IBAコラム


IBAコラムは、日弁連機関雑誌「自由と正義」の『海外レポート』内に、2013年8月号から2014年10月号にかけて「IBA東京大会への招待」というタイトルで毎月掲載していたコラムです。マスター、若手の視点から、IBAについて紹介しています。

 

back number 内容 紹介者
2014年10月号掲載(15) マスター編 arrow_orange.png第二東京弁護士会会員 東澤 靖
2014年9月号掲載(14) 若手編 arrow_orange.png 第二東京弁護士会会員 梅津 英明
2014年8月号掲載(13) マスター編 arrow_orange.png栃木県弁護士会会員 高木 光春
2014年7月号掲載(12) 若手編 arrow_orange.png静岡県弁護士会会員 鳥居 夏貴
2014年6月号掲載(11) マスター編 arrow_orange.png第二東京弁護士会会員 内田 晴康
2014年5月号掲載(10) 若手編 arrow_orange.png第二東京弁護士会会員 大軒 敬子
2014年4月号掲載(9) マスター編 arrow_orange.png第一東京弁護士会会員 手塚 裕之
2014年3月号掲載(8) 若手編 arrow_orange.png東京弁護士会会員 平澤 真
2014年2月号掲載(7) マスター編 arrow_orange.png東京弁護士会会員 矢吹 公敏
2014年1月号掲載(6) 若手編 arrow_orange.png東京弁護士会会員 本多 広高
2013年12月号掲載(5) マスター編 arrow_orange.png第二東京弁護士会会員 市毛 由美子
2013年11月号掲載(4) 若手編 arrow_orange.png 東京弁護士会会員 樋口 一磨
2013年10月号掲載(3) マスター編 arrow_orange.png 東京弁護士会会員 大谷 美紀子
2013年9月号掲載(2) 若手編 arrow_orange.png 静岡県弁護士会会員 内山 宙
2013年8月号掲載(1) マスター編 arrow_orange.png 第二東京弁護士会会員 川村 明

 

IBA東京大会への招待15(マスター編・最終回)第二東京弁護士会会員 東澤 靖

IBA TOKYOの様子

IBAが毎年開く年次大会を、東京で開催するからどうだというのか? 日本の弁護士には、何の関わりもない。IBAは、日本の弁護士をスルーして勝手に大会を開いていくことができる。日本の弁護士にできることなどない。確かにそうする選択肢もあった。
しかし、国際舞台での存在感が重要だと信じ、何よりも新しい時代を生き抜いていかなければならない若手弁護士の考えは違っていた。東京大会を自分たちのための大会にできないか。日本の弁護士が関心を持ち、日本の弁護士が分科会を、議論をリードできる大会にすることはできないか。IBA東京大会PTは そうした思いが集まる場となった。副座長として、かなりのことが実現できたと自負している。
10月の東京大会は、日本の弁護士にとって新しい時代の出発点となるはずだ。

(「自由と正義」2014年10月号掲載)

 

 

IBA東京大会への招待14(若手編)第二東京弁護士会会員 梅津 英明

様子

IBAの醍醐味の一つはネットワーキングです。世界中の弁護士と時間を共にし、若手のうちから交流を深めることはIBAでしかできないといっても過言ではありません。
自分でこれだけの国を回ろうとしても到底無理です。私もIBAで知り合った弁護士と共に日本の依頼者の案件を協働しています。
今年は我々がホスト国です。日弁連はこれまでにも年次大会に合わせてJapan Nightと称する交流会を開催してきましたが、今年は弁護士会館の一部を開放して「JFBA Reception」を大規模に開催します(10月20日(月)18時~)。阿波踊り等も披露して盛り上げる予定です。このレセプションは日弁連の会員は皆様参加できますので(無料)、是非ご参加ください。

(「自由と正義」2014年9月号掲載)

 

IBA東京大会への招待13(マスター編)栃木県弁護士会会員 高木 光春

今年のIBA年次総会は10月19日から24日まで東京で開かれる。世界中から想定5000人以上の弁護士が集い、人権問題、原発問題、アジア特有の問題、弁護士のヘルスケアその他興味深いテーマを議論する。しかし、今のところ、渉外事件や外国法を扱う会員を除く会員、とりわけ地方弁護士会の会員の関心は 低いようである。もったいない話である。会議の共通言語は英語だが、ここは奮起して、世界に冠たる「弁護士自治」を有する日弁連の会員として、若干の予習をして世界最先端の議論と様々な国や地域の弁護士との交流を楽しんでみてはいかがだろうか。幸い、今大会では気候変動(温室効果ガス)、ハーグ条約、アジアでの企業の社会的責任、法の支配をはじめ主要なテーマには同時通訳が入る予定である。また、ベテランの会員向けには「60の手習い」という分科会も用意されている。意欲次第では少々高めの参加費の負担を補って余りある収穫を得ることができるのではなかろうか。

(「自由と正義」2014年8月号掲載)

 

IBA東京大会への招待12(若手編)静岡県弁護士会会員 鳥居 夏貴

"What do you practice? (どんな業務をしていますか? 専門は何ですか?)"。このフレーズは、IBAの期間中に数え切れないほど耳にします。IBAでは日中のセッション以外にも海外の弁護士と交流する機会が多くあり、話のきっかけを作るため、もしくは自己紹介の一環として、冒頭のフレーズが使われます。 この一言さえあれば、初対面の外国人弁護士ともある程度会話が弾みます。
また、私は弁護士1年目にしてIBAに参加する機会をいただきましたが、経験が浅いことを逆手にとり、" I'm interested in ~"とアピールして興味のある分野について教えてもらうことができました。
IBAでの使用言語は英語ですが、実は簡単な英会話でなんとかなるものです。語学力に不安がある方でも、IBAに興味があるならば、ぜひ参加してみてください。

(「自由と正義」2014年7月号掲載)

 

IBA東京大会への招待11(マスター編)第二東京弁護士会会員 内田 晴康

Japan Nightの様子

国際的業務を行うには、ビジネス法務、人権・公益活動を問わずその分野を専門とする弁護士の国際的ネットワークが必須です。個人でネットワークを構築しようとすると、世界各国を歴訪して何年もかけて人脈を築く大変な努力を要します。ところが、IBA大会に参加すればわずか数日間で目的が達成できます。 しかも今年は日本で。
なすべきことは、まず東京大会に登録すること、関心のある分野のセッションに参加しリーダーの弁護士に挨拶すること、今後の活動をコミットすること、加えて夕方のレセプションをはしごして会話を交わすこと。これで最新の情報、貴重な人脈という武器を獲得し、活動範囲を世界に広げられます。夢の実現のために東京大会に是非参加を。

(「自由と正義」2014年6月号掲載)

 

IBA東京大会への招待10(若手編)第二東京弁護士会会員 大軒 敬子

私が初めて「国際会議」に出席したのは、2012年にダブリンで行われたIBA年次総会であり、2013年のボストン年次総会にも出席しました。初めてのIBA年次総会の感想は、何より人の多さ(約6000人とのこと)、またセッションの多様性です。私は、日常業務の関係から国際会議でも独禁法のセッションを選んでいますが、同じ時間帯に独禁法関連の複数のセッションが行われており、なかなか出席するセッションを絞り切れません。先輩弁護士から、必ずしも1つの時間帯に特定のセッションの最初から最後までいる必要はなく、いろいろなセッションに少しずつ顔を出してもよいと勧められました。そこで、大学時代に商法の授業をとった小塚荘一郎教授がパネリストをされていた「宇宙法」の セッション(独禁法とは全く関係ありません)にも参加してみました。

(「自由と正義」2014年5月号掲載)

 

IBA東京大会への招待9(マスター編)第一東京弁護士会会員 手塚 裕之

拡大するIBAの中でも、私が所属する仲裁委員会は最大規模の委員会です。その幹部たちはいわゆる仲裁「マフィア」と呼ばれる世界的に著名な仲裁専門家ですが、その語感とは異なり、皆さん文化的紳士淑女で、仲裁の普及・発展と仲裁における国籍、人種、年齢、性別等のdiversityの実現に向けて日々世界各地で活動しておられます。IBA東京大会は、そのような仲裁弁護士が世界中から集まり、仲裁代理人の行動規範や仲裁における証拠ルール、投資協定仲裁など、日本でも今後注目を集めることが確実な最新のトピックについて、詳しく話を聞ける絶好の機会です。是非多数の日弁連会員がセッションや委員会ディナー等に参加されることを願っております。

(「自由と正義」2014年4月号掲載)

 

IBA東京大会への招待8(若手編)東京弁護士会会員 平澤 真

ドバイ風景

私は、過去5年間で、年次大会を含め、IBAの国際会議に7回参加しており、3年前からは、若手弁護士委員会でオフィサー(役員)を務めています。
IBAに参加し、一番良かったことは、多くの国や地域に信頼できる弁護士の友人、特に同世代の友人ができたことです。仕事を離れて、友人としての付き合いもできますし、仕事上で海外の法律に関わる問題に直面したときには、気軽に問い合わせたり、業務の一部を任せたりすることができます。近年は、海外の友人から、業務の依頼を受けることも増えてきました。
今年の年次大会は、東京で開催です。渡航費用はかからず、時差もありません。まだ参加されたことがない方には、IBAの良さを肌で感じるまたとない機会になると思います。

(「自由と正義」2014年3月号掲載)

 

IBA東京大会への招待7(マスター編)東京弁護士会会員 矢吹 公敏

IBAとはなんだろう。IBAに参加して10年以上たつが、IBAに参加している人たちは様々な目的で参加していることが分かる。最初は、専門分野の弁護士間の情報交流。ビジネス分野でも公益活動分野でもIBAにはその道のエキスパートが継続して参加している。IBAの専門委員会で知られるようになれば、その分野で国際的な仕事をしやすくなる。次に、国際交流と社交。各国から様々な弁護士が参加し、また開催地では観光を含めて様々なイベントが開催される。家族も連れての年に一度の楽しみである。最後に、IBAで執行部を目指す方々。各委員会、セクションなどの執行部で徐々に階段を登り執行部で活躍する。世界最大の弁護士団体の運営をしていくことも使命感と楽しみにあふれている。それ以外にもありそうだが、おおむね以上のような具合である。はて、皆さんはどのような目的で参加されるのかな? どれでもよいから目的を決めて継続し て参加したらいかがだろうか。

(「自由と正義」2014年2月号掲載)

 

IBA東京大会への招待6(若手編)東京弁護士会会員 本多 広高

IBAの会員にはいくつかの種類がありますが、個人の Full IBA membership( 年235ポンド・約40、000円)の場合には、弁護士業務部門(Legal Practice Division)、公益及び専門職関心事項部門(Public and Professional Interest Division)、地域フォーラム(Regional Forum)についてそれぞれ1つずつ無料で選択することができます。
各委員会では国際的にも先端的な問題についての議論を行っています。私も幹事となっている家族法委員会では、国際的な子の連れ去り、婚姻・離婚と財産契約・信託、セクシュアルマイノリティ、 生殖補助医療と親子、人身取引といったテーマを年次大会のセッションでよく取り上げています。

(「自由と正義」2014年1月号掲載)

 

IBA東京大会への招待5(マスター編)第二東京弁護士会会員 市毛 由美子

ドバイ朝食会の様子

IBAの年次大会は、毎年、日曜の夜のオープニング・セレモニーにはじまり、金曜の夜のフェアウェル・ディナーまでの6日間のスケジュールです。それぞれの部会(Section)/委員会(committee)等により、月曜日から木曜日までは毎日約40~50の、最終日の金曜日は少し少な目で約10の、セッションやショウ ケースと銘打った目玉セッションが開催されます。その他に、各国弁護士会の主催する朝食会、各地域フォーラム主催の昼食会、委員会ごとのディナー等、ソシアル・イベントも盛りだくさんです。
更に公式行事とは別に、各国弁護士会が夜のレセプションを設定しており、あちこち顔を出していると、あっという間に6日間が過ぎてしまいます。2013年のボストン年次大会では、前年のダブリン大会に引き続きJapan Nightと称する日弁連主催のレセプションを開催し、2014年の東京大会のPRを行いました。

(「自由と正義」2013年12月号掲載)

 

IBA東京大会への招待4(若手編)東京弁護士会会員 樋口 一磨

私は留学後の2009年から、年次大会や国際売買部会を中心に、個人として参加を継続しています。その規模とレベルの高さに最初はたじろぐこともありましたが、世界中の主な国を網羅するといって過言ではない独自のネットワークができ、現在も拡充していることは、貴重な財産であり、2年前に国際事務所 をうたって独立する基盤となりました。日本人が比較的少ないこともあり、スピーカーを務める機会にも恵まれ、またインバウンドでの仕事の依頼にも結びついています。たくさんの国に、毎年会い、お互いの成長を称え合う友人ができ、留学時代にも似た世界の拡がりを感じています。これだけ多種多様な国籍の、しかも第一線で活躍する専門家と接することができる機会は他にないと思います。

(「自由と正義」2013年11月号掲載)

 

IBA東京大会への招待3(マスター編)東京弁護士会会員 大谷 美紀子

国を表す英語はたくさんあります。日常的によく用いる country の他に、nation は国民国家を指し、主権国家を意味する場合は state を用います。私は、国際人権法が専門で、今も国連文書を読むことが多いので、国といえば state が頭に浮かびます。IBAの会議では、developing jurisdictions、in my jurisdiction のように、国のことを話していると思われるのに、jurisdictions がよく使われるのを聞いて違和感がありましたが、そのうち、謎が解けました。たとえば、英国の中には、England & Wales、Scotland、Northern Ireland の3つの jurisdictions があり、法制度も弁護士資格も異なります。アメリカ合衆国には、50州+DCの51の jurisdictions があります。なるほど、国単位では、話が通じないはずです。国連加盟国数は193、ロンドンオリンピック参加国数は204。IBAに参加する弁護士を、jurisdiction 単位で数えると、その多様性、スケールの大きさに圧倒されることでしょう。

(「自由と正義」2013年10月号掲載)

 

IBA東京大会への招待2(若手編)静岡県弁護士会会員 内山 宙

「ダブリン大会」

私は、2012年にダブリンで開催されたIBA年次総会に参加しました。130か国から5000人近い弁護士が参加し、180ものセッションがあるのには驚きました。生殖医療における相続や製造物責任等の最先端の議論もありましたし、弁護士倫理に関して日本と同じような悩みを持っていることも分かりました。これに参加したことで、視野や仕事の幅も広がりました。また、私のような地方の弁護士でも、顧問先等が海外進出していて、海外関連の訴訟対応等で、外国の弁護士に協力してもらうのにも役立っています。来年2014年の年次総会は東京で開催されますが、近い将来日本での開催はないと思いますし、海外に行くよりも参加しやすいので、また参加したいと思っています。

(「自由と正義」2013年9月号掲載)

 

IBA東京大会への招待1 (マスター編)第二東京弁護士会会員 川村 明

IBAは、世界137カ国の一種の弁護士会連合会、その傘下に約450万人の弁護士、「弁護士会の国連、国連の弁護士会」と自称しています。私は2012年末に会長を退任するまで8年にわたってその役員を務め、世界中を飛び歩きました。その結果、グローバルに普遍化していく法律の世界とそこで活躍する国際人法律家たちを眼のあたりにしてきました。来年2014年、このIBA総会が東京で開催されますが、おそらく6、000人以上の弁護士が世界中から来日して、最新の法律情報を交換し合い、ネットワークを築いてグローバル弁護士のスキルを磨く場になるでしょう。国際的な人権や平和にも強い発言の場になります。日弁連にとっても、IBAでなければできない国際発信の場になると思います。

(「自由と正義」2013年8月号掲載)