裁判の充実・迅速化

「裁判の迅速化に関する法律」(裁判迅速化法)は、2003年7月9日に成立、同年7月16日に公布・施行されました。

 

裁判迅速化法では、「第一審を2年以内のできるだけ短い期間内に終わらせる」ことが目標として掲げられ、迅速化は、充実した手続の実施とこれを支える制度・体制の整備により行われるものとされました。

 

そして、国、日弁連、裁判所、当事者等迅速化の担い手の責務を定めるとともに、最高裁判所に対して、迅速化の状況につき検証してその結果を2年毎に公表することを義務づけています。

 

もちろん、迅速な裁判を受けることは国民の権利です。日弁連では、かねてから、この点について努力を重ねてきており、今日では1審においては民事裁判では96.7%が、刑事裁判では99.9%が2年以内に終了しています。

 

他方、充実した審理は、裁判の生命であり、「拙速な審理」になれば国民の裁判を受ける権利を著しく損なうことになります。

 

日弁連は、本法の立法にあたり、裁判の「適正・充実」と「迅速」が同時に実現されるべきものであり、民事裁判においては国民の権利・利益が充実した審理により適正・迅速に実現され、刑事裁判においては被告人の権利が保障され、かつ、適正で充実した審理を通じて迅速に事案の真相が解明されることが、最も重要であると主張してきました。その結果、本法は衆議院の段階で修正され、「公正かつ適正で充実した手続の下で裁判が迅速に行われることが不可欠である」とされたうえで、「裁判の迅速化は、充実した手続を実施すること並びにこれを支える制度及び体制の整備を図ることにより行われるものとする」と定められ、司法制度改革のための基盤整備法として位置づけられました。

 

裁判迅速化法は、「訴訟手続その他の裁判所における手続の整備」や「裁判所及び検察庁の人的体制の充実」を裁判の迅速化が行われるための前提として挙げていますので、裁判所、検察庁の人的・物的体制の拡充が必要です。また、民事裁判にあっては証拠収集方法の拡充、刑事裁判にあっては、参議院の附帯決議にあるとおり、捜査過程の可視化(録画・録音)などの制度改革が図られるべきです。

 

日本弁護士連合会は、裁判迅速化法の施行及び最高裁の検証にあたり、同法の趣旨を実現するため、「裁判迅速化法問題対策委員会」を設置し、これらの課題への取り組みなどを積極的に行っています。