2015年≫「社外取締役ガイドライン」を改訂しました(2015年3月19日付お知らせ)からご覧いただけます。

 

シンポジウム
環境政策を市民の手に
オーフス条約原則の海外での運用を参考に
4月6日 弁護士会館

  • シンポジウム「環境政策を市民の手に~オーフス条約原則の海外での運用を参考に~」

オーフス条約は、市民による環境情報へのアクセス・政策決定参加・司法アクセスを定めた環境法の国際標準である。今回は、この条約に関連する活動を行う弁護士を欧州から招き、シンポジウムを開催した。

 

基調講演を行ったベルティエ氏

まず、公害対策・環境保全委員会の小島智史委員(愛知県)が、日本のオーフス条約への加入を目指した日弁連の取り組みとして、法令調査やオーフス条約事務局の視察調査等を行ったことを報告した。

続く基調講演では、アナイス・ベルティエ氏(欧州環境NGOClientEarth/弁護士)が、オーフス条約で保障される市民の手続的権利やEUにおける条約の実施状況を概説した。また、条約の遵守委員会について、何人も遵守委員会に締約国の違反行為を通報できること、遵守委員会が非対立的・非司法的手続で調査・勧告等を行うことなどの仕組みを説明した上、自らが所属するNGOが通報したEU・ドイツ・イギリスの違反行為について遵守委員会の調査等がなされた実例を紹介した。

パネルディスカッションでは、岡崎雄太准教授(上智大学大学院地球環境学研究科)が、国内環境政策への市民参加の進展状況を説明し、条約に加わるためには、さらなる世論の盛り上がりが必要であると述べた。

ベルティエ氏は、遵守委員会の調査等が締約国に条約遵守を促すとともに、説明責任を果たさせる手段たり得ると指摘し、関連法が整備された国でも、条約に参加し遵守委員会の調査等を経ることで、さらに市民参加のレベルを質量共に高めることができると発言した。

また、高村ゆかり教授(名古屋大学大学院環境学研究科)は、国連の持続可能な開発目標(SDGs)やパリ協定を例に挙げ、国際社会の環境政策が大きく進展していることを指摘した。

ウルグアイからインターネット電話で参加した大久保規子教授(大阪大学大学院法学研究科)は、ラテンアメリカでも、オーフス条約に類する地域条約の採択に向け、草案作成等の準備が進められていることを報告した。

 

JFBA PRESS -ジャフバプレス- Vol.111

日弁連委託援助事業をご利用ください!

日弁連は、2007年10月以降、日本司法支援センター(以下「法テラス」)に委託して援助事業を実施しています。
今回は、この委託援助事業や法テラスに関わる業務を行っている日本司法支援センター対応室(以下「対応室」)の高橋太郎室長(東京)からお話を伺いました。

(広報室嘱託 佐内俊之)

 

「委託援助事業を積極的に活用してください」と語る高橋室長

委託援助事業とは

委託援助事業は、従前、財団法人法律扶助協会が人権自主事業(国からの補助金を用いない事業)として行い、さらに日弁連が弁護士会の協力を得て法律援助事業として行っていた事業について、法テラスに事務委託して実施している日弁連の事業です。

対象となる活動は、比較的なじみのある①刑事被疑者弁護援助や②少年保護事件付添援助だけではありません。③犯罪被害者、④外国人、⑤子ども、⑥精神障がい者、⑦高齢者、障がい者およびホームレス等に対する法律援助や法律相談、⑧難民認定、⑨心神喪失者等医療観察法に関する法律援助や法律相談という幅広い活動が対象とされています。

これらの活動について、国選弁護制度、国選付添人制度、法テラスの民事法律扶助制度ではカバーされない費用や弁護士報酬の援助を行っています。

 

委託援助事業の目的と財源は

日弁連が委託援助事業を実施している理由は、これらの人権関連活動が全国的に展開されることが必要かつ重要と考えているためです。また、委託援助事業の実施を通じて、人権関連活動に対する理解を広げ、制度的に発展させることを目指しています。

実際に、過去の刑訴法・少年法の改正による国選弁護制度・国選付添人制度の拡大等が実現した理由には、委託援助事業の広がりを通じて法制度を改正する必要が認識されたことも挙げられます。また、犯罪被害者や子どもに対する法律援助等の委託援助事業の利用の積み重ねを背景として、現在進められている総合法律支援法の改正の機運が高まってきたともいえます。

そして、委託援助事業がこのような重要な目的を有していることに鑑み、全国の会員から徴収した特別会費がその財源に充てられています。

 

利用上の注意点は

委託援助事業を利用するためには、法テラスとの「日弁連委託援助契約」の締結に加え、個別の案件について申込書・重要事項説明書・個別契約書の作成などが必要です。

これらの手続には複雑なところもありますが、まずは「法テラス委託援助業務利用の手引」(以下「手引」)を参照してください。対応室では、適宜、総合法律支援本部やそれぞれの活動に関わる委員会、法テラス本部とも協議して実際の運用や問題に応じた手引の改訂を行っています。

また、申込時に特に注意すべき点は、利用申込書の「事件の概要」「事案の概要」の記載です。これらは援助の要件とされている援助の必要性・相当性を判断するために必要なものですので、具体的に記載してください。事情聴取時に作成したメモを整理して別紙として添付するなどの工夫をしている方も見られます。

そして、申込手続や援助要件などに関する疑義がある場合は、遠慮なく法テラス地方事務所に問い合わせてください。

 

2016年4月の規定等改正の要点は

今回の改正は、日弁連新聞4月号でもお知らせしたように、多岐にわたります。援助拡大の観点からの改正(複数弁護士による法律相談制度の創設、通訳または翻訳費用の上限額の引上げ)、会員間の公平や活動の質の確保の観点からの改正(同一の申込者に対する同一問題の法律相談の回数制限、上記③から⑨の活動における代理援助の回数制限など)もありますが、多くの会員に関わるものは報告期間に関する改正です。各種報告については以前からも「速やかに」報告することが求められていましたが、法律相談の実施報告書は1か月以内、終結報告書は6か月以内と提出期限が明確に定められました。

また、今回の改正に併せ、利用申込書・終結報告書等の書式も全面的に改訂しました。今後申し込みをする際には新しい書式を使用する必要がありますので、ご注意ください。

 

会員に対するメッセージをお願いします

委託援助事業の活用実績の積み重ねは、日弁連や弁護士が尽力してきた人権関連活動の必要性・重要性に対する市民の理解を広げ、制度として確立・発展させることにつながります。ぜひとも、委託援助事業を積極的に活用してください。

 

*「日本弁護士連合会法テラス委託援助業務利用の手引(2016年4月)」と「委託援助業務利用における書式」等は日弁連会員専用ページ(HOME≫書式・マニュアル≫法律援助事業関係)からダウンロードすることができます。

 

日弁連委員会めぐり 83

倒産法制等検討委員会

今回の委員会めぐりは、倒産法制等検討委員会です。同委員会は、2014年2月に日弁連が公表した「倒産法改正に関する提言」の策定にかかわり、その後も前記提言に基づく法改正等に向けて積極的な取り組みを行っています。小林信明委員長(東京)、長沢美智子副委員長(第二東京)、黒木和彰副委員長(福岡県)にお話を伺いました。

(広報室嘱託 渡邊寛一)

 

前列:小林委員長、後列左から長沢副委員長、黒木副委員長

委員会設置の経緯は

1996年に倒産法制の抜本的見直し作業が始まり、2000年には民事再生法が施行、2004年には破産法改正法が成立しました。その後、2005年に特別清算に関する規定を含む会社法が制定されたことにより、一連の倒産法制の改正作業が終了しました。その後は倒産法制の検討を含むさまざまな課題に対応するため、2006年、上記倒産法制の見直しを検討していた倒産法制検討委員会を改組し、倒産法制「等」検討委員会として当委員会が設置されました。

 

活動内容は

倒産法制やその運用について改善・改正すべき問題点を調査・研究し提言案を策定すること、全国各地の倒産手続の運用状況について情報交換し、相違点を分析して改善を目指すこと、これらをテーマとして最高裁民事局と協議することなどが主な活動内容です。また、主に若手弁護士を対象とした倒産実務に関する研修を実施しています。昨年12月には、「初めての法人破産申立て~消費者破産との相違点」と題してライブ実務研修を行いました。

 

2014年の提言後に検討している事項は

少数債権者の不合理な反対によって事業再生が妨げられないようにするために、私的整理を含めた関連諸制度の在り方(「日本再興戦略改訂」《2014年6月閣議決定》参照)等を検討しています。具体的には、2015年10月から、私的整理と法的整理手続の橋渡しとなる制度の整備等の検討を行っています。これらの事項についても今後の最高裁民事局との協議で意見を交換したいと考えています。

 

会員へのメッセージをお願いします

当委員会は委員の出席率が非常に高く、毎回9割近くにのぼります。これは、委員が倒産法制の改正と実務運用の改善に対し非常に高い関心を持っていることの表れといえます。この関心の高さは、委員のみならず会員にも及んでいるものと推察されますので、委員会の検討結果や成果をできる限り会員にフィードバックしたいと考えています。

また、倒産法制の実務運用は各地で違いがあります。その違いを共有して、各地のプラクティスのレベルを上げ、より利用しやすい倒産法制の実現を図っていきたいと思います。

 

ブックセンターベストセラー
(2016年2月・六法、手帳は除く)協力:弁護士会館ブックセンター

順位 書名 著者名・編者名 出版社名
1 労働法[第十一版] 法律学講座双書

菅野和夫 著

弘文堂
2 弁護士会照会制度[第5版]活用マニュアルと事例集[CD−ROM付] 東京弁護士会調査室 編 商事法務
3 弁護士法第23条の2 照会の手引[六訂版] 第一東京弁護士会業務改革委員会第8部会 編 第一東京弁護士会
4 量刑調査報告集Ⅳ 第一東京弁護士会刑事弁護委員会 編 第一東京弁護士会
5 別冊判例タイムズ38 民事交通訴訟における過失相殺率の認定基準 全訂5版 東京地裁民事交通訴訟研究会 編 判例タイムズ社
6 国会便覧 平成28年2月新版 139版 シュハリ・イニシアティブ
7 本林塾講演録 新時代を切り拓く弁護士 本林 徹 編 商事法務
8 判例による不貞慰謝料請求の実務 中里和伸 著 LABO
9 弁護士の周辺学 実務のための税務・会計・登記・戸籍の基礎知識 髙中正彦・市川 充・堀川裕美・西田弥代・関 理秀 編著 ぎょうせい
10 別冊商事法務No.404 株主総会想定問答集 平成28年版 河村 貢・豊泉貫太郎・河和哲雄・蜂須優二・岡野谷知広 著 商事法務

 

編集後記

5月号の編集中に、熊本地震が発生しました。

4月14日の地震発生時には、このような大規模な地震となることを全く予期しておりませんでしたが、4月16日の本震、その後の継続的な余震と被害は拡大しております。被災された皆さまに、心よりお見舞い申し上げます。

5年前の東日本の震災では親族が被災しました。あのときに感じたことは、衣食住の必要性は言を俟たずですが、情報の必要性もそれに匹敵するものだということ。電気が通らずテレビが見られない。携帯電話の充電ができず、電話も使えないし、インターネットに接続もできない。被害の最中にある方が、最も情報から遠く、情報がないことで被害が拡大することを知りました。

本号は紙面を大幅に変更いたしましたが、今後も被災された方々の支援に向けて、会員の皆さまに正確で有用な情報を発信して参りたいと思います。

(M・S)