国連人権理事会における日本の第3回普遍的定期的審査に関する会長声明

 

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昨日(ジュネーブ時間2017年11月14日午前)、国連人権理事会の普遍的定期的審査作業部会は、日本の人権状況についての審査を行った。

このたびの審査において、日本に対する発言をした国数は106か国に及び、勧告数は200を超えた。勧告の主な内容は、反差別、死刑制度、国内人権機関の設置、個人通報制度等の選択議定書の批准、女性や子どもの性的搾取や人身取引に関するものであった。とりわけ女性、LGBT、人種・民族的少数者に対する差別、性的指向を理由とする差別の解消を求める勧告は60を超えたほか、死刑廃止に関連した勧告は30を超え、国内人権機関の設置を求める勧告も30近くに及んだ。なお、当連合会の2016年人権擁護大会における「死刑制度の廃止を含む刑罰制度全体の改革を求める宣言」に触れた国が2か国あった。

そのほか注目される勧告として、刑事手続や被拘禁者の処遇、福島第一原子力発電所事故の避難者、メディアの独立性と特定秘密保護法、技能実習生などの移住労働者、ビジネスと人権に関する勧告が複数あったほか、原爆被爆者や核兵器禁止条約の未批准に関する勧告もなされた。

当連合会は、昨日の審査に先立ち、本年3月に国連人権高等弁務官事務所に対して日本の人権状況について文書による情報提供を行ったほか、在日本各国公館向けに実施した説明会や、本年10月にジュネーブ国連本部で実施された在ジュネーブ各国政府代表部向けのセッション等を通じても、情報提供を行ってきた。

今回の審査において、他の国連加盟国から、法律の制定及び法改正並びにその適正な運用を示唆する多くの勧告がなされたことは、日本の行政機関のみならず国会及び司法の課題として受け止めなければならない。

当連合会は、日本政府に対して、今回出された全ての勧告の受け入れについて、国際基準に照らして真摯に検討し、特に2020年オリンピック・パラリンピック及び国連犯罪防止刑事司法会議の開催を前に、国際社会において日本が名誉ある地位を占めるにふさわしい人権状況を具体的に整えるべく努力するよう求める。

そして当連合会もまた、勧告内容を踏まえて日本の人権状況の改善に向けた日本政府との建設的対話を継続し、各課題について国民的議論を活発にすべく社会に広く情報発信し、基本的人権を擁護し社会正義を実現する使命を果たす所存である。


 

  2017年(平成29年)11月15日

日本弁護士連合会      

 会長 中本 和洋