紛争解決センターQ&A

Q1. ADRを申し立てるには、弁護士会の紛争解決センターを利用することについて、あらかじめ相手方と合意していなければならないのですか。

A. 申立て前に合意をしておく必要はありません。弁護士会の紛争解決センターがこれまで取り扱ったケースの中でも、申立ての前から弁護士会の紛争解決センターを利用することについて合意のあったケースはほとんどありません。

紛争を解決しようとする意思が相手方にあれば、相手方は紛争解決センターに来所します。仲裁を行うには仲裁の合意をすることが必要ですが、手続がはじまってから仲裁合意書が作成されることもしばしばあります。


Q2. 私の住んでいる県には紛争解決センターがありません。どうしたらいいでしょうか。

A. ADRには、裁判と違って管轄がありませんので、利用しやすい最寄りの紛争解決センターに申し立てて下さい。


Q3. ADRの期日の案内が来ました。話し合いの席についてこちらの言い分を訴えたいと思いますが、病気入院中で出られません。どうしたらいいでしょうか。

A. まずは、紛争解決センターにお電話をいただき、事情をご説明ください。また、地方裁判所以上の裁判の場合には、代理人は弁護士でなければならないことになっていますが、紛争解決センターでは、一定の範囲で弁護士以外の者が代理人として手続を進めることができる場合があります。
具体的には、当事者の親族、会社の場合は取締役や、部長は代理人として認められることが多いと思われます(代理人として認められるかどうかにつきましては、事前に各紛争解決センターにお問い合わせください)。


Q4. 仲裁人や事件を担当する仲裁人候補者を選ぶことができますか。

A. 仲裁が裁判や調停と違うところは、仲裁人を選ぶことができることにあります。裁判は手続に対する信頼、仲裁は人に対する信頼と言われる由縁です。


1人の仲裁人や仲裁人候補者が審理を担当する場合でも、双方の希望が一致すれば、仲裁人候補者のリストのなかから、仲裁人を指名することができます。

 

3人の仲裁人や仲裁人候補者が合議で担当する場合は、それぞれ1人の仲裁人・仲裁人候補者を指名して、残る1人は紛争解決センターが指名します。多くの合議事件では、当事者の希望を聞き、当事者双方にそれぞれ1名づつ仲裁人・仲裁人候補者を指名してもらうようにしています。


Q5. 仲裁人・仲裁人候補者にはどんな人がなりますか。

A. 仲裁人・事件を担当する仲裁人候補者は、仲裁人候補者名簿から当事者または紛争解決センターが選任します。仲裁人候補者名簿の搭載要件は各紛争解決センターによって異なりますが、経験豊富な弁護士、元裁判官、学識経験の豊かな人にお願いしています。

 また、主に若手の弁護士が新鮮な感覚をもって事実関係の調査や新しい判例の調査などを行い仲裁人を補助する「仲裁人補助者」や、カウンセラー、建築士など法律以外のいろいろな分野の専門家で仲裁人にその分野の専門的知識をもって助言し、解決を援助する「仲裁人助言者」もいます。(補助者、助言者と同じ役割をする人を、すべて「仲裁人」に含めているセンターもあります)。


Q6. 費用はどうなっていますか。

A. 多くの紛争解決センターでは、利用手数料として、申立手数料、期日手数料および成立手数料を納めていただいていますが、申立手数料のみの所もあります。詳細は、各紛争解決センターにお問い合わせ下さい。


Q7. 紛争解決センターに申し立てられる事件の傾向は、どのようになっていますか。

A. 2009年度に全国の紛争解決センターに申し立てられた事件の合計は、1079件になりますが、契約をめぐる事件が389件、不法行為をめぐる事件が405件、家族間の紛争が85件、職場の紛争が70件となっています。
より詳しくは→仲裁統計年報を御覧下さい。


Q8. ADRを申し立ててから解決するまでの期間は、どのくらいかかりますか。また、審理回数はどうですか。

A. 2009年度の全国の紛争解決センターにおける審理期間の平均日数は88.5日、審理回数は2.7回となっています。
 より詳しくは→仲裁統計年報を御覧下さい。

 

Q9. 相手方が手続に応じてくれるケースはどのくらいの割合ですか。また、相手方が手続に応じた場合の解決率はどのくらいですか。

A. 2009年度の全国の紛争解決センターにおける相手方が話し合いの席についた割合(応諾率)は、約70.8%になっています。また、相手方が手続に応じて話し合いが始まったケースの解決率(応諾事件対比解決率)は、約56.5%となっています。


Q10. 相手方が話し合いの席についた場合、手続はどのように進められるのですか。裁判と同じようになるのですか。

A. 紛争解決センターの手続は、弁護士が代理人としてつかない場合でも、当事者本人だけで進められるようになっています。裁判の場合、一定の様式にしたがった書面を提出することが中心になりますが、紛争解決センターでは、申立書の書き方も簡単ですし、期日はほとんど口頭のやり取りで行われます。仲裁人・担当の仲裁人候補者が当事者間の交渉の間に入って、交通整理しながら手続が進められるとイメージしていただければいいと思います。

 

Q11. ちょっとしたことが原因で友人とけんかをして怪我をさせてしまいました。友人に謝罪し治療費などを支払いたいのですが、いくら払ったらいいのか分かりません。このようなケースでも受け付けてくれますか。

A. 紛争解決センターでは、ご質問のような加害者側からの申立てや、債務者から分割払いを求める申立ても、かなりの件数があります。また、自分が支払う損害賠償の金額が分からないときは、額をはっきりさせずに「妥当な損害額を決めてほしい」という趣旨の申立てをすればよいことになっています。