日弁連新聞 第507号

臨時総会開催
3月11日 弁護士会館

日弁連執行部提出議案可決

3月11日、「法曹養成制度に関する件」を会議の目的たる事項とする日弁連臨時総会が開催された。この総会は、2015年12月7日に提出された会員による招集請求に基づくものであった。

 

第1号議案採決の様子

臨時総会においては、日弁連執行部提出の第1号議案(「法曹養成制度改革の確実な実現のために力を合わせて取り組む決議(案)」)と、招集請求者提出の第2号議案(「臨時総会招集請求者が提案する有志の法曹人口と法曹養成に関する決議(案)」)について議論がなされた。

また、第1号議案に対する修正案として提出された、「同第1項を、司法試験合格者数が年間1500名以上輩出されるようにし、かつ、現在の年間1800名の水準を十分考慮し、急激な減少をさせない」と修正すべき等を内容とする修正動議は、50人以上の賛成を得て成立し、修正案についても討論が行われた。

質疑・討論においては、司法試験合格者数に対する考え方をはじめ、法科大学院制度の意義・課題、若手弁護士の状況、法曹志望者の減少、司法修習生の経済的支援の必要性等について、さまざまな立場から活発な意見が述べられ、特に60期台の若い会員からの意見が多いことが印象的であった。

約5時間半に及ぶ質疑・討論の末、第1号議案、第2号議案については精密採決がなされ(修正案については目視での採決、反対多数で否決)、第1号議案は賛成多数で可決(賛成10379票《会票42》、反対2948票《会票9》、棄権79票《会票1》)、第2号議案は反対多数で否決された(賛成2872票《会票9》、反対9694票《会票42》、棄権190票《会票1》)。

 

第1号議案抜粋

「(前略)そのために、当連合会は、上記2つの当連合会提言(※)に基づき、関係諸機関、諸団体と協力し、推進会議決定の積極的な内容の具体化を始めとして、法曹養成制度の全過程にわたる改革を進めるとともに、緊急の課題として、以下の事項を可及的速やかに実現するために、全国の会員・弁護士会と力を合わせて取り組む。

1 まず、司法試験合格者数を早期に年間1500人とすること。

2 法科大学院の規模を適正化し、教育の質を向上させ、法科大学院生の多様性の確保と経済的・時間的負担の軽減を図るとともに、予備試験について、経済的な事情等により法科大学院を経由しない者にも法曹資格取得の途を確保するとの制度趣旨を踏まえた運用とすること。

3 司法修習をより充実させるとともに、経済的事情によって法曹への道を断念する者が生じることなく、かつ、司法修習生が安心して修習に専念しうるよう、給付型の経済的支援として、給費の実現・修習手当の創設を行うこと。」
(※)「法曹人口政策に関する提言」(2012年3月15日理事会決議)および「法科大学院制度の改善に関する具体的提言」(同年7月13日理事会決議)

 

第2号議案趣旨

1 司法試験の年間合格者数を直ちに1500人、可及的速やかに1000人以下にすることを求める。

2 予備試験について、受験制限や合格者数制限など一切の制限をしないよう求める。

3 司法修習生に対する給費制を復活させるよう求める。

 

就任のご挨拶
日本弁護士連合会会長 中本 和洋

中本 和洋会長

2月5日に実施された日弁連会長選挙において、48弁護士会で多数を獲得し、また総得票数において、1万2303票という、過去最多となる票を得て、当選することができました。会員の皆さまの大きなご支持に心より感謝申し上げます。

日弁連は、これまで法科大学院の創設、法テラスの開設、刑事裁判における裁判員制度の導入等、司法改革の諸課題に取り組んでまいりました。これらの制度は、いくつかの課題を抱えてはいますが、社会の中で定着しつつあり、一定の役割を果たしてきています。

しかし、民事司法の分野では、十分な改革が進んでいません。ここ十数年間で弁護士人口が倍増したにもかかわらず、弁護士の活動領域も、また業務量も、それに応えるほどの拡大には至っていません。

私は、この選挙において、民事司法の改革こそが急務であり、この実現によって、司法を真に市民にとって利用しやすく頼りがいのあるものとするとともに、弁護士の活動基盤を強固なものにして法の支配を社会の隅々に拡げるための取り組みが、これまで以上に必要であると主張してまいりました。そのためには、運用の改善とともに、司法予算の確保や、法律の改正が必要であり、法曹三者との協議・連携は勿論、政府や国会議員・政党の方々のご理解とご協力が必須です。日弁連は、各方面の皆さまと協力して、これらの課題の実現に向けて活動していかなければなりません。

いかにして平和を守るかについては、国民の間で安保法制をめぐり大きな議論となっています。集団的自衛権を含む安保法制は、立憲主義および憲法第9条に反するものと考えており、従来の日弁連執行部の取り組みを継承してまいります。

憲法改正問題については、日弁連は、人権擁護を使命とする法律家集団としての発言と活動をすべきであると考えます。戦争は最大の人権侵害であり、日弁連は戦争に向かう動きに対しては強く反対しなければなりません。人権や平和にかかわる憲法が改正されるとはどういうことか、どのような事態が起こる可能性があるのか等、法律家として、分かりやすく説明し、情報提供をしていくことが重要です。

この他、日弁連の抱えている課題は刑事司法改革、法曹養成制度改革等多岐にわたっていますが、これらの課題にも積極的に取り組んで、希望と活力にあふれ、信頼される司法を築いていきたいと考えています。

会員の皆さまのご支援ご協力を心よりお願い申し上げます。

 

最高裁判所裁判官候補者の募集について

最高裁判所裁判官のうち、2017年3月30日に大橋正春裁判官(第一東京弁護士会出身)が定年退官を迎える予定です。

そこで、日弁連では後任候補者の推薦手続を進めています。下記会員専用ページに掲載している「日本弁護士連合会が推薦する最高裁判所裁判官候補者の選考に関する運用基準」や「最高裁判所裁判官候補者の推薦基準」等を確認の上、同ページ掲載の履歴書を2016年7月5日(火)までに弁護士会連合会を通じて、または直接日弁連の最高裁判所裁判官推薦諮問委員会にご提出ください。

また、候補者を推薦するには、50人以上の会員の推薦が必要となります。応募に当たっては、推薦者50人の署名・捺印とともに、推薦届もご提出ください。

*詳細は会員専用ページをご確認ください。

(2月26日付お知らせ)

HOME≫お知らせ≫2016年≫最高裁判所裁判官候補者の募集について

 

ひまわり

新年度が開始される4月は、学校、会社ともに新入生、新入社員があふれ、春の暖かさとともに希望に満ちた初々しい雰囲気を醸し出す▼日弁連・各弁護士会でも同様に役員が入れ替わり、フレッシュな陣容となる。こちらも負けず劣らずヤル気に満ちている▼弁護士会では役員の任期は原則1年であるが、外部の関係者と信頼関係を築きつつ政策を実行するのには十分な期間とは言い難い▼他方、会内の各委員会では、特定の人がいくつもの委員を兼ねたり(多重)、正副委員長等を長期間にわたり務めている(多選)こともよく見られる。もちろん、その人の能力・経験が高く評価されているからこそであろう。しかし、多重・多選を野放図に許容していると後継者がなかなか育たず、委員会の活動自体もやがては停滞してしまう▼法律家はバランス感覚が肝心である。とりわけ委員会等の人事では、継続性と専門性とのバランスをどう取るのか。そして、多数を占める若手会員の会務への積極的参加をどう促すのか▼とかく人事は難しい。そうは言っても、コロコロ代わる役員とどの委員会に出ても似たような顔ぶれというのは、そろそろ終わりにしなければ。英知の結集が望まれる。

(H・F)

 

法律援助事業
一部改正後の規定・契約条項が本年4月1日から施行

日弁連が法テラスに委託して実施する法律援助事業について、業務の実態に合わせたよりよい運用を目指し、各種規定を一部改正した。
主な改正内容は次のとおり。詳細は会員専用ホームページ(HOME≫書式・マニュアル≫法律援助事業関係)に掲載している。

 

1 その他の法律援助事業における法律相談の弁護士報酬を改定

刑事被疑者弁護援助事業および少年保護事件付添援助事業を除くその他の法律援助事業における法律相談の弁護士報酬について①30分5400円、1回当たりの上限を1万800円とし、②出張加算は、受任弁護士の法律事務所から出張先までの移動時間に応じて支出するものとし、③弁護士会等の依頼により出張したが、相談者側の都合により法律相談を実施できなかったなど、やむを得ない理由により相談が実施できなかった場合に、出張加算費用のみ支出する規定を新設した。

 

2 弁護士2人による法律相談制度の創設

当該法律援助事業を利用した法律相談を初めて担当する場合等に限り、経験のある会員とともに法律相談を実施した際に2人分の法律相談報酬等が支出できる規定を新設した。

 

3 通訳または翻訳を利用した場合の実費の上限額を改定(難民認定・外国人援助)

難民認定に関する法律援助事業および外国人に対する法律援助事業について、通訳または翻訳を利用した場合の費用(実費)の上限額を現行10万円から20万円に引き上げた。

 

4 少年保護事件付添援助事業の報酬を一部改定

少年保護事件付添援助事業において、家庭裁判所に係属する少年保護事件を受任した付添人が抗告もしくは再抗告を行う場合または抗告裁判所に係属する少年保護事件を受任した付添人が再抗告を行う場合の報酬額を、抗告の場合7万円、再抗告の場合5万円(いずれも消費税込み)とした。

 

5 法律相談、代理援助の受任回数制限の新設

法律相談援助について、同一の申込者に対する同一問題の法律相談は、原則3回を上限とする。

その他の法律援助事業の代理援助については、同一月内の受任件数は原則5件を上限とする。この受任回数制限は、難民認定に関する法律援助事業および外国人に対する法律援助事業については合算した件数とし、その他の援助は、援助事業ごとに算定するという点に注意いただきたい。

 

6 実施報告書・終結報告書の提出期限を新設

法律相談に関する実施報告書の提出期限は、法律相談の実施日から1か月以内、終結報告書の提出期限は、事件終了後6か月以内となる。提出期限までに報告書を提出しない場合、期限を経過した理由を法テラス地方事務所長に申し出る必要がある。この理由の申し出がないとき、または申し出た理由が合理的であると認められないときは、当該援助の報酬等は支払われず、代理援助について既に報酬等が支払われている場合は返金が求められる場合がある。

日弁連短信
拡がる行政との連携
「養育費等支援事業」始まる

 

戸田綾美事務次長

2016年度から、厚労省が「養育費等支援事業」を開始します。全国各地の自治体が厚労省の補助を受けて、ひとり親家庭の方などを対象に、弁護士による養育費相談を実施する事業です。厚労省から日弁連に対し、弁護士相談の協力が要請され、本年2月、日弁連から各弁護士会に協力の依頼をしたところです。

現在、離婚の際に母親が親権者になる割合が高いのですが、母子家庭の平均年収は200万円台と低く、全世帯平均の半分に届きません。ひとり親家庭、特に母子家庭の貧困は深刻な問題です。母子家庭にとって子どもの養育費は重要な収入ですが、現在、離婚母子家庭で養育費の支払いを受けている割合は、2割程度にすぎないと言われています。

こうした中で、厚労省は前記のとおり、養育費の確保のため、弁護士による相談事業の取り組みを開始しました。実施するかどうかは自治体によって任意の判断になりますが、都道府県・市・福祉事務所設置町村であれば、国の補助を受けて弁護士による相談事業を継続的に実施できます。さらに、一定の期間を設けて集中的に、ひとり親家庭の方のための相談事業を行うこともできます。国と自治体の補助により、相談者は無料で弁護士による相談が受けられます。事件の受任に発展する場合には、相談弁護士による直接受任も可能です。

こうした弁護士相談の事業が拡がることで、ひとり親家庭の養育費が確保され、ひとり親家庭の経済状態や、子どもの養育環境の改善につながることが期待されます。
このように、弁護士が行政と連携しながら、市民の生活や人権を守る活動に取り組んでいる領域は、これに止まりません。例えば日弁連は、自殺予防対策の取り組みとして、内閣府等と連携して、毎年「暮らしとこころの総合相談」などを企画しており、暮らしや労働などに関する多くの相談が寄せられています。

そのほかにも、本年2月に国交省が「所有者の所在の把握が難しい土地」の活用に当たっての自治体向けガイドラインを作成しています。同ガイドラインでは、不在者財産管理制度などの専門的な分野について、自治体に弁護士会との連携を勧め、弁護士相談がしやすいように案内を記載しています。

今後とも、日弁連や弁護士会が行政と連携し、市民のニーズに応え、その生活や人権を守るため、専門性を活かしたさまざまな分野に弁護士の活動を拡げていくことが期待されるところです。

(事務次長 戸田綾美)

 

国連女性差別撤廃委員会の第7回・第8回日本政府報告書審査に関する院内集会
3月10日 参議院議員会館

  • 国連女性差別撤廃委員会の第7回・第8回日本政府報告書審査に関する院内集会

2月16日、国連女性差別撤廃委員会(以下「委員会」)は、ジュネーブの国連本部で第7回・第8回日本政府報告書審査を実施し、日本の女性差別撤廃条約履行状況に関する勧告(総括所見)を発表した。国会議員9人を含む約150人が参加し、勧告内容、審査経過を共有するとともに、勧告内容の実現に向け、行動していくことを確認した。

 

冒頭、長田正寛副会長(当時)が挨拶し、日本は女性差別撤廃条約を批准しているが、同条約の履行状況に関する57項目にわたる審査の結果、委員会から51の未履行項目について勧告がなされた。

この勧告を踏まえ、未履行項目の速やかな解決と日本における女性差別撤廃を実現するため本集会を開催したと説明した。

日弁連とともに集会を主催した女性差別撤廃条約NGOネットワーク(JNNC)は、審査に対してレポート提出等の取り組みを行ったことや、委員会による総括所見は、日本の実情をよく理解し取りまとめたものであり、人権問題への取り組みに関し、日本は後進国との認識を持たれていることなどを報告した。

総括所見において勧告を受けた未履行項目は、民法改正、権利侵害を直接国連へ通報できる制度が盛り込まれた選択議定書の批准、障がい者や移住民族などの社会的に弱い立場にある女性の保護、男女間の所得格差の是正、政治・経済などの意思決定に女性参加を高めるための暫定的特別措置、女性への暴力の防止と人権擁護など多岐にわたる。

日弁連は、これらの項目のうち立法によって解決できる項目については国会議員とも協力してその解決を目指し、それ以外の項目については提言・要望・意見を政府や関係省庁、関係機関に行うことで実現に努めること、特に個々の弁護士の業務における成果や経験を活かした意見表明や提言を行うことなど、条約履行に向けた今後の取り組み方針を報告した。

 

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  • ご利用の際には登録番号、氏名、所属事務所名などを確認させていただきます。匿名でのご相談にはお答えできません。
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  • 回答はあくまで助言であり、担当者および日弁連は一切の責任を負いません。ご相談事項につきましては、回答内容の如何にかかわらず、ご相談者自らの責任でご対応ください。

*詳細は日弁連会員専用ページ(HOME≫若手会員の皆さんへ)をご覧ください。

【問い合わせ先】日弁連業務部業務第一課 TEL:03-3580-9818

 

2016年度役員紹介

3月11日に開催された代議員会(本人出席332人、代理出席193人)において、2016年度役員が選出された。就任に当たり、13人の副会長の抱負と理事および監事の氏名を紹介する。

 

小林 元治(東京・33期)

小林 元治(東京・33期)[出身]岡山県
[抱負]法曹養成、民事司法改革、子どもの権利、政策戦略、弁政連などを主に、総合法律支援本部、給費制、刑事司法改革戦略、憲法などを副で担当します。副会長の皆さんと力を合わせ、会長を支えて会務に励みます。

 

 

小田 修司(第一東京・36期)

小田 修司(第一東京・36期)[出身]神奈川県
[抱負]主な担当は司法制度調査会、法務研究財団、リーガルアクセスセンター、税制、会館問題です。これら担当職務を中心に会長を補佐していきます。

 

 

早稲田 祐美子(第二東京・37期)

早稲田 祐美子(第二東京・37期)[出身]東京都
[抱負]経理・財務、研修、弁護士倫理、弁護士職務の適正化、ひまわりキャリアサポートセンター、組織内弁護士WG、法科大学院、ADR、知財などを担当します。会長を補佐し、弁護士・弁護士会の活動を支えます。

 

 

木村 保夫(神奈川県・37期)

木村 保夫(神奈川県・37期)[出身]愛知県
[抱負]主な担当分野は、死刑廃止検討、国選弁護本部、家事法制などです。難しい課題や将来の制度設計に関わる重要な問題もあります。丁寧な意見交換を心掛け、日弁連が司法制度の中で然るべき役割を果たせるように尽力します。

 

 

橋本 賢二郎(栃木県・44期)

橋本 賢二郎(栃木県・44期)[出身]福島県
[抱負]弁護士業務改革、中小企業法律支援センター、業際・非弁問題等対策本部などを担当します。基本的人権の擁護と社会正義の実現を使命とする弁護士・弁護士会であり続けるため、全力を尽くします。

 

 

山口 健一(大阪・29期)

山口 健一(大阪・29期)[出身]鹿児島県
[抱負]刑事弁護センター、可視化本部、国選本部などの刑事関係、秘密保護法、憲法問題、死刑問題などを担当します。今年は憲法制定70周年。基本的人権の擁護と、社会正義の実現のために、会長を補佐して頑張ります。

 

 

幸寺  覚(兵庫県・43期)

幸寺  覚(兵庫県・43期)[出身]兵庫県
[抱負]国際関係(国際交流・国際活動・国際戦略、国際業務推進)、外弁関係、弁護士任官等推進センターおよび市民のための法教育などを担当します。グローバル時代の日弁連の活動を考え、活力ある魅力的な弁護士会となるよう、会長を全力で補佐して頑張ります。

 

石原 真二(愛知県・37期)

石原 真二(愛知県・37期)[出身]愛知県
[抱負]主に若手弁護士サポート、広報一般、国際人権問題、弁護士会照会制度などを担当することになりました。会長を補佐し、弁護士・弁護士会の将来が少しでも明るくなるように、山積する課題に全力で取り組んでまいります。

 

 

水中 誠三(広島・35期)

水中 誠三(広島・35期)[出身]熊本県
[抱負]法律サービス展開本部、司法修習、高齢者・障害者権利支援センター、民事介入暴力対策、犯罪被害者支援などを担当します。会長を補佐し、丁寧迅速な対応を心掛け、弁護士業務が誇りと魅力を持ち続けられるよう頑張ります。

 

 

斉藤 芳朗(福岡県・39期)

斉藤 芳朗(福岡県・39期)[出身]熊本県
[抱負]主に総合法律支援本部などの法テラス関連の委員会を担当いたします。高齢・障害などにより法律相談所に赴けない方々や経済的弱者の方々のために、福岡の現場で培った知識と経験をもとに尽力したいと存じます。

 

 

岩渕 健彦(仙台・43期)

岩渕 健彦(仙台・43期)[出身]岩手県
[抱負]東日本大震災・原発事故等対策本部、災害復興支援、人権擁護、消費者問題対策などを担当します。被災地出身の副会長として災害対策について尽力するのはもちろんのこと、会長を補佐して精一杯自らの役割を果たしたいと思います。

 

中村  隆(札幌・40期)

中村  隆(札幌・40期)[出身]北海道
[抱負]裁判官制度改革・地域司法計画推進、公設事務所・法律相談センター、男女共同参画、両性の平等、給費制存続対策、法曹養成制度改革などを担当します。新会長を補佐し、日弁連の政策・提言等が実現するよう会員の皆さまとともに頑張ります。

 

矢野 真之(愛媛・32期)

矢野 真之(愛媛・32期)[出身]愛媛県
[抱負]共謀罪法案対策本部・接見交通権確立実行・刑事拘禁制度改革実現本部のほか、公害対策・環境保全と小規模弁護士会協議会などを担当することとなりました。この1年間会長を補佐し、日弁連のために全力で取り組みます。

 

 

新総次長紹介

3月31日付で、春名一典事務総長(兵庫県)が退任し、後任には、出井直樹事務総長(第二東京)が就任した。

 

出井 直樹(第二東京・40期)

出井 直樹(第二東京・40期)事務次長を務めた10年前とは、日弁連を取り巻く環境は大きく変わっています。心を新たにして、職員、嘱託、事務次長の方々と力を合わせて、会務を下支えすべく、全力で取り組みます。

 

 

 

理事

  • 黒岩 哲彦(東京)
  • 中村 治郎(東京)
  • 山田 正記(東京)
  • 石本 哲敏(東京)
  • 佐々木広行(東京)
  • 菊地 真治(東京)
  • 高田 正雄(東京)
  • 江藤 洋一(第一東京)
  • 佐藤 順哉(第一東京)
  • 西村 泰夫(第一東京)
  • 辺見 紀男(第一東京)
  • 加城 千波(第二東京)
  • 伊東  卓(第二東京)
  • 早稲本和徳(第二東京)
  • 竹森 裕子(神奈川県)
  • 三浦  修(神奈川県)
  • 福地 輝久(埼玉)
  • 山村 清治(千葉県)
  • 山形  学(茨城県)
  • 室井 淳男(栃木県)
  • 小此木 清(群馬)
  • 洞江  秀(静岡県)
  • 松本 成輔(山梨県)
  • 柳澤 修嗣(長野県)
  • 菊池 弘之(新潟県)
  • 辰野 久夫(大阪)
  • 今川  忠(大阪)
  • 小谷 寛子(大阪)
  • 岩井  泉(大阪)
  • 田中 彰寿(京都)
  • 浜垣 真也(京都)
  • 米田 耕士(兵庫県)
  • 佐々木育子(奈良)
  • 野嶋  直(滋賀)
  • 藤井 幹雄(和歌山)
  • 川上 明彦(愛知県)
  • 木下 芳宣(愛知県)
  • 内田 典夫(三重)
  • 畑  良平(岐阜県)
  • 海道 宏実(福井)
  • 川本 藏石(金沢)
  • 山本 一三(富山県)
  • 為末 和政(広島)
  • 中村友次郎(山口県)
  • 水田美由紀(岡山)
  • 大田原俊輔(鳥取県)
  • 安藤 有理(島根県)
  • 原田 直子(福岡県)
  • 迫田  学(福岡県)
  • 長戸 和光(佐賀県)
  • 梶村 龍太(長崎県)
  • 須賀 陽二(大分県)
  • 吉田 賢一(熊本県)
  • 鑪野 孝清(鹿児島県)
  • 大迫 敏輝(宮崎県)
  • 池田  修(沖縄)
  • 小野寺友宏(仙台)
  • 新開 文雄(福島県)
  • 山川  孝(山形県)
  • 小笠原基也(岩手)
  • 外山奈央子(秋田)
  • 竹本 真紀(青森県)
  • 太田 賢二(札幌)
  • 愛須 一史(札幌)
  • 平井 喜一(函館)
  • 廣田 善康(旭川)
  • 武部 雅充(釧路)
  • 平井 功祥(香川県)
  • 島尾 大次(徳島)
  • 近藤 啓明(高知)
  • 宮部 高至(愛媛)

 

監事

  • 長谷部 修(東京)
  • 村本 道夫(第二東京)
  • 勝見 洋人(新潟県)
  • 林  晃史(兵庫県)
  • 栗山  知(岐阜県)

弁護士任官者の紹介

4月1日付けで次の会員が裁判官に任官した。

 

金久保 茂氏

50期・元東京弁護士会
司法修習終了後、都内の法律事務所での勤務を経て、2004年に独立。
以後、腰原・金久保法律事務所パートナー弁護士として勤務。
〈初任地 名古屋高裁)

 

安部 朋美氏

安部 朋美氏50期・元兵庫県弁護士会
司法修習終了後、塩見・山本法律事務所(現山本総合法律事務所)に勤務(大阪弁護士会)。
2009年に安部朋美法律事務所を開設(兵庫県弁護士会)。
〈初任地 大阪高裁〉

 

杉森 洋平氏

杉森 洋平氏58期・元東京弁護士会
司法修習終了後、本林・青木・千葉法律事務所に勤務。
〈初任地 仙台高裁)

 

 

院内学習会
原子力事業者の賠償責任有限化議論をどうみるか
2月25日衆議院第二議員会館

  • 院内学習会「原子力事業者の賠償責任有限化議論をどうみるか」

2015年5月以降、内閣府原子力委員会に設置された原子力損害賠償制度専門部会(以下「専門部会」)で原子力事業者の賠償責任の有限化が議論されている。この議論状況や問題点を学ぶため院内学習会を開催した。

 

大島教授

まず、東日本大震災・原子力発電所事故等対策本部の浅岡美恵副本部長(京都)が、専門部会の議論状況を報告し、有限化の議論は、本年3月に開催される第7回専門部会で山場を迎えるとの見通しを述べた。

海渡雄一副本部長(第二東京)が、我が国の原子力事業者に対する刑事・行政上の責任追及や規制は諸外国に比して緩やかであるため、民事上の責任を有限化すれば原子力事業者のモラルハザードが生じることは避けられないと批判した。

また、青木秀樹委員(第二東京)は、国際的基準と比較した原子力規制委員会の新規制基準の不十分性と原子力事業者の安全意識の欠如を指摘した。

さらに、只野靖委員(第二東京)は、原子力事業者を優遇して有限責任を導入する理由はなく、国民の目の届かない場所でこのような議論を進めさせないよう注視する必要があると主張した。

最後に、大島堅一教授(立命館大学国際関係学部)は、福島の経験により原発事故のコストがある程度予見できるようになったことを指摘した上で、原子力事業についてのみ国の援助を与えて損害賠償の限度額を設ける正当性はなくなっている、賠償責任を有限化すれば原子力事業の経済上のリスク評価が疎かになるほか、リスクをとる者が利益を得るべきとの経済原則を崩すことになるなどのデメリットがあると述べた。

当日は、国会議員24人(本人3人、代理21人)に加え、報道関係者15人が参加し、福島原発事故から5年を迎えた今、この問題への関心の高さがうかがわれた。

*専門部会での議論状況および資料等は内閣府原子力委員会のホームページで確認することができる。

 

緊急院内集会
消費者庁・国民生活センター・消費者委員会の移転問題を考える
3月2日参議院議員会館

  • 緊急院内集会「消費者庁・国民生活センター・消費者委員会の移転問題を考える」

消費者庁・国民生活センター・消費者委員会の移転問題。多数の関係団体から反対の意見が相次いでいる。これらの機関の機能や、消費者行政に与える影響、問題点を議論するため、緊急院内集会を開催した。

 

冒頭、消費者問題対策委員会の野々山宏委員長(京都)は、消費者庁等の地方移転については、政府関係機関移転に関する第1回有識者会議において示された評価基準に反しており、認められないと指摘した。

 

国会議員から

大西健介衆議院議員(現・民進党)は、消費者庁幹部は消費者行政が良くなるのであれば地方移転をしなければならないとしているが、良くなる要素は全くなく、試行する価値もないと移転に強い反対の意見を述べた。

福島みずほ参議院議員(社民党)は、消費者担当大臣を務めた経験から、地方移転をした場合に大臣の登庁頻度はどうなるのか、国会対応をどのように行っていくのか極めて疑問であると述べた。

清水忠史衆議院議員(共産党)は、1月のスキーバス事故は消費者事故であり、消費者庁による対応が必要と述べ、消費者庁は、移転ではなく、機能強化が求められていると言及した。

船田元衆議院議員(自民党)からも移転反対のメッセージが寄せられた。

 

消費者団体から

吉川萬里子氏(全国消費生活相談員協会理事長)は、移転反対の署名が1万3000筆に上っていることを報告し、移転は消費者の権利をないがしろにするものと危機感を訴えた。

また、岩岡宏保氏(全国消費者団体連絡会共同代表)は、移転が消費者保護機能の低下を招くのであれば本末転倒であり、断固反対の立場で活動をしていくと強い決意を述べた。

 

消費者被害の当事者から

シンドラーエレベーター事故遺族やパロマガス湯沸かし器事故遺族らも出席し、消費者事故が発生した際に、被害者遺族が徳島と霞が関を行き来する理不尽さを訴えた。

 

第12回
全国弁護士会ADRセンター実務懇談会
2月26日 弁護士会館

弁護士会ADR(裁判外紛争解決機関)は、柔軟かつ迅速な紛争解決手続としてさまざまに活用されつつあり、現在までに、32の弁護士会がADRセンターの設置に至っている。一方、現場では、対応に悩まされる事例も少なくない。
弁護士会ADRのさらなる発展・利用促進を図るべく、各地のADRに携わる弁護士と事務局とが集まって、第12回目となる実務懇談会を開催した。

 

第一部では、昨年12月に他界されたADR(裁判外紛争解決機関)センターの及川健二委員長(東京)に黙とうをささげた後、窓口対応をテーマに、各地の弁護士会ADR事務局が悩みを共有した。

多くの事務局が、事前の電話対応や窓口対応の段階で、利用者から、申立後の見通しについて意見を求められたり、法律相談への対応を求められたりすることに苦慮していた。

また、小規模会では、取扱件数が少なく、専従の職員がいないため、対応そのものが困難であることも判明した。

第二部では、各地から、さまざまな解決事案の報告がなされた。

刑事事件の被害弁償の場面においては、弁護人が、検察官から被害者の連絡先の開示が受けられず、示談交渉ができない状況の下、相手方住所不明としてADRを申し立て、仲裁人から検察官に相手方連絡先の開示を要請して和解の成立に至った事案が紹介された。

また、医療ミスの結果、不幸にも患者に後遺症が残った事案において、金銭賠償のみならず、事故を起こした医療機関とは別の医療機関にて今後の治療を行うこととし、その治療費と通院費は申立人である医療機関が今後10年負担する、という内容の和解が成立した事案も報告された。

弁護士会ADRの多くは、夜間対応も可能であるし、上記医療事故事案のように調停では考えられない柔軟な和解条項を定めることもできる。申立人が仲裁人を選択する余地もある。このような弁護士会ADRならではの魅力を、利用者や会員にもっと発信し、さらなる活用を促すことが重要との認識を出席者一同が共有し、閉会した。

 

4月から「神奈川県弁護士会」

横浜弁護士会は、1893年の弁護士法施行当時から用いてきた「横浜弁護士会」の名称を、本年4月1日から「神奈川県弁護士会」に変更しました。

 

報告
「ひまわり法律相談プロジェクト」推進のための無料法律相談会
 2月27日 東京ソラマチ®

  • 「ひまわり法律相談プロジェクト」推進のための無料法律相談会

日弁連は、法律相談センターの利便性を高めるため、法律相談センターの予約窓口につながる統一ダイヤル「ひまわりお悩み110番」やインターネットで法律相談センターの予約申し込みができる「ひまわり相談ネット」を運営している。これらのサービスを多くの市民に知っていただくため、「ひまわり法律相談プロジェクト」と題して、無料法律相談会を「東京ソラマチⓇ」(東京スカイツリーに併設する複合商業施設)で開催した(共催:東京三弁護士会)。

 

無料相談を実施するとともに、武井咲さんのクリアファイル等を配布した

相談枠36件を上回る38件の相談、クリアファイル約1400枚を配布

無料法律相談を実施するとともに、女優の武井咲さんを起用した統一ポスターと同じデザインのクリアファイル等を配布し、法律相談センターの広報活動を行った。事前にフリーペーパーへの広告掲載や、会場内にチラシを設置したこともあり、当初予想していた以上の反響があった。相談者からは、「いきなり法律事務所に行くには敷居が高いので、良い機会であった」、「また開催してもらいたい」等の意見が寄せられた。

今回のまとめ

(1)武井さんの効果大

足を止める人が多く、一旦通り過ぎても戻ってくる人もいた。

(2)場所が良い

観光地のソラマチと地下鉄押上駅とを結ぶ通路沿いに相談会場を設置。通行人が多く、人目を引いた。

(3)プロのアドバイスと支援も有益

広告代理店が、場所の選定などの企画段階から当日の準備、広報までかかわり、ソラマチの随所に、武井さんの写真と無料法律相談会の開催を案内する大きなポスターを貼ってもらうことができた。

(4)総括

今回のような商業施設や観光地での広報活動は、弁護士に親しみを抱いていただく大きな効果があると感じた。

 

今後に向けて

(1)弁護士よ、街へ出よう

市民が弁護士に対して抱いている、堅苦しく近付き難いというイメージを改めてもらうには、弁護士の方から市民の中に入っていくことが重要だ。今回、多くの弁護士会が「ひまわり法律相談プロジェクト」に賛同し、ショッピングモールや地下街など、市民が集う場所で法律相談会を実施し、いずれも好評を得た。

(2)各地の弁護士会で創意工夫をしよう

法律相談センターの利用を増やすには、より多くの人に法律相談センターを知ってもらうことが必要だ。武井さんのポスターも有効に活用して全国各地で弁護士のイメージをアップし、法律相談センターの認知度を高める広報活動を展開していただきたい。

(日弁連公設事務所・法律相談センター前委員長 藤田 哲)

 

会員向け講習会
使える!法律扶助制度〜活用のノウハウ〜
2月15日 弁護士会館

日弁連では、民事法律扶助制度の拡充に向けた取り組みの一つとして、同制度に関する会員向けの講習会を開催している。第7回目となる今回の講習会では、法テラス・民事法律扶助制度の概要・民事法律扶助制度の利用における留意点をテーマに取り上げた。また、2014年度に引き続き、委託援助制度に関する講習会も併せて実施した。

 

法律扶助制度の内容を弁護士自身が正確に把握することが、同制度の活用、ひいては司法へのアクセス改善につながるとの村越進会長(当時)の挨拶に続き、法テラス本部民事法律扶助第一課長の生田康介会員(東京)が、代理援助、書類作成援助、法律相談援助の各民事法律扶助手続について概説した。

次に、亀井時子会員(東京)が、民事法律扶助制度の利用における留意点について詳しく説明するとともに、受任した際の報告書の提出を長期間怠るケースが散見されるとし、受任後の速やかな報告書提出につき注意を促した。

その後、日弁連の日本司法支援センター対応室の高橋太郎室長(東京)が、民事法律扶助制度の対象とはならない事件等を対象とした日弁連・法テラス委託援助制度を利用する際の留意点を援助類型ごとに説明した。例えば、少年保護事件付添援助制度については、少年が家裁送致された時点で、被疑者国選弁護人を国選付添人として引き続き選任するよう家裁に申し入れたものの認められなかった場合、すなわち国選付添人が選任されない場合の補完的な制度として利用できることを説明するなど、人権擁護活動の全国的拡充のため、委託援助制度の積極的活用を呼びかけた。

また、本年4月に施行される援助事業関連規定等改正のポイントについても詳説した(詳細は2面「法律援助事業 一部改正後の規定・契約条項が本年4月1日から施行」を参照)。

 

第49回市民会議
地域司法の基盤整備に関する取り組み、若手支援の取り組みについて議論
3月3日 東京都千代田区

2015年度最終回となる市民会議では、地域司法の基盤整備に関する取り組みおよび若手支援の取り組みについて議論したほか、司法調査室の発足について報告した。

 

地域司法の基盤整備

長田正寛副会長(当時)が今般、最高裁と日弁連との間で行われた地域司法の基盤整備に関する協議の経緯を概説した後、この協議に参加した赤羽宏会員(東京)が労働審判実施支部の拡大、一部の裁判所支部・家庭裁判所出張所における裁判官のてん補回数の増加等、協議の成果を詳細に報告した。委員からは法の支配の観点から、今回のように裁判所と弁護士会が協議を行うことは重要であり、画期的な第一歩であるとの感想のほか、司法予算の費用対効果については実証的研究が必要との意見が出された。

 

若手支援

川上明彦副会長(当時)が、急増する若手会員の支援策として、就業・開業支援、経済的支援、業務支援の取り組みを進めているほか、若手会員の意見を聞くため、執行部と若手との意見交換会を開催していることを報告した。委員からは、若手支援から若手活用への発想転換を求める意見が次々と出され、日弁連の組織力向上のためには、若手に活躍の場を与え、その発想・知恵を引き出し活用するための仕組み作りが重要との指摘がなされた。

また、質の維持も重要な課題であるとの意見も出され、例えば医師が利用する症例データベースに倣い、弁護士間で事案処理方針や結果を共有する仕組みの創設などの提案もなされた。

 

その他

本年1月に、司法制度、法曹養成制度、各立法課題に対応する司法調査室が発足したことの報告がなされた。また、2016年度の市民会議の議長・副議長として、引き続き北川議長、井田副議長が選任された。

 

市民会議委員 
(2016年3月3日現在)(五十音順)

  • 井田香奈子(副議長・朝日新聞東京本社オピニオン編集部次長)
  • 長見萬里野(全国消費者協会連合会会長)
  • 北川正恭(議長・早稲田大学名誉教授)
  • 清原慶子(三鷹市長)
  • 神津里季生(日本労働組合総連合会会長)
  • ダニエル・フット(東京大学大学院法学政治学研究科教授)
  • 中川英彦(元京都大学法学研究科教授)
  • 松永真理(テルモ株式会社社外取締役)
  • 村木厚子(前厚生労働事務次官)
  • 湯浅 誠(社会活動家、法政大学現代福祉学部教授)

 

第8回
法科大学院教員研究交流集会
 2月27日 弁護士会館

  • 第8回法科大学院教員研究交流集会
法科大学院における教育の具体的手法や内容について教員相互の情報共有を図り、教育内容・方法の一層の質の向上を目指すため、法科大学院協会の協力の下、実務家教員のみならず、研究者教員の参加も得て、交流集会を開催した。

 

前半は、法律基本科目(民法)、ローヤリング、刑事弁護実務の科目ごとに、3つの分科会に分かれて教育の具体的手法や授業の実践例とその効果についての報告、意見交換を行った。法律基本科目における分科会では、渡辺達徳教授(東北大学大学院法学研究科)が、未修者は1年次に民法の全範囲を学ぶカリキュラムとなっているところ、その学習を早期に軌道に乗せることができるよう、法律や判例の読み方等の法学の基礎を学ぶ授業を4月に集中的に行うなどの工夫をしていることを報告した。

後半の全体会ではまず、花本広志教授(獨協大学大学院法務研究科)が民法の契約法の基礎に関するビデオ講義を上映し、続いて、山口卓男客員教授(筑波大学大学院ビジネス科学研究科法曹専攻/東京)が教員役となり、模擬授業を実施した。また、池田直樹教授(関西学院大学司法研究科/大阪)が実務家教員の視点から、純粋未修者を意識した初年度教育改善の視点と試みについて報告を行った。

さらに、大石和彦教授(筑波大学大学院ビジネス科学研究科法曹専攻)が、純粋未修者初年次憲法教育で扱う事例を紹介した。

パネルディスカッションでは、花本教授から、未修者に対しては、知識を習得するための授業はビデオ講義で行い、教室では考え・議論することに重点を置き、1回の授業の中で最低一つは新たな気付き・ひらめきを体験させ、学生のモチベーションの向上を目指しているとの報告があった。

意見交換では、法科大学院の未修者と大学法学部の1年生への教育の異同や未修者に対して司法試験の過去問を利用しての演習を開始するのに適切な時期等について、実務家と研究者のそれぞれから活発な議論が繰り広げられた。

 

シンポジウム
公平な離婚給付を考える
3月5日 弁護士会館

  • シンポジウム「公平な離婚給付を考える」

婚姻は夫婦が「同等の権利」を有することを基本として維持されなければならないと規定する憲法第24条第1項は、婚姻解消時に夫婦の一方が婚姻中の役割分担に由来して他方より経済的に不利な状況に置かれてはならないとの要請をも含むと解される。これを念頭に、真に公平な離婚給付とは何か、その実現のためにどのような財産分与法制・実務であるべきかを検討すべく、シンポジウムを開催した。

 

基調講演を行った犬伏教授

まず、両性の平等に関する委員会の斉藤秀樹委員(横浜 ※現・神奈川県)が基調報告を行い、現在の実務の主流である、いわゆる2分の1ルールの下での清算的財産分与は、結婚を機に家庭に入った一方配偶者の稼得能力喪失に対する補償には十分とは言えないと問題提起した。

続いて、犬伏由子教授(慶応義塾大学法学部)が、各国の離婚給付制度について基調講演を行い、ドイツやフランスでは、離婚によって夫婦間に生ずる不均衡を解消すべく離婚給付・扶養の制度を設けていること、米国ニューヨーク州では、財産の分配に当たり、画一的な2分の1ルールによらず、さまざまな考慮要素を踏まえて公平な分配をしていることなどを概説した。

パネルディスカッションでは、丸山裕代氏(NPO法人しんぐるまざあず・ふぉーらむ理事)が、学資保険について、離婚後、契約者である一方の親が独断で解約した結果、子どもが進学を断念するケースが多く存在すると指摘した。

元裁判官である浅田登美子副委員長(第一東京)は、財産分与における課題として、重要な対象財産の一つである退職金につき、統一的な価値算定方法がない現状、扶養的財産分与の事例紹介として、子どもが高校を卒業するまで、夫名義のマンションに賃借権の設定を命じた裁判例を報告した。

犬伏教授は、子どもの養育の負担を勘案し扶養料を定める諸外国の制度について説明した上で、「離婚給付は人生の再出発を支えるもの。そこでは所得格差の問題を意識しなければならない」と指摘した。

 

公金債権の放棄・減免に関するセミナー
2月15日 弁護士会館

  • 公金債権の放棄・減免に関するセミナー ※定員に達したため、申込みを締め切りました。

公金債権の放棄・減免に関して、自治体から高い関心が寄せられている。日弁連では、内閣府の後援を得てセミナーを開催した。セミナーの様子は、全国31か所にテレビ中継され、多数の自治体職員、弁護士などが参加した。

 

テレビ会議中継での参加も含め、約470人の自治体職員や弁護士などが参加した

適正な放棄・減免に向けて

法律サービス展開本部自治体等連携センター公金債権部会の須田徹部会長(東京)が、本セミナーの開催趣旨と不納欠損処理等について説明した。また、2014年3月、内閣府官民競争入札等監理委員会・地方公共サービス小委員会が、徴収困難な公金債権について放棄・減免を検討課題として掲げ、自治体職員等からは放棄・減免に関する相談が多く寄せられている現状を報告した。

 

ケーススタディー

西尾政行委員(東京)は、債権の消滅時効が完成した場合、公債権は時効が完成すれば当然に債権が消滅するのに対し、私債権は時効が完成しても債務者による時効の援用がなければ消滅しないため、不納欠損処理の取り扱いが異なること、その他消滅時効が完成した債権の処理に関して留意すべき事項を説明した。

澤村暁会員(東京)は、強制徴収公債権の徴収困難者への対応に関する参加者からの事前質問について、滞納処分の執行停止ができるか否かについて解説し、滞納処分の執行停止ができないと判断された事例ではどのような調査をすべきかを説明した。

和光浩樹委員(東京)は、私債権の徴収困難者に対する対応として、自力執行力がない債権の放棄を進めるに当たっては、保証人の状況を含め実質的回収不能を示すための十分な調査が必要であると指摘した。

辻崇成委員(東京)は、公金について時効が完成してしまった場合には、回収の努力を行ったとの証拠がない限り、住民訴訟等で自治体が敗訴する可能性があると注意を促した。

 

事業再生シンポジウム
特定調停スキームと経営者保証ガイドラインの運用と実例
3月2日 弁護士会館

  • 事業再生シンポジウム「特定調停スキームと経営者保証ガイドラインの運用と実例」
窮境にある企業の事業再生や経営者の保証債務の整理を円滑に進めていくことを目的として、特定調停手続の新たな運用が開始された。同手続のさらなる普及のために、昨年3月開催の事業再生シンポジウムに引き続き、主に金融機関その他中小企業関連団体向けにシンポジウムを開催した。

 

第一部では日弁連中小企業法律支援センター委員から、特定調停スキームの周知や運用の状況、「経営者保証に関するガイドライン」(以下「ガイドライン」)に基づく保証債務整理の事例分析結果が報告された。

また、債務者代理人として特定調停スキームによる債務整理に実際に関与した複数の会員から、第二会社を作って事業を再建させて旧会社を特別清算するケース、会社を特別清算により円満に廃業しつつ、経営者保証人にはガイドラインを活用して一定の資産を残して債務免除を受けたケース等について、詳しい説明があった。

第二部ではパネルディスカッションを行った。渋佐寿彦氏(公認会計士)、田村義弘氏(株式会社商工組合中央金庫審査第三部長)、山田尚武会員(愛知県弁護士会倒産実務委員会委員長)らをパネリストに迎え、ガイドラインに基づく保証債務の整理をテーマに、経営者保証人の手元に残せる資産の範囲、債権者間の衡平性等、多岐の論点にわたって意見を交換した。

田村氏は、債務整理では金融機関と債務者との間の信頼関係構築が不可欠であることや、弁護士が関与することでより円滑に進むことが多いことを指摘した。

当日は、会員約70人のほか、金融機関や中小企業の関係者などが約200人、総計約270人の出席を得、大変盛況であった。弁護士が主体的に事業再生に取り組むことの意義について、多くの中小企業関係者に理解を深めていただいたと感じられた。

 

今後もシンポジウムの成果を活かし、経営者の再起支援等の新たな局面での活用を含め、特定調停スキームの一層の充実、深化、普及に努めていきたい。

(日弁連中小企業法律支援センター 事務局次長 堂野達之)

 

JFBA PRESS -ジャフバプレス- Vol.110

社会科見学やってます!

日弁連では、一年を通じて、小学生(高学年)・中学生・高校生を対象にした社会科見学を実施しています。受け入れている生徒の数は、年間1000人以上。その都度、ボランティアの会員が対応し、子どもたちに「弁護士とは何か」を伝えています。今回は、そんな社会科見学の実像をお伝えします。

(広報室嘱託 大藏隆子)

 

修学旅行の高校生

将来の日本を担う子どもたちを前に説明にも思わず力が入る

ようやく寒さが落ち着いたと思ったら、ふたたび寒波に見舞われた冬の朝。弁護士会館に、眠たげな少年少女数十人が現れた。彼ら・彼女らは、兵庫からの修学旅行生。聞けば、前日・前々日と、長野でスキー三昧だったという。この日は銀世界から一転、国会議事堂見学と弁護士会館訪問というかなりお堅い行程…。さすがに眠そうである。

講師の弁護士が、「この中で、弁護士に会ったことある人、いる?」と問いかけると、挙がった手はごく少数。やはり、弁護士とのかかわりは乏しいようだ。

弁護士の使命や役割、一日のスケジュール、また、弁護士を目指した動機…などなど、生徒たちからの質問に答えながら、講師が話をする。

突っ伏して寝てしまう生徒がいる一方で、最初はつまらなそうにしていたのに、事件の話が始まるや否や目を輝かせて話に聴き入る生徒もいる。子どもたちの反応はストレートで、すがすがしい。

 

総合学習の中学生

また、ある朝やってきた中学生6人は、都内からの訪問。遊園地やテレビ局など、いくつかの施設の中から希望の場所を選んで見学する総合学習で、何と、自ら希望して弁護士会館に来てくれたという。

「じゃんけんに負けたとかではなくて、本当に自分から希望したの?」と尋ねてみると、「前から弁護士さんの話を聞いてみたかったんです!」と100点満点の回答!説明にも思わず力が入る。

 

弁護士のイメージアップへの貢献

社会科見学では、毎回、子どもたちにアンケート記入をお願いしている。この回答が毎回興味深い。

「堅い人が多いと思っていたけれど、意外と優しい。そこまで堅くない」「少し怖い気がしていたけれど、とても柔らかくて、人々の味方だということが分かった」「面白い話をしてくれて、かなり緩い雰囲気だった」などなど。残念なことに、子どもたちが弁護士に対して最初に抱くイメージは、必ずしも優しい、良い人ではないらしい。

「柔らかい」「緩い」という感想はやや気になるものの、弁護士を身近に感じてもらい、「将来、何かあったら弁護士さんに相談してみたい」「私も将来弁護士になりたい」などといった感想を寄せてもらえると、弁護士のイメージアップに貢献したに違いない、と思わず自画自賛してしまう。

 

「弁護士のシゴト」作成!

小・中学生向けパンフレット「弁護士のシゴト」

このたび日弁連は、広報室が中心となり新たな小・中学生向けパンフレット「弁護士のシゴト」を制作した。このパンフレットは、分かりやすさを重視して、イラストに比重を置いた構成になっている。手前味噌だが、イラストもセンスが良い。また、弁護士という職業の魅力を伝えるエッセンスを盛り込んでいる。弁護士会や弁護士会連合会への提供も予定しており、日弁連のみならず各地における社会科見学や学校派遣で活用してもらいたい。(日弁連のホームページからもダウンロード可能。)

 

弁護士にとってのやりがい

本年1月に就任したばかりの広報室嘱託も、早速、新潟から社会科見学に来た中学生に対応した。「弁護士は六法を全部暗記しているのか」「無実の人を無罪にするのはどのくらい大変か」「将来の法曹界にはどんな人材が必要か」などなど、さまざまな質問が投げ掛けられた。

担当者の感想は、「子どもたちに直接、自分の仕事の話ができるのは、意外と貴重な機会かもしれない。子どもたちからの素朴な質問に答えることで、自分の弁護士としての初心を思い出す契機にもなる」とのこと。

なるほど、我々弁護士の仕事は、言うまでもなくストレスフル。気がめいることも少なくない。そんな折に、社会科見学の講師を務めれば、弁護士の使命・役割を説明する中で、弁護士の魅力を再認識。自分を元気づけることができる。講師を務めることは、弁護士自身にとっても極めて有益なことなのである。

将来の日本を担う子どもたちに「弁護士とは何か」を伝える社会科見学対応ボランティア、この紙面を読んで興味を持たれた会員の皆さま、ぜひ担当してみませんか。たくさんのご応募、お待ちしています!

*社会科見学にご協力いただける場合は日弁連広報課(電話03―3580―9864)までご連絡ください。
*社会科見学の概要はホームページでも紹介しています(HOME>日弁連・弁護士について>社会科見学)。

 

日弁連委員会めぐり 84

外国弁護士及び国際法律業務委員会

今回の委員会めぐりは、外国法事務弁護士(外弁)や外弁制度に関わる活動をしている外国弁護士及び国際法律業務委員会です。片山達委員長(第二東京)、大原慶子副委員長(第一東京)、内藤秀文副委員長(大阪)、牛嶋龍之介副委員長(第二東京)、伊藤理副委員長(東京)からお話を伺いました。

(広報室嘱託 佐内俊之)

 

委員会設置の経緯は

前列左から片山委員長、大原副委員長、後列左から伊藤副委員長、牛嶋副委員長、内藤副委員長

外国弁護士による法律事務の取扱いに関する特別措置法(外弁法)の制定を受け、1987年に「外国法事務弁護士に関する委員会」として設置されました。その後1997年には、活動内容の拡がりに合わせて、現在の名称となりました。

 

主な活動内容は

外弁法に基づく資格承認等の申請に対する日弁連の意見をまとめる作業を行っています。2015年度は43件の意見書を起案しました(本年2月末現在)。外国弁護士が国内で職務を行うには法務大臣による資格の承認が必要ですが、この承認申請があると、法務大臣から日弁連に意見照会がなされます。これを主査委員となった委員2人が検討した上、全体委員会で議論して日弁連の意見を取りまとめます。主査委員には申請資料や先例集の検討など相応の負担がありますが、諸外国の弁護士の法制や業務に触れる貴重な機会となります。

また、外弁制度や国際法務に関する日弁連の対応のバックアップも重要な活動です。多くは執行部からの諮問に回答する形を取りますが、それにとどまりません。例えば、政府の規制改革実施計画を受け、日弁連と法務省とで設置した「外国法事務弁護士制度に係る検討会」については、会議運営のバックアップも行っています。

 

今後の課題は

英国では2011年から非弁護士が所有・経営する法律事務所(ABS)が認められているところ、ABS所属の外国弁護士が資格承認を申請してきた場合の対応が問題となっています。当委員会でも検討を続けてきましたが、我が国の対応は定まっていません。諸外国に比して随分遅れをとってしまっていますので、会内でも広く議論していただきたいと思います。

この問題に限らず、変化が激しくボーダーレス化も進む今日では、弁護士業務をめぐる国内外の状況変化や問題をいち早く捉え、適切に対応していく必要があると考えています。

 

会員へのメッセージをお願いします

当委員会での活動により、諸外国の弁護士業務をめぐる状況や国際法務に関し、最新の情報を得ることができます。外国弁護士や国際法務に関する問題は、今や一部の弁護士のみにかかわるものではありません。ぜひとも当委員会にご参加いただき、一緒に活動を充実させていきましょう。

 

ブックセンターベストセラー
(2016年1月・六法、手帳は除く)協力:弁護士会館ブックセンター

順位 書名 著者名・編者名 出版社名
1 弁護士法第23条の2 照会の手引[六訂版] 第一東京弁護士会業務改革委員会第8部会 編 第一東京弁護士会
2 弁護士の周辺学 実務のための税務・会計・登記・戸籍の基礎知識 髙中正彦・市川 充・堀川裕美・西田弥代・関 理秀 編著 ぎょうせい
3 最高裁判所判例解説 刑事篇 平成25年度 法曹会 編 法曹会
4 事例に学ぶ 労働事件入門─事件対応の思考と実務─ 労働事件実務研究会 編 民事法研究会
5 IT・インターネットの法律相談 最新青林法律相談4 TMI総合法律事務所 編 青林書院
6 サイト別 ネット中傷・炎上対応マニュアル 清水陽平 著 弘文堂
7 こんなところでつまずかない! 弁護士21のルール 東京弁護士会親和全期会 編著 第一法規
新・実践刑事弁護 昇平弁護士奮闘記 東京弁護士会刑事弁護委員会 編 現代人文社
9 季刊刑事弁護85号 特集:司法と福祉との連携 季刊刑事弁護編集部 編 現代人文社
金融機関行職員のための預金相続事務手続活用マニュアル 桜井達也 著 きんざい

 

編集後記

2月29日、広島弁護士会館に全国から100人を超える弁護士が集まり、第11回災害復興支援に関する全国協議会が開催された。前日には、広島市安佐南区で2014年8月に発生した豪雨・土砂災害の被災現場を視察した。東日本大震災の津波の痕は何度も見ているが、土砂崩れの痕は初めて見た。津波とは異なり、局地的な被害で、すぐ横には普通に生活している風景があった。
現場を見て初めて分かることがある。被災現場の斜度は想像していた以上に急であった。周りには、花のほか、おもちゃやお菓子が供えられていた。子どもの名前を叫んでいる母親の映像を思い出し、ここで幼い子どもも亡くなったかと思うと胸が締め付けられる思いがした。
現場を見て初めて、被災者の想いに真に寄り添うことができるとあらためて感じた一日であった。