司法にアクセスしやすくするための改革

司法制度改革審議会意見書は、司法へのアクセスの容易化を、国民の司法制度への期待の前提とし、裁判所へのアクセスを司法アクセスの中核に位置づけました。

 

司法制度改革推進本部に設置された司法アクセス検討会は、(1)提訴手数料、(2)訴訟費用額確定手続、(3)弁護士報酬の敗訴者負担の取扱い、(4)民事法律扶助の拡充、(5)簡易裁判所の管轄拡大を主な検討事項としました。

 

提訴手数料

裁判所へのアクセスを拡充する観点から、利用者の費用負担の軽減が図られ、2004年4月に提訴手数料が引き下げられました。

 

訴訟費用額の確定手続

審議会意見書は、民事訴訟費用を敗訴した者が負担する原則が形骸化していたのを実質化するために、訴訟費用額を確定させる手続を簡素化することを求めました。民事訴訟費用等に関する法律が一部改正されました(2004年1月1日施行)。

 

弁護士報酬の敗訴者負担の取扱い

審議会意見書は、一定の要件の下に弁護士報酬の一部を訴訟に必要な費用と認めて敗訴者に負担させることができる制度を導入すべきであるとし、併せて、その制度設計に当たっては、訴えの提起を不当に萎縮させないように配慮を求めました。

 

司法制度改革推進本部司法アクセス検討会の議論を経て、内閣は、2004年3月2日に「民事訴訟費用等に関する法律の一部を改正する法律案」(いわゆる「合意による弁護士報酬敗訴者負担制度」の導入を内容とするもの)を衆議院に提出しました。

 

しかし、国民各層の強い反対により、法案は、一度も実質審議されることなく、同年12月3日に審査未了で廃案となりました。

 

民事法律扶助の拡充

審議会意見書は、民事法律扶助の拡充に関し、「一層充実すべき」と結論しました。その後、2006年4月に日本司法支援センター(法テラス)が設立され、同年10月に業務を開始しました。民事法律扶助に充てられる事業費は、2009年には約164億円となりました。

 

簡易裁判所の管轄拡大

簡易裁判所の機能充実方策の1つとして、簡易裁判所の管轄拡大、少額訴訟手続の上限の引き上げが検討されました。ただし、日弁連は、簡易裁判所の管轄の上限の大幅な引き上げは、簡易裁判所が設けられた趣旨にそぐわないものとして反対しました。

 

その結果、2004年4月1日より、簡易裁判所の管轄は上限90万円から140万円に引き上げられ、少額訴訟手続の上限は30万円から60万円に引き上げられました。