広島市における豪雨災害による被災に関する会長声明

 

2014年8月20日、広島県広島市において豪雨による災害が発生した。

 

9月3日現在において、人的被害は死者72人、行方不明者2人に及び、建物被害も全壊24棟、半壊41棟、一部損壊65棟、床上浸水76棟、床下浸水210棟となり、多くの市民が未だ体育館等の避難所での苦しい避難生活を強いられている。

 

広島弁護士会は、災害発生当日である8月20日に災害対策本部を立ち上げ、8月23日から現地に会員を派遣し、8月27日には無料電話相談を開始し、心身ともに大きな被害を受けた被災者に寄り添い支援する活動を行っている。

 

当連合会は、災害多発国である我が国において、被災者が被災状態に置かれ続けることが人権侵害状態であるとし、東日本大震災においても、復興とはひとりひとりの「人間の復興」を目的とするものであるとの視点に立ち、数々の立法提言活動を行い、被災者支援活動に尽力してきた。

 

今回の豪雨災害においても、家族を亡くし、また住む家を失った被災者も数多くおり、深刻な事態が生じている。東日本大震災では、震災発生後1週間を超え6か月以内の期間に1830人もの方々が亡くなっているが、復興庁の調査においても震災関連死の原因として「避難所等における生活の肉体・精神的疲労」が33%と高い割合を占めており、避難所及び仮設住宅の環境整備は極めて重要である。一刻も早く、体育館等の応急的な避難所ではなく、ライフラインの整った公営住宅及びみなし仮設住宅等への入居を推進するべきである。また、被災により法的問題や経済的不安を抱えるようになった被災者も多くおり、人々が集まる場所での専門家による適切な相談体制を構築するべきである。さらに、今般の災害において特徴的な土石、竹木等の障害物の除去については、ボランティアの活用に留まらず、災害救助法による「救助」として作業員、技術者を動員して積極的に取り組むべきである。その他生活再建、特に、被災宅地の復旧を含む住宅再建のための法制度の整備が未だに不十分であり、取り組むべき課題は極めて多い。

 

当連合会は、改めて、今回の豪雨災害による被災に際し、広島弁護士会、中国地方弁護士会連合会、さらには日本司法支援センター(法テラス)と連携・協力して、電話による相談、巡回相談等を実施し、必要な提言を行うなど、ひとりひとりの被災者の生活の再建を願い、被災者支援活動に積極的に尽力する所存である。

 

 

   2014年(平成26年)9月4日

  日本弁護士連合会
  会長 村 越  進