青森刑務所における男性受刑者の丸刈り強制に関する人権救済申立事件(勧告)

法務大臣・青森刑務所宛て勧告

2022年1月21日



申立人は青森刑務所に収容中、明確に調髪を拒否しているにもかかわらず、職員6名から制止され、髪を短く刈り上げられた。本件は、丸刈りを強制した点において、髪型の自由及び自己の意思に反して身体の一部である頭髪の処分を強制されない自由を不当に制限しており、また、強制的な調髪に法律の根拠がないにもかかわらず受刑者の意思に反して有形力を行使して調髪を実施した点において、法の定める義務を実現する手続を採ることなく権利を制限していることから以下のとおり勧告をした事例。


1 法務大臣に対する勧告の措置
全ての受刑者について、①丸刈りを直接にも間接にも強制しないこと、及び②受刑者の意思に反して有形力を行使して調髪を実施しないことを勧告する。また、通知などの方法により、全ての受刑者について、①丸刈りを直接にも間接にも強制しないこと、及び②受刑者の意思に反して有形力を行使して調髪を実施しないことを刑事収容施設において周知徹底するように勧告する。


2 青森刑務所に対する勧告の措置
受刑者の髪型について、①丸刈りを直接にも間接にも強制しないこと、及び②受刑者の意思に反して有形力を行使して調髪を実施しないことを勧告する。


措置後照会に対する回答

<法務省矯正局成人矯正課長名回答・2022年8月3日>
照会について
標記(2022年(令和4年)7月21日付け日弁連人1第471号)について、下記のとおり回答します。


被収容者の調髪は、各刑事施設において、法令に基づき適正に実施されているものと承知していることから、特段の対処はしていない。