裁判官制度改革

市民が求める裁判官、裁判所へ
裁判官の選任に市民の意思の反映を
-下級裁判所裁判官指名諮問委員会が実質的審査

1 裁判官の選任に市民の声が反映されるように

裁判官の選考に国民の意思が反映されるようにするため、市民も参加した「下級裁判所裁判官指名諮問委員会」が2003年から設置されました。法曹以外の委員が過半数の構成となっています。

 

すべての新任・再任候補者について、この委員会が裁判所内部や弁護士など外部からの情報を収集し、適否の答申を行います。その答申結果を、最高裁はこれまで尊重しています。

 

候補者の状況がよく分かるように、地方ブロックごとに地域委員会が設けられています。弁護士は、裁判所の一番の利用者として多くの情報を、地域委員会に寄せることが求められています。

 

2 裁判官の人事評価の透明化

裁判官に対する人事評価はブラックボックスになっていましたが、この人事評価を透明化・客観化する「裁判官の人事評価に関する規則」が、2004年度から実施されています。評価の仕組みを明らかにしており、裁判官本人が職務の状況に関する書面を提出したうえで面談することになっています。評価書の開示請求もでき、不服申立制度も設けています。裁判官自身が積極的に活用することが望まれます。

 

裁判所内部情報だけでなく外部情報についても配慮することになっていますので、弁護士が裁判官に関する情報を多数提供することが重要です。

 

3 裁判所の運営も市民の声を参考に

裁判所の運営に市民の声を反映するために、2003年夏から各地方裁判所に地裁委員会が設置され、家裁委員会も実質的議論ができるように改組されました。形骸化しないよう各種の措置がとられており、委員会の意見への対応結果も報告することになっています。

 

場所によって差異はありますが、市民委員からの活発な意見が出されています。委員会がより充実したものになっていき、その意見を踏まえて市民が求める裁判所に近づいていくことを期待します。

 

4 できるだけ多くの判事補に当事者と接する経験を

「弁護士職務経験に関する法律」が制定され、2005年度より判事補・検事がその身分を離れ、2年間弁護士職務経験する制度が始まっています。できるだけ多くの判事補が、代理人・弁護人として直接当事者と接する経験を持ち、その経験を以後の裁判に活かすことが裁判官改革につながっていくのです。

 

5 地域の特性に合った司法制度をつくる

司法は地域に根付いた、利用しやすいものになっていかねばなりません。現在の人的・物的設備の部分的改善だけでは限界もあります。地域にとって求められる司法像とは何かを、各地から提示していくことが重要です。裁判所のことだけではなく、弁護士のあり方も含めて考えていく必要があるのです。

 

2006年度から各地に日本司法支援センターが設立されました。どのような地域の司法を作っていくかが、今問われているのです。