刑事司法制度の改革

「刑事訴訟法等の一部を改正する法律」が2004年5月21日に成立し,同月28日に公布されました。これにより、(別項の公的弁護制度とともに)刑事裁判の充実・迅速化を図るための制度改革、裁判員制度導入のための制度整備もなされました。

 

具体的にたとえば以下のような制度改革がなされました。

 

  1. 連日的開廷の原則の法定化
  2. 証拠開示の拡充
  3. 第1回公判期日前に争点及び証拠の整理を充分に行うことができるようにするための公判前整理手続の創設
  4. 争いのない簡易明白な事件につき,簡易・迅速に裁判を行う即決裁判手続の創設
  5. 直接主義・口頭主義の実質化

など

 

このうち、たとえば証拠開示の拡充や、直接主義・口頭主義の実質化は、日弁連が従来より強く主張してきたものの長年にわたって進展が見られなかった課題ですが、裁判員制度の導入によって、市民が実質的に関与することや集中して審理を行うことが要請されたことから、改革が実現したものです。

 

もっとも,これらの制度改革の中で,被疑者・被告人の権利が害されることの無いようにすることが極めて重要であり,特に裁判員制度のもとでの刑事手続には,(1)取調べ状況の録画・録音制度(可視化),(2)連日的開廷を実現するための接見交通の確保などが不可欠です。

 

とりわけ,「人質司法」「調書裁判」と言われているような,被疑者を代用監獄に拘禁して自白を強要し,捜査官の作成した供述調書をもとに進められるような刑事裁判は改革が必要です。

 

日本弁護士連合会は,今後もこれらの課題に全力で取り組んでいきます。