弁護士等による本人特定事項の確認等の履行に関する会長声明

 

当連合会は、2019年に予定されているFATF(金融活動作業部会)の第4次対日相互審査に向けて、会員による本人特定事項の確認及び記録保存義務等の履行状況を正確に把握することを目的として、会員に年次報告書の提出を義務付けることとし、2017年12月8日の臨時総会において「依頼者の本人特定事項の確認及び記録保存等に関する規程」(以下「本規程」という。)の一部改正を決議するとともに、同年同月21日の理事会において「依頼者の本人特定事項の確認及び記録保存等に関する規則」の一部改正を決議した(以下「本規則」という。)。

ところで、FATFの「40の勧告」に伴い2007年3月29日に成立した犯罪による収益の移転防止に関する法律(以下「犯収法」という。)は、事業者が予防措置を講じることにより犯罪による収益の移転防止を図ることを目的とするところ、弁護士、弁護士法人、外国法事務弁護士及び外国法事務弁護士法人(以下「弁護士等」という。)による本人特定事項の確認等に相当する措置については、他の士業者の例に準じて当連合会の会則で定めるところによるとしている(犯収法第12条)。犯収法が弁護士等についてこうした規定を設けたのは、当連合会が、2007年の犯収法成立に先立ち、FATFの「40の勧告」が弁護士等を含む法律専門家に対して求めていた依頼者の疑わしい取引を通報する義務について強く反対したことによるものである。今回の改正においても、当連合会がこれまでの立場を堅持することにはいささかも揺るぎはない。


他方で、弁護士等がマネー・ローンダリングに加担することがあってはならないことは当然であり、当連合会は高度の自治権を持つ自主規制団体として、犯収法成立に先立ち、自ら会員に対し、本規程及び本規則により依頼者の本人特定事項の確認及び記録保存を義務付け、犯収法の改正に応じて二度にわたりこれらを改正し、犯罪による収益の移転を防止するために会員に積極的に働きかけてきた(2012年12月20日及び2016年1月22日付け「犯罪による収益の移転防止に関する法律の一部を改正する法律への対応に関する会長声明」)。当連合会は、本規程及び本規則を会員にこれまで以上に周知徹底し、研修にも積極的に取り組み、弁護士等がマネー・ローンダリングに関与したり利用されたりすることがないよう、全力で取り組んでいく所存である。



  2017年(平成29年)12月21日

日本弁護士連合会      

 会長 中本 和洋