日弁連新聞 第484号

改正少年法 可決成立

「少年法の一部を改正する法律」が4月11日、参議院で可決、成立し、18日公布された。この改正法により、少年審判における国選付添人制度の対象事件が大幅に拡大されることとなる。

 

今回の改正は、第一に、国選付添人制度の対象事件を被疑者国選対象事件と同一範囲の長期三年を超える懲役・禁錮の罪の事件まで拡大すること、第二に、非行事実に争いがある場合の検察官関与対象事件も同一の範囲まで拡大すること、第三に、刑事裁判に付された少年に対する有期刑の上限を引き上げること等を内容とするものである。第一、第二については6月18日から、第三については5月8日から施行される。

なお、衆参両院の法務委員会で、検察官関与制度や少年刑について少年法の理念に則った適正な運用がなされるよう求め、国選付添人についても少年審判の特質を理解した弁護士が選任されるよう周知徹底を求めること等を盛り込んだ附帯決議が付された。

日弁連は、成立当日の11日、会長声明を発表し、今回の改正は身体拘束事件の8割以上を対象とするものであり、「国が少年の権利を保障する必要性・重要性を確認したという観点から大きな前進であると評価できる」としたうえで、検察官関与決定に際しては、裁判所は謙抑的に判断すべきこと、審判に関与する検察官は少年の特性を十分に理解し配慮すべきこと、少年刑の適用においては、少年の健全育成の理念を尊重し、少年の更生に十分に配慮すべきことを求めた。

6月の施行へ向け、全国の弁護士会において、会員の対応態勢を確認するとともに、家庭裁判所、法テラス地方事務所との間で選任手続の流れや当番付添人制度との関係等を協議し、さらに会員への周知を図る必要がある。また、裁量選任制の下で付添人選任率を高めていくために、付添人研修の一層の充実等、付添人活動の質を維持・向上させる努力が求められる。

(全面的国選付添人制度実現本部事務局長 須納瀬 学)


 

さらに開け、再審の扉
明暗分かれる再審決定

「捜査機関が重要な証拠を捏造した疑いがあり、犯人と認めるには合理的疑いが残る」との静岡地裁の判断で3月27日に再審開始と死刑および拘置の執行停止の決定がなされ、即日釈放された袴田巖さんのニュースが文字どおり世界の注目を集めている。
一方で、同じく再審開始を求める「姫路郵便局強盗事件」、「飯塚事件」では棄却決定がなされ、再審の扉が依然として開かれていない。

 

高らかに上げたピースサイン
袴田事件・再審開始決定報告集会
4月14日 弁護士会館

  • 袴田事件・再審開始決定報告集会

ピースサインを見せる袴田巌さんと姉のひで子さん、弁護団の岡島順治会員

約300人が参加した本集会では、袴田巖さんと姉のひで子さんも登壇し、会場から拍手で迎えられた。ひで子さんは巖さんを嬉しそうに見つめながら、「二人ともあと何年生きるかわからないけれど、これからも面倒見ようと思っています」と巖さんを支える思いを述べた。

検察からは即時抗告がなされ、再審開始決定は未だ確定していない。しかし、死刑および拘置執行を停止する静岡地裁の決定は東京高裁においても維持されている。この点について、袴田事件弁護団長の西嶋勝彦会員(東京)は「画期的」と評価した。

 

えん罪が起きない仕組みへ

一方で、3月28日には神戸地裁姫路支部で「姫路郵便局強盗事件」に関する再審請求の棄却決定が、3月31日には福岡地裁で「飯塚事件」に関する再審請求の棄却決定が出され、袴田事件と明暗が分かれる結果となった。

報告集会に出席し、挨拶した人権擁護委員会の小林七郎委員長(東京)は、「姫路郵便局強盗事件は実行共同正犯性が問われたのに、実行犯でない共犯であるとの推認は妨げられないとして再審請求を棄却した。請求人が実行犯であるか否かはさらに審理を尽くすべき」として再審開始の必要性を強調した。また、「死刑判決が誤判であった場合に、執行されれば取り返しがつかない。飯塚事件では再審請求が棄却されたが、えん罪の疑いの濃い事案でその懸念が現実化した」と指摘した。


 

シンポジウム
集団的自衛権と憲法
「積極的平和主義」を問う
4月10日 弁護士会館

  • 集団的自衛権と憲法-「積極的平和主義」を問う

安倍晋三首相の私的諮問機関は、5月の連休明けにも憲法解釈の変更による集団的自衛権の行使を容認する報告書を提出する予定であり、この報告書に基づき憲法解釈の変更に向けた政府の動きが加速することが予測される。このような中、政府が進めようとする「積極的平和主義」の真の意味合いとその危険性を議論するため、東京三弁護士会および関東弁護士会連合会との共催で本シンポジウムを開催し、約400人の参加を得た。

 

立憲主義の考え方をわかりやすく解説した「憲法かみしばい」の上映も行われた

冒頭、憲法委員会の堀井準事務局次長(東京)が基調報告を行い、「平成25年度防衛大綱」が「積極的平和主義」の一内容として「国際的な安全保障環境を改善するために国際社会が協力して行う活動」を掲げ、これを受けた「中期防衛力整備計画」中に護衛隊の保持等が盛り込まれていること等を指摘した。

続いて、北澤俊美氏(元防衛大臣、参議院議員)が講演を行い、立憲主義および法治主義の基本に照らし、集団的自衛権の行使について内閣の従前の解釈を正面から否定し、時の内閣が便宜的、意図的に変更することは許されないと強調した。

後半はパネルディスカッションを行った。阪田雅裕会員(元内閣法制局長官、第一東京)は、「集団的自衛権の行使を認めれば、九条は存在意義を失う。本当に必要なら憲法改正の是非を正面から議論すべき」と指摘し、半田滋氏(東京新聞論説兼編集委員)は、自衛隊が既に強力な装備を有するものの、人道支援部隊としてのみ活動する現状を報告したうえ、時々の内閣の判断で「武力行使」が許される範囲が恣意的に変更されれば現場の混乱は必至であると述べた。谷口真由美氏(大阪国際大学准教授、全日本おばちゃん党代表代行)は、「この問題を国民的な議論とするには分かりやすさが必要。まずは身近な人と易しい言葉でこの問題を語り合って」と会場に呼びかけた。


 

第65回定期総会 仙台で開催 5/30

5月30日(金)12時30分から、ホテルメトロポリタン仙台(仙台市)において、第65回定期総会が開催される。

平成26年度(一般会計・特別会計)予算議決の件、宣言・決議の件他、計13本の議案が審議される予定である(議案内容等の詳細は、5月20日頃に送付される議案書に記載)。

多数の会員の参加による充実した審議をお願いしたい。

 

ひまわり

4月23日、復興事業用地確保の円滑化・迅速化を目的とする東日本大震災復興特別区域法の一部を改正する法律案(特区法改正案)が成立した▼復興が進まない原因のひとつに、復興事業用地の確保の問題がある。現地では、100年以上登記がなされていない土地や相続人が100人を超える例もあると聞く。岩手弁護士会は、岩手県と共同研究をし、復興事業用地確保の円滑化・迅速化の特例制度をまとめ、国に特例法による創設を求め、日弁連も同趣旨の意見書を出していた。今回成立した特区法改正案は、工事の早期着工を可能とした点では一定の評価はできる▼もっとも、復興事業用地確保にあたり大きな障害となっている事前の任意交渉の省略や権利者に関する調査義務の緩和などについて、特区法改正案ではなく、衆議院東日本大震災災害復興特別委員会の決議にとどまったことには、やや不安が残る▼震災後既に3年が過ぎており、長期間狭い仮設住宅に住むことを強いられている被災者の、健康で文化的な最低限度の生活を速やかに確保するためにも、復興事業用地確保の迅速化に効果的な制度運用を一刻も早く確立することが不可欠である。法案成立で気を緩めることなく、今後も、運用状況を注視していかなければならない。(Y・K)

 

シンポジウム
未来をひらく 弁護士のチャレンジ
3月29日弁護士会館

  • 未来をひらく-弁護士のチャレンジ

2月理事会で設置が承認された「法律サービス展開本部」では、行政・福祉、企業、海外など多様な分野における弁護士の活躍を積極的に推進する取組を始めている。本シンポジウムでは、有識者によるパネルディスカッション等を通じ、新たな分野で活躍しようとチャレンジしていく弁護士の活動の在り方について議論した。

 

ニーズの変化に対応を

多様な場面での弁護士の活動について議論された

冒頭、日弁連から、法曹養成制度の検討体制の一環として、法務大臣決定により設置された「法曹有資格者の活動領域の拡大に関する有識者懇談会」およびこれに付随して日弁連と共催で運営する3つの分科会での議論状況と、法律サービス展開本部のもとに設置される①自治体等連携センター、②ひまわりキャリアサポートセンター、③国際業務推進センターの3つのセンターにおける今後の取組について、詳細な報告がなされた(4月号に関連記事)。

次いで、政府の有識者懇談会および分科会の構成員らが登壇し、パネルディスカッションを行った。

大島正太郎氏(元WTO上級委員会委員)は、「中小企業はグローバルというより特定の地域に事業展開する傾向。日本の法曹が支援できるのではないか。また、企業の海外展開に伴い在留邦人がますます増えており、ニーズの解明が必要」と述べ、泉房穂氏(明石市長、弁護士)は、「自治体には弁護士が能力発揮できる分野がたくさんある。弁護士および弁護士会は、社会のニーズ、ニーズの変化に対応する努力が必要」と指摘した。

井上由理氏(昭和シェル石油株式会社常務執行役員、弁護士)は、「企業に対し、客観的な倫理観を持ちながら企業経営を支えるという弁護士のバリューを見せていく必要がある」と弁護士会を挙げての取組に対する期待を表した。

 

有識者からメッセージ

最後にコメンテーターとして登壇した4人の有識者から、新たな分野における弁護士の活動の在り方について、激励のメッセージが寄せられた。

このうち、北川正恭教授(早稲田大学政治経済学術院)からは、「市長や地方議員に法の支配が行きわたって、積極的に自治体が弁護士を採用できるように、弁護士だけでなく、弁護士会もチャレンジを。自治体のニーズに応じて弁護士を紹介できるようなシステムをぜひ構築してほしい」との強い希望が示された。


 

IBA東京大会開催
10/19~10/24
若手会員参加補助制度の申込期限迫る

IBA(国際法曹協会)の年次大会が、本年10月19日~24日に東京で開催されます。IBA年次大会では、人権、公益、弁護士倫理からビジネスまで、多数の分野のセッションで最先端の議論が行われ、また世界中の弁護士とのネットワークを作ることが可能です。東京での年次大会は、地理的な利便性はもちろん、日本人スピーカーも多く登壇し、また一部セッションには同時通訳が付されるなど、日本の弁護士が参加しやすいものとなっています。

なお、弁護士会の推薦を受けた登録後10年以下の若手会員には、大会登録費用(参加費用)の一部として日弁連から10万円の補助を受けられる制度があります。弁護士会からの推薦の締切が6月4日(水)に迫っておりますので、ご興味のある方は所属の弁護士会にお問い合わせください。

 

◆大会の詳細はIBAのホームページをご覧ください。
icon_page.pnghttp://www.ibanet.org/Conferences/Tokyo2014.aspx


 

2014年度会務執行方針(要約)

 

はじめに

私たちは、社会と時代を生きています。

我が国の社会経済は大きく動き急速に変化しています。日本弁護士連合会(以下「日弁連」という。)は、そうした変化に的確に対応し、社会の期待とニーズに応えなければなりません。

また、今、日弁連には、時代をしっかりと見据え、憲法の価値と人権の擁護・実現のために奮闘することが強く求められています。

私たちは、現在大きな困難に直面しています。しかし、これはひとり弁護士・弁護士会だけのものではなく、時代の苦悩とも言うべきものです。弁護士だけのことを考えて展望が拓けるわけではありません。私たちの未来は、社会・市民の未来とともにあるという認識の下、私たちを必要とする市民に寄り添い、各層・各方面の多くの人々や団体との協力と共栄を追求しなければなりません。

内向きになってはならない、内向きな議論に終始してはなりません。それは、孤立と信頼喪失につながります。ひとりよがりになることなく、社会が私たちをどう見ているかという視点を常に持つ必要があります。社会と市民の期待に的確に応えその信頼を獲得することこそが基本中の基本であり、私たちの活路は社会の理解と支持の輪を拡げていくことでしか拓けないのです。

弁護士が、やりがいと誇りの持てる職業であり、有為の若い人たちがあこがれを持って目指してくれる存在であり続けるために、今、やらねばならないことはたくさんあります。ただ嘆いたり、誰かのせいにして批判することでは、物事は解決しません。経緯と現実をすべて否定し、昔は良かった、昔に戻せと言ったところで、事態が改善するわけでは決してありません。

私たちは弁護士です。広い視野を持って独善を排し、事実を正確かつ真摯に受け止め、理をもってことにあたらなければなりません。

日弁連が掲げる諸政策を実現するためには、日弁連の意見をしっかりととりまとめたうえで、各方面を説得し、社会の多数の理解と支持を得ることが不可欠です。

会内議論を自己目的化するのではなく、あるいは、言いたいことを大きな声で主張すればそれでよしとするのではなく、本当に事態を一歩でも二歩でも前に進めたい、現状を改善したいと願うのであれば、社会の理解と支持を獲得するための実践行動にこそ、日弁連と弁護士会の持てるすべての力を投入しなければなりません。

そして、そのために、まずは弁護士・弁護士会の心と力を一つに合わせなければなりません。

困難な時であるからこそ、みんなが一つになって、「社会と会員の期待に応える実現力のある日弁連」を創り、私たちの、そして若者の未来を、この手で切り拓こうではありませんか。

本年度において取り組むべき重要課題は、以下のとおりです。

 

第1 司法の役割を大きくし、弁護士の活躍の場を拡げ、身近で使いやすい司法を実現します

裁判官の増員、弁護士任官を推進し、裁判所支部機能の充実強化に取り組みます。司法予算の増額の必要性を訴えます。法教育の取組を一層推進します。

「ひまわりお悩み110番」の周知、法律相談の活性化・拡大に取り組みます。ひまわり基金法律事務所、都市型公設事務所の支援策を検討します。地域司法計画の推進、民事法律扶助の拡充に取り組みます。法律援助事業の国費・公費化、権利保護保険の対象拡大を目指します。

高齢者・障がいのある人、中小企業支援のため、関係機関との連携、専門性を高めるための研修等に取り組み、弁護士のさらなる海外展開、行政機関との協力体制の強化、組織内弁護士の採用拡大を図ります。

隣接士業問題への的確な対応、広報活動の強化に取り組みます。

 

第2 法曹養成制度改革は最重要課題です

地域適正配置や夜間法科大学院等の学生の多様性確保に十分留意しつつ、法曹養成教育の質を向上させ司法試験合格率を上昇させるために、法科大学院の統廃合と定員の大幅な削減を急速に進めるべく、関係諸機関に対し、必要な働きかけを行います。

司法試験は、法科大学院教育との関連等において、その内容が適切なものとなっているか、検証・検討を進め、予備試験については、必要な見直しを求めます。

司法試験年間合格者数を可及的速やかに1500名以下とすべく、全力で取り組みます。

司法修習のさらなる充実を継続して求めるとともに、司法修習生に対する給費を含む経済的支援の充実強化を目指します。

 

第3 若手会員を支援します

司法修習生と若手会員に対する就職支援及び独立開業支援を継続して行います。研修、OJT、業務モデル開拓等の支援、若手会員相談窓口の全国展開のための検討を行うほか、若手会員の意見・要望を日弁連の政策・会務に反映させるよう努めます。

 

第4 憲法と人権に関する諸問題についての取組を強めます

閣議決定で憲法解釈を変更し集団的自衛権の行使を容認するような政府の動きに対して強く反対する取組を進めます。

国内人権機関の設立、個人通報制度の実現、再審支援、両性の平等、子どもの人権保障、高齢者・障がいのある人の権利擁護、外国人・民族的少数者の人権保障、難民保護、犯罪被害者支援、消費者の権利確立、患者の権利確立、原子力発電と核燃料サイクルからの撤退と環境保全、民事介入暴力の排除、貧困問題の解消、死刑廃止についての全社会的議論、原爆被害者の救済と核兵器の廃絶等、人権諸課題に取り組みます。

特定秘密保護法の廃止を含めた抜本的見直しを目指し、「共謀罪」に反対していきます。少年法改正法の着実な実施への対応、全面的国選付添人制度の実現を目指します。

 

第5 東日本大震災被災者、福島第一原子力発電所事故被害者の支援と復旧復興支援に注力します

被災者・被害者が迅速かつ適切な法的支援を受けられるよう、震災関連死や二重ローン問題等の課題について必要な法制度の創設やその運用改善を提言します。

原発事故被害の完全な賠償の実現のため、意見表明、原子力損害賠償紛争解決センターの運営への協力などの活動に引き続き取り組み、原発事故子ども・被災者支援法の理念の実現を求め、損害賠償だけではカバーできない生活再建のための意見表明等の取組を進めます。

復興事業用地の確保に係る特例法の制定をはじめ、必要な法的・行政的措置を求めるとともに、被災者本位のまちづくりが行われるよう、行政と住民との橋渡しとなります。弁護士の職員採用を進める被災自治体との協力関係を構築し、弁護士会に求められる役割を積極的に果たします。

 

第6 刑事司法改革(取調べの全面可視化、全面的証拠開示、国選弁護制度の拡大、裁判員裁判制度の発展等)を前進させます

取調べの可視化(取調べの全過程の録画)、全面的証拠開示制度、被疑者国選弁護制度の拡大等について、改革を着実に前進させ、弁護人の取調べ立会いや人質司法の打破の実現に向けて努力します。通信傍受の安易な拡大、会話傍受の導入等に反対します。裁判員制度の改善を求め、弁護技術の向上のための研修、経験交流等の取組を強化します。

 

第7 民事司法改革、民事法制整備を進めます

「民事司法を利用しやすくする懇談会」の最終報告書(2013年10月)による提言を受け、民事司法改革の諸課題の実現に向けた取組を進めます。民法(債権法関係)改正について、各界との意見調整を行います。

 

第8 弁護士自治を堅持し、組織改革を進めます

不祥事を根絶し、市民の弁護士・弁護士会に対する信頼を回復できるよう、不祥事対策を強化します。専門分野や新たな法律分野の研修の充実、男女共同参画の推進、組織・財務改革に取り組みます。

 

第9 国際活動を強化します

本年10月に東京で開催される国際法曹協会(IBA)の年次大会を通じて日弁連の各種活動を世界に向けて発信し、国際的プレゼンスのさらなる向上を目指します。

 

おわりに

以上の会務執行方針を実現するため、理事会における議論や会員との意見交換の充実等に注力します。

 

全文は日弁連ホームページをご覧ください。


 

人権大会第1分科会プレシンポ
伊方原発の再稼働問題を考える
3月29日松山市

  • 第57回人権擁護大会シンポジウム第1分科会プレシンポジウム「伊方原発の再稼働問題を考える」

本年10月の第57回人権擁護大会シンポジウム第1分科会「北の大地から考える、放射能汚染のない未来ヘ」の開催に先立ち、3月24日に東京で、29日には松山市において、それぞれプレシンポジウムを開催した。以下では、松山市で開催したプレシンポジウムについて報告する。

 

熱心に講演に聴き入る参加者ら

2013年7月に施行された、原子力規制委員会の新規制基準に基づき、各原子力発電所が再稼働の前提となる適合性審査申請を行っているところ、四国電力の伊方原発三号炉の審査が進んでいるとされている。本プレシンポは、そのような状況を踏まえて、広く市民に伊方原発の再稼働問題を考えてもらうべく、同原発の立地県である愛媛県で開催したものである。

まず、第1分科会実行委員会の青木秀樹委員長(第二東京)が基調報告を行い、2011年の福島第一原発事故により安全神話が崩壊したこと、それを受けて原子力規制委員会が組成され、新規制基準も作られたが、この基準でも原発の稼働の安全は確保できないことなどが指摘された。

引き続き、元米国GE社原子力事業部技術者の佐藤暁氏から、「日本の原子力発電所に対する過酷事故評価・対策の問題点」と題する講演があった。佐藤氏は、世界一安全であると喧伝されている日本の新規制基準は、ヨーロッパの厳しい基準はおろか、IAEA(国際原子力機関)の基準よりも緩やかなものであること、新規制基準では安全性が確保できないことを具体的に明らかにした。

当日は、市民・弁護士など約80人の参加があり、伊方原発の再稼働について問題点を深めることができ、本年10月の人権擁護大会シンポジウムにつながる格好の機会となった。

(第57回人権擁護大会シンポジウム第1分科会実行委員会委員 足立修一)


 

院内集会
給費の実現へ
「国民の理解」は得られています!
4月15日参議院議員会館

  • 司法修習生への給費の実現と充実した司法修習を求める院内集会~給費の実現へ「国民の理解」は得られています!~

本年1月の衆議院での開催に引き続き、参議院でも司法修習生の給費実現と充実した司法修習を求める院内集会を開催した。188人もの参加者が集った本集会では、給費制実現の必要性について広く理解が得られている実態が明らかになった。

 

修習生の厳しい現実

署名活動の結果を報告する中島会員

冒頭、村越会長の挨拶に続き、3月17日にフジテレビ系列で放送されたニュース映像の一部が上映された。修習生が食費を切り詰めて生活する様子や、奨学金を貸与金で返済している人もいる等、深刻な現実があらためて浮き彫りにされた。

続いて貸与制経験者である司法修習費用給費制存続緊急対策本部の野口景子委員(第二東京)から、経済的な事情を理由に志の高い友人が弁護士になることをあきらめてしまったことなどの経験が語られた。

 

多数の国会議員の応援と団体署名

本人出席20人、代理出席も含めると60人以上の国会議員の出席があり、多くの国会議員から、党派を超え、給費制の重要性とその実現を訴える応援演説が展開された。

同本部の新里宏二本部長代行(仙台)は、65期司法修習生の生活実態に関するアンケート結果として、修習生の出費状況(住居費負担なしで毎月13万8000円、負担ありで21万5700円)を紹介し、「きちんと修習するためには一定の費用がかかる。なぜ国としてこれを用意できないのか」と厳しく指摘した。

続けてビギナーズ・ネットの中島順隆会員(千葉県)から、給費制実現を求める団体署名活動の結果、日本医師会等を含む2100を超える署名が集まっているとの報告がなされた。

最後に清水鳩子氏(司法修習生に対する給費の支給継続を求める市民連絡会)から、「超党派の国会議員の力強い演説を伺い、司法修習生への給費を求める運動は、必ず実現可能だと確信した。自信をもって運動を続けよう」という力強い宣言がなされた。


 

シンポジウム
特定商取引法を見直し、悪質商法の根絶を目指して
4月10日 弁護士会館

  • シンポジウム「特定商取引法を見直し、悪質商法の根絶を目指して」

2008年、特定商取引に関する法律(特商法)が改正され、指定商品・役務制が廃止されたが、指定制が維持された「権利」の販売取引に関しては、その後消費者トラブルが増加している。本シンポジウムでは、指定権利制をはじめとする現行特商法の問題点について、議論を交わした。

 

冒頭、4つのテーマについて基調報告がなされた。消費者問題対策委員会の小野寺友宏幹事(仙台)は、指定権利制の廃止を求める日弁連意見書(2013年12月19日付)を説明し、「特定商品・役務について政令指定制を廃止した以上、指定権利制を維持する合理性はない」とした。道尻豊委員(札幌)からは、連鎖販売取引に関する法規制の強化を求める日弁連の意見書(2012年4月13日付)等についての報告があり、「権利の取引について規制対象を限定している現行法は合理性を欠く」とした。松尾善紀委員(大阪)は、特商法の適用除外取引にかかる問題について報告し、被害が著しい投資用マンションの販売等について「特商法の適用除外から外すべき」とした。鈴木裕美幹事(仙台)は、特商法に基づく法執行について、「複数県にまたがり営業する業者がほとんどであるので、国の法執行の役割は重要」と報告した。

続いて、河上正二教授(東京大学大学院・内閣府消費者委員会委員長)、全国消費生活相談員協会相談員の渡邊千穂氏および消費者問題対策委員会の村千鶴子委員(東京)によるパネルディスカッションが行われた。河上教授は、「訪問販売法において指定制を採っている国などない」とし、指定権利制廃止を求める意見を述べた。渡邊氏は、連鎖販売取引についての最近の被害状況について、「被害件数は増加してはいないが、複雑化している」と報告した。村委員は、法執行について、「被害が複数県にまたがるのならば、全国的な被害となる可能性がある」とし、そのような場合には国が法執行を行うべきとした。

 

取調べの可視化を求める市民集会
取調室にシナリオは要らない
3月25日弁護士会館

  • 取調べの可視化を求める市民集会「取調室にシナリオは要らない~骨抜きを許さない!取調べ全過程の録画を~」

法制審議会新時代の刑事司法制度特別部会(特別部会)の議論が佳境に入っている中、捜査側が描いた「シナリオ」に基づき供述を得ようとする取調べの問題点と、全過程の録画の重要性をあらためて問いなおすため、本市民集会を開催した。

 

特別部会の議論状況

意見書提出の経緯を語る周防監督(左)。右は北尾氏

冒頭、特別部会幹事の小坂井久会員(大阪)が、3月に有識者委員五人から原則全事件で全過程録画を義務付ける制度の採用を支持し、段階的実施の工程を示すべきとする「取りまとめに向けての意見」が提出されたことを含め、特別部会の議論状況を報告した。今後は来年の通常国会への法案提出に向けて議論が加速する見込みで、多くの市民に関心を持ってほしいとの呼びかけがなされた。

 

えん罪被害者からみた取調べ

布川事件のえん罪被害者である桜井昌司氏は「一部録画は絶対にだめ。なぜ嘘の供述がつくられたかが分からなければ、えん罪の本質は分からない」と全過程の録画の重要性を強く指摘した。爪ケア事件のえん罪被害者である上田里美氏は「任意同行されたときには、シナリオが出来上がっていた」「刑事の言うことを聞いていた方が早く楽になれると思うようになって、刑事のシナリオどおりにしゃべらされてしまった」と、自らの経験を語った。

パネルディスカッションでは、特別部会委員の周防正行氏(映画監督)が、「特別部会では、有識者が彩りとして添えられている感じ」「5人には、このままでは本当に彩りで終わってしまうという危機感があった」と意見書提出の経緯を語り、小坂井会員は、「有識者委員の意見は、われわれの意見とだいたい同旨」と賛同の意を寄せた。

また、法廷傍聴経験豊富な北尾トロ氏(ライター)は、「裁判官は調書が好き。調書を信じる方が楽だから」と、刑事裁判の現状に警鐘を鳴らした。


 

ハーグ条約研修会
より実践的な研修へ
4月4日弁護士会館

4月1日、国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約(ハーグ条約)が日本でも発効となり、条約加盟国間で子を連れ去った親(TP)と子を連れ去られた親(LBP)との間の法的紛争に関する国際協力の仕組みが明確になり、弁護士が関与する機運が高まった。発効を受け、日弁連では、中央当局(外務省)を通じて当事者から申込みがあったときの弁護士紹介サービスを開始したこともあり、実践面を重視した研修会を開催した。

 

モデルケースに即して

研修では、モデルケースに即し、受任時から家庭裁判所での返還手続までの各場面に応じて、TP側・LBP側それぞれの立場からの想定質問がなされ、説明や質疑応答が行われた。

例えば、日弁連では、中央当局を通じて当事者から弁護士紹介の申込みがあった場合、3人の弁護士を紹介することとなっているが、その後、当事者が3人の内から誰に委任するかは、当事者が紹介された弁護士と直接やりとりする中で決めることになる。

講師の大谷美紀子会員(東京)は「遠隔地の当事者からの問い合わせにはSkype等を利用するなどして、直接顔を見るコミュニケーションの方が話は早い。法律相談にあたる内容の場合は、費用がかかる旨を説明する必要がある」と具体的にアドバイスした。

 

返還事件は迅速な対応が必要

また、ハーグ案件に特有なのが、迅速な対応を求められることが多い点だ。特に、連れ去った側の親の代理人になった場合、答弁書の締め切りが間近に迫っている中での受任となることも珍しくない。

家庭裁判所における返還事件では、6週間で判断に至ることが期待されており、各期日の充実が解決の鍵となるため、事前準備が重要となる。

常居所地国で作成された資料の入手ルートは依頼人経由が主となるため、相談時点で関係する資料がないかの確認を十分行うことや、期日に臨む際も、即時に依頼人の意向確認等ができるよう、依頼人に電話がつながるよう留意しておいてもらうとよい等のアドバイスが講師からあった。会場では熱心にメモをとったり質問をしたりする姿がみられた。

 

JFBA PRESS -ジャフバプレス- Vol.88

刑事弁護フォーラム
全国3300人余の弁護士によるネットワークを紹介

 

裁判員裁判事件への対応、取調べの録音・録画の試行、法制審での議論を受けて予想される来年以降の法改正など、刑事弁護を取り巻く環境は大きく変化し続けています。今回は、そのような中、弁護士の刑事弁護技術を飛躍的に高めようと全国の刑事弁護に取り組む弁護士が参加する「刑事弁護フォーラム」を訪ね、代表世話人の前田裕司弁護士(東京)からお話を伺うとともに、同フォーラムの活動について取材しました。
(広報室嘱託 小口幸人)

 

前田裕司弁護士インタビュー

 

設立の経緯は
前田弁護士

設立は2005年7月で、翌年には被疑者国選弁護制度が始まるという状況でした。被疑者国選弁護人選任後、早期の接見を全国各地で実現するための制度として、ひまわり基金法律事務所が開設され、多くの若手弁護士が刑事弁護への取組を強めていたことや、裁判員裁判の導入を控え、刑事司法が大きく変わる時代背景のもとで、制度改革にしっかり対応できる若手弁護士を増やしたいという思いで全国各地の100余人の弁護士有志が集い、設立しました。

 

主な活動内容と会員の動向は

当初から若手の育成には力を入れています。被疑者・被告人の利益を追求できる若手をしっかり養成しようという目標の下、大阪の刑事弁護委員会の活動をモデルに、若手向けゼミの定期開催と、メーリングリストを導入しました。会員はその後も増え続け、現在では3313人(4月10日現在)になっています。現在も広く会員を募集していますので、興味のある方は刑事弁護フォーラムのホームページ(http://www.keibenforum.net/)をご覧ください。

 

量刑データベースを導入しているそうですね

争いのない事件では、被告人の関心事は量刑です。量刑感覚は、経験を積む中で身についていくものですから、若手にこれを求めるのは難しいところがあります。そこで、若手会員のニーズに的確に応えるために必要な材料をわれわれが提供しようと量刑データベースを作ることにしました。

 

今後の課題は

毎月、若手向けゼミを東京で開催しています。講師陣が充実していることもあって、毎回多くの若手が参加し、内容も素晴らしいものがあります。

この活動を、ぜひ全国に広げたいと思っています。既に、2009年に東京都多摩支部で、2010年に千葉で、2011年に大阪で、昨年は秋田で、今年は宮崎でゼミを開催し、京都でも開催予定があります。この活動を、もっと広げていきたいと思いますので、興味のある方は事務局(info@keibenforum.net)までご連絡ください。開催方法について協議・検討させていただきます。

 

日弁連や弁護士会に期待することは

個別の弁護活動の充実のために弁護士会の果たす役割は大きいものがありますが、フォーラムの主たる活動である研修(ゼミ)の開催も、各地の弁護士会、刑事弁護委員会に多大な協力をいただいており、今後もこのような関係を維持できればと思っています。当フォーラムとしても、各会で刑事弁護委員会が主催する研修等に、講師派遣等、何らかの協力をすることは可能ですので、ぜひ検討していただきたいと思います。いつでもどこへでも動くつもりです。

(インタビュー終わり)

 

会員専用ホームページ

 

【図1】と【図2】

刑事弁護フォーラムでは会員専用ホームページを開設しており(図1)、量刑データベースや書式集、過去の若手ゼミの資料や録音反訳がアップされている。フォーラムに入会すれば誰でも利用でき、量刑や書式を追加することもできる。

量刑は、2459件(4月7日現在)登録されており、罪名だけでなく、キーワードや減軽事由から検索することもできる。また、執行猶予と実刑の割合を、被害金額や傷害の程度毎にグラフ表示することも可能(図2)。

 

メーリングリスト

メーリングリストでは質問や意見交換が活発に行われており、毎月60から70件のメールが投稿されている。若手弁護士が経験豊かな弁護士の尊い実践を得られる貴重なツールとして活用されている。

 

若手ゼミ

毎月1回、東京でゼミを開催している。若手ゼミという名前だが、誰でも参加することができ、弁護活動の実践を共有する機会として人気を得ている。


 

日弁連委員会めぐり 64

刑事弁護研修等に関するワーキンググループ

刑事弁護に関し弁護士が行うべき活動が複雑・高度化し、制度上および運用上の変革が急激に進む今、日弁連・弁護士会が行う刑事弁護研修はどうあるべきか-。刑事弁護研修等に関するWGにお話を伺いました。

(広報室嘱託 白木麗弥)


横断的に研修を捉え直す
左から秋田事務局長、浦座長、山口副座長

「これまでの刑事関連研修は、各委員会がそれぞれにテーマを定めて行っており、必ずしも体系的ではなかった。また、弁護士会によって研修の人的物的資源も異なり、日弁連が総合的・体系的な検討を行うべきとの声が高まってきた」と浦功座長(大阪)はWG設立の趣旨を語る。

そこでWGでは、日弁連および弁護士会における刑事弁護研修の実態把握と問題点の検討に努め、少年付添、医療観察付添を含め刑事弁護に関する基礎研修を弁護士会が毎年行えるよう、モデル教材と講師マニュアルを作成した。また、日弁連の各委員会で区々に企画されていた上級者向け研修のメニューを整理し、弁護士会が講師派遣を要請しやすくする態勢を整えた。

昨年10月には「刑事弁護基礎研修講師養成会議」を開催してこれらの取組を発表するとともに、弁護士会における刑事弁護研修のあり方を議論した。秋田真志事務局長(大阪)は、「養成会議には、テレビ会議出席を含めて全弁護士会が出席した。継続開催を求める声も強い」と、大きな手応えを感じたという。

 

刑事弁護技術はすべての弁護士活動に通じる

今後の刑事弁護研修のあり方について、「被疑者国選が拡大し、取調べ録画試行の範囲が拡大する中、捜査段階から弁護人が迅速的確な弁護活動を行う必要性が高まっている。各会で研修を強化し、刑事弁護人の量的拡大と質的向上をはかることは喫緊の課題だ。いくつかの会で研修受講を当番弁護士や国選弁護人、裁判員裁判等の候補者名簿の登録要件にする動きが始まっている。今後も広がっていくだろう」と浦座長。

自分は刑事弁護をやらないから関係ないという会員もいるかもしれない。しかし、山口健一副座長(大阪)は、「刑事弁護は弁護士業務すべてに通じる技術」と語る。例えば、接見の技術。依頼者からの聴き取り、依頼者への説明の仕方、依頼者との距離の置き方、尋問技術もしかり。何を法廷に顕出すべきか、そのためにはどのような尋問をすればよいか…。確かに民事・刑事を問わず、どの手続にも共通し、弁護士には普遍的なスキルだ。

今年度は、刑事弁護の基礎に関するeラーニングの新作も予定されている。発展型研修メニューも一層充実し、各会で研修の機会が増えるだろう。普段の弁護技術をブラッシュアップするためにも、刑事弁護研修に参加してはどうだろうか。


ブックセンターベストセラー
(2014年1月・六法、手帳は除く)協力:弁護士会館ブックセンター

順位 書名 著者名・編者名 出版社名
1 破産・民事再生の実務[第3版]民事再生・個人再生編 東京地裁破産再生実務研究会 編著 きんざい
離婚調停・離婚訴訟[改訂版]リーガル・プログレッシブ・シリーズ7 秋武憲一・岡 健太郎 編著 青林書院
3 外国人事件ビギナーズ 大谷美紀子・山口元一・渡邉彰吾・指宿昭一+大阪恭子 著 現代人文社
弁護士・弁理士・司法書士の確定申告と税務[平成26年対応] 天賀谷茂・呉尚哲・熊澤直・名取勝也・吉川達夫 著者代表 レクシスネクシス・ジャパン
5 要件事実マニュアル 第2巻[第4版]―民法2 岡口基一 著 ぎょうせい
6 新版 注釈民法(27) 相続(2) §§896~959[補訂版] 谷口知平・久貴忠彦 編 有斐閣
7 弁護士の業務に役立つ相続税 遠藤常二郎 編著 三協法規出版
8 Q&A 名誉毀損の法律実務 ―実社会とインターネット 岡村久道・坂本 団 編 民事法研究会
9 新版 家庭裁判所における 遺産分割・遺留分の実務 片岡 武/菅野眞一 編著 日本加除出版
10 季刊 刑事弁護 No.77 特集 弁論は自由に
現代人文社

編集後記

1面に掲載した袴田事件報告集会では、袴田さんご本人が出席されるとのことで、広報室、広報課総出で集会運営の補助にあたりました。闘ってきた弁護団の言葉とともに、ご本人、ご家族が積み重ねた月日を何よりも重みのあるものとして真摯に受け止めていきたいと切に願います。
最近、再審をめぐるニュースが世の中を賑わせていますが、これを一過性の話題で終わらせてしまうのではなく、現在の刑事司法に根強く残る問題を抜本的に解決するよう、世論形成につなげなければなりません。
法制審議会新時代の刑事司法制度特別部会での取りまとめが進められようとする中、袴田さんの永年の辛い経験が、せめて、えん罪が二度と起きない未来につながるものであってほしい、と独房から解放された袴田さんの姿にシャッターを切りながら考えていました。(R・S)