根室ひまわり基金法律事務所(北海道)

所在地 〒087-0051北海道根室市緑町2丁目28番地 日専連ビル3階
TEL 0153-29-2661
FAX 0153-29-2662
事務所外観

 

開設

2003年3月

 

所長

  • 初代所長
    柴田岳彦 2003年3月~2005年2月
  • 2代目所長
    岩田明子 2005年3月~2007年2月
  • 3代目所長
    米村哲生 2007年4月~2010年3月
  • 4代目所長
    佐々木誠 2010年4月~ 2013年3月
  • 5代目所長
    本井孝史 2013年4月~ 2016年3月
  • 6代目所長
    木名瀬広暁 2016年4月~

人口

釧路地方裁判所根室支部内人口…80,569人(2010年10月末現在)

 

交通

本庁所在地(釧路市)より

  • 自動車…約2時間(124km)
  • 汽車…約2時間20分(根室本線根室駅 8本/日、鈍行1両編成)
  • 飛行機…中標津空港~東京 1往復/日(空港まで1時間半)
  • 釧路空港~東京 5往復/日(空港まで2時間半)

米村弁護士から事務所の紹介

金刀比羅神社例大祭

金刀比羅神社例大祭


ノツカマップ岬のチャシ(砦跡)と柱状節理

ノツカマップ岬のチャシ(砦跡)と柱状節理


納沙布岬(希望の塔)

夏の納沙布岬


1 根室市について

根室市は、北海道本島の東端に位置し、根室半島と歯舞諸島を市域とする人口約3万人の街です。歯舞諸島は、いわゆる北方領土であり、ロシア共和国の不法な実効支配下にあります。


気候は寒冷であり、暖かくなるころから発生する海霧が日照を不足させ、夏でも25度を超えることがほとんどありません。


根室の気候を特徴づけるこの海霧の発生の原因となるのは、北方から流れる親潮(寒流)です。親潮は、大変栄養に富んだ海流であり、その流れる海域では豊かな漁場が形成されています。根室は、この海の豊富な水産資源を背景に水産の町として発展しました。


根室半島には、根室港をはじめ、花咲、落石、友知(ともしり)、歯舞、温根元等、漁港がいくつも点在し、鮭鱒、秋刀魚、鱈、昆布、帆立、牡蠣、蟹等さまざまな水産物が水揚げされています。そうした水産物を加工する水産加工場も市内のあちこちに見ることができます。


また、市周辺には、湿地や湖沼が点在し、水鳥の宝庫です。手つかずの自然も多く残っており、車を走らせれば、いたるところにタンチョウやエゾジカ、キタキツネの姿を見ることができます。そもそも野生のタンチョウを見る機会など、そう滅多にあるものではありませんが、このあたりの住民に限っては、例外です。


「根室には何にもないからねー」という地元の方も、そうは言いながら、美しい自然と豊かな海産物に恵まれた根室の風土を誇りに思っているようです。


2 根室の裁判事情

この根室市内には、釧路地方・家庭裁判所根室支部、根室簡易裁判所があります。ただ、裁判官は常駐せず、おおむね週2日程度の開廷日に釧路市にある釧路地方裁判所の本庁から裁判官がやってきます。


また、刑事事件は、身柄拘束を伴う場合には本庁で審理されることになっており、根室支部での刑事事件(「わ」号事件)の件数は多くありません(夏を過ぎるころにやっと第3号事件がやってくるくらいです)。


釧路地方裁判所根室支部は、根室市のほか、別海町、中標津町、標津町、羅臼町の一市4町を管轄します。このうち標津町には、釧路家庭裁判所出張所及び標津簡易裁判所がおかれています。


この地域で、最も問題なのは、やはり距離の問題です。釧路地方裁判所の管轄する地域は、四国4県と同じくらいの広さです。そのうち根室支部だけでも約3500平方キロメートルほどの面積があります。この地域の弁護士は、これだけの広大な面積の中を移動しなければなりません。


さて、裁判員裁判がいよいよ始まりますが、この地域の裁判員裁判は、いまのところ釧路本庁においてのみ行われる予定です。しかし、そうすると裁判員は釧路地裁が管轄する地域全域から選ばれることになり、釧路本庁において事件を評議することになります。つまり裁判員は、網走や羅臼、根室から、遠路はるばる3時間も4時間もかけて釧路へやってこなければなりません。釧路弁護士会も意見を述べているところですが、これは裁判員にとって大変な負担なのではないでしょうか。


3 弁護士業務
市内のロシア語看板

市内のロシア語看板


花咲港の海霧

花咲港の海霧


取扱事件は、債務整理事件が多く、そのほか、不動産、家事等の相談が続きます。公設事務所ができれば、まず主要な業務は債務整理になりますが、根室でもそれは同じです。


借金のきっかけは、人それぞれですが、漁師さんの場合は、その収入の不安定さにあるようです。たとえば、春から北洋でのサケマス漁が始まり、夏にはサンマ漁に出るが、秋冬のタラ漁が終わると1月から4月の間は収入がない、という話をよく聞きます。収入がない間は、年末に支給される一時金や出稼ぎで生活するほかありません。不景気でそうしたことができなければ、借り入れで何とかやり過ごすしかないということになります。そうして借金ができても、根室の女性が頑張り屋で、たくましく家計を支えているところも、多重債務に陥るまで問題が解消されない一つの原因かもしれません。


北洋漁業の話、ロシアとの交易の話、北方領土の話、牧場経営の話など、東京では聞けないいろいろな話を相談者、依頼者から聞くことができるのも、この地方ならではでしょう。


勉強不足を感じる毎日ですが、釧路弁護士会や市役所の方々、また出身母体の第二東京弁護士会の方々の協力を得ながら、大変充実した日々を過ごしていると感じています。


4 根室での生活

私は、妻子を伴って、根室に赴任してきました。最初は不安もありましたが、杞憂であったようです。


根室市中心部には、商業施設が集積しており、必要なものは市内でたいてい手に入ります。物価も安く(皆さんそれでも「高い」といいますが)、スーパーの品ぞろえも東京とそれほど変わらないように思います。ですから、生活に不便をすることはあまりありません。


魚が安くておいしいので、どうしても魚料理が中心になります。おそらく、これだけ魚を食す生活は、もう来ないのではないでしょうか。


また、自動車でいろいろなところへ出かけます。休みの日は、家族でドライブに出ることも多いです。


根室には、納沙布岬のような観光地ばかりでなく、あまり知られていない美しい(ひょっとしたら地元の方も知らないような)場所がいくつもあります。もし、根室に来られることがあったら、そうした場所をいくつかこっそりとお教えしましょう。


5 最後に

根室ひまわり基金法律事務所は、故柴田岳彦弁護士、岩田明子弁護士に続き、私で3代目となります。根室市民にも、ひまわり基金の存在は、ある程度定着したかのように思います。そして、2006年7月、根室支部管内に、もう一つの公設事務所として、中標津ひまわり基金法律事務所が開設されました。これで、この地域に弁護士が2人いるという体制ができたことになります。


とはいえ、この地域における司法過疎の取り組みは、始まったばかりです。司法制度がより人々の身近にあるように、近くに弁護士がいないために救われない人々が少しでも少なくなるように、私たちの仲間になってくれる弁護士が1人でも増えればと思っています。