婚外子の法定相続分についての民法改正に関する会長声明

 

本年9月4日、最高裁判所大法廷は、婚外子の法定相続分を婚内子の2分の1とする民法第900条第4号ただし書(以下「本件規定」という。)につき、法の下の平等を定める憲法第14条第1項に違反して無効であると決定した。


それを受け、本年12月5日、本件規定を削除する旨の「民法の一部を改正する法律案」が参議院本会議において可決、成立し、婚外子の法定相続分についての差別が解消されることとなった。この改正の実現は、最高裁判所の違憲判断に従った当然のものとはいえ、当連合会が長年にわたって求めてきたものであり、歓迎する。


ところで、上記民法改正に関連して、出生届の際に嫡出か否かの記載を義務付ける戸籍法第49条第2項第1号も削除する旨の「戸籍法の一部を改正する法律案」が議員立法案として参議院に提出された。しかし、同法案は、参議院本会議において117対118のわずか一票差で否決され、成立に至らなかった。この記載条項は、婚内子と婚外子の間で相続分等に差が設けられていることから、これを区別して記載することに一定の合理性があると説明されてきたものである。したがって、今般、その前提となる法定相続分についての民法改正がなされる以上、同条項も改正されるべきであり、当連合会も、婚外子の相続分を差別することについて合理性はなく、戸籍法第49条第2項第1号についても改正すべきであると述べてきたところである。戸籍法改正が見送られたことは極めて遺憾である。


さらに、民法には、夫婦同姓しか認めず選択的夫婦別姓を認めていない民法第750条、女性のみに6か月の再婚禁止期間を定めている民法第733条、婚姻適齢に男女の差を設けている民法第731条など、いまだ差別的規定が残されている。これらについて、日本政府は、国連の自由権規約委員会及び女性差別撤廃委員会から、繰り返し懸念を表明され、民法の差別的規定の改正のために早急な対策を講じるよう要請されてきているところである。


当連合会は、国に対し、上記のとおり、戸籍法第49条第2項第1号の改正を求めるとともに、民法第750条、同法733条、同法第731条などの差別的規定を速やかに改正することを強く求める。


2013年(平成25年)12月6日

日本弁護士連合会
会長 山岸 憲司