隠岐ひまわり基金法律事務所開設に伴う「弁護士ゼロワン地域」の解消に関する会長談話

本年7月5日、島根県において、「隠岐ひまわり基金法律事務所」が開設されたことをもって、地方裁判所支部単位での「弁護士ゼロワン地域」が解消された。

 

当連合会は、1996年(平成8年)の定期総会で採択された「名古屋宣言」において、弁護士過疎・偏在を解消するために全力を挙げて取り組む決意を明らかにした。そして、1999年(平成11年)に、全会員から特別会費を徴収して「日弁連ひまわり基金」を設置し、2000年(平成12年)の島根県浜田市を皮切りとして、全国各地の弁護士過疎地に延べ115か所の「ひまわり基金法律事務所」を設立し、弁護士の常駐を支援することを通じて、全国に司法サービスを提供してきた。

 

また、当連合会は、日本司法支援センター(法テラス)の司法過疎対応地域事務所に配属される常勤スタッフ弁護士や、偏在解消対策地区において独立開業する弁護士の確保、養成及び支援等にも取り組んできた。

 

弁護士過疎・偏在対策は、継続的に行うべき活動であるが、もとより弁護士過疎のみならず、広く司法過疎を解消するためには、裁判官及び検察官の増員・常駐、裁判所及び検察庁支部の機能の強化や法律扶助予算の増額等、「国民の裁判を受ける権利」の実質的な保障という、国の責務に基づく司法基盤の整備が強く求められる。

 

当連合会は、国のみならず、地方自治体や関係公的機関との連携・協力を深める等して、全国各地の司法アクセスを容易にし、あまねく「法の支配」を行き渡らせるために、引き続き弁護士過疎・偏在地域の解消に全力を挙げて取り組む決意を改めて表明するものである。

2015年(平成27年)7月5日

日本弁護士連合会

会長 村 越   進