弁護士任官の促進

弁護士経験を積んだ人が裁判官になることを「弁護士任官」と呼んでいます。

 

現在の日本の裁判官は、司法試験合格後、司法研修所で司法修習という一定の研修を受けた後、直ちに「判事補」という身分で裁判官に任官し、そしてそのほとんどが10年後にそのまま「判事」になっていきます。

 

これに対し、弁護士会は、裁判官を経験のある弁護士から任用する方式(いわゆる「法曹一元」)が望ましいと考え、戦前から現在まで、「法曹一元」実現運動を続けてきましたが、他方、1991年から弁護士会が関与した弁護士任官制度も発足させ努力してきました。

 

そして、2001年6月の司法制度改革審議会意見書は、裁判官制度改革の重要な柱として、「判事となる者一人ひとりが、それぞれ法律家として多様で豊かな知識、経験を備えること」が重要であるとして、「判事の給源の多様化、多元化」を掲げ、弁護士任官の強力な推進と、判事補が一定の期間、その身分を離れて弁護士など他の法律専門職経験を積む制度(ここでは「他職経験」といいます)の導入を提言しました。

 

日弁連では、この提言を実質化するため、最高裁判所と協議しながら、新しい弁護士任官制度が、2001年12月7日の「弁護士任官等に関する協議の取りまとめ」により開始され、さらに、調停制度の充実、弁護士任官の促進を目的とした、非常勤形態の民事調停官・家事調停官(ここでは「非常勤裁判官」といいます)への任官制度が、2002年8月23日の「非常勤裁判官制度の創設について」により合意され、2003年7月25日の民事調停法、家事審判法の改正により創設されました。

 

2002年11月15日には、弁護士任官制度、他職経験制度を中心テーマとして、第19回司法シンポジウムを開催し、その成果をふまえて、日弁連は、2003年1月に「弁護士任官等推進センター」を発足させました。

 

その後、2004年6月18日に「判事補及び検事の弁護士職務経験に関する法律」が成立し、他職経験制度ができました。運用については、2004年6月23日に最高裁判所との間で「判事補の弁護士職務経験制度に関する取りまとめ」が、法務省との間で「検事の弁護士職務経験制度の運用に関する取りまとめ」が締結されています。

 

司法制度改革審議会意見書で提言されたこれらの制度が開始されていく中で、いかに本来の趣旨に沿う運用ができるかについて、2005年6月24日に開催された第21回司法シンポジウムにおいてテーマの一つとして議論されました。

 

日弁連は、今後も引き続き弁護士任官等推進センターを中心として、さらに推進活動を活発化していきます。