「日野町事件」再審開始決定に対する即時抗告についての会長声明

 

本年7月17日、いわゆる「日野町事件」の再審開始決定に対して、検察官は大阪高等裁判所に即時抗告をした。当連合会は、亡阪原弘氏の名誉回復を早期にはかるためにも、早急に再審公判が開始されるよう求めていたところであり、誠に遺憾である。


再審請求審である大津地方裁判所は、新旧証拠を総合的に判断し、旧証拠についてもあらためて評価を行った結果、亡阪原氏の自白供述について、信用性を否定しただけでなく、任意性にも合理的疑いがあるとした。そして、亡阪原氏と犯行を結びつける間接事実についても、新旧証拠を総合的に判断すれば、亡阪原氏を犯人であると推認することはできないし、間接事実中に亡阪原氏が犯人でないとしたならば合理的に説明することができない、あるいは少なくとも説明が極めて困難である事実関係は含まれていないとして、再審開始を決定したものである。


その総合判断の手法は、白鳥・財田川決定に忠実に、「疑わしいときは被告人の利益に」という刑事裁判の鉄則に沿うものであり、即時抗告審においても本件開始決定が維持されるべきである。


当連合会は、一日も早く再審開始が確定され、再審公判において亡阪原氏に無罪判決が言い渡されるときまで、引き続き全力で支援する所存である。



  2018年(平成30年)7月26日

日本弁護士連合会      

 会長 菊地 裕太郎