改正貸金業法の完全施行後3年を迎えての会長声明

 

貸金業法等の改正による出資法の上限金利の引下げ及び収入の3分の1以上の貸付の禁止(総量規制)等の完全施行がなされてから、本日で3年が経過した。



法改正時からこれまでの間に、5社以上の借入れを有する多重債務者が約230万人から約29万人に、自己破産者(自然人)は約17万人から約9万人にと、いずれも激減している。懸念する声もあったヤミ金の被害に関しても、各地の警察署、消費生活センター等への被害届、相談件数等は減少している。



加えて、多重債務による自殺者は法改正時の1973人から839人に半分以下に減少しており、自殺者全体としても、昨年は一昨年から9.1%も減って15年振りに3万人を割るなど、多重債務対策は自殺対策としても機能していると評価されている。



このように、統計上、改正貸金業法の完全施行によって、多重債務問題は大きく改善していることは明らかであり、「完全施行により借りられなくて困っている人が増えた」、「ヤミ金が増えた」などの主張には客観的根拠はない。



今後も当連合会は、引き続き多重債務問題の解決に向けて取り組んでいくが、まず「ヤミ金」については、検挙とともに重要なのが「ターゲットとなり得る生活困窮者対策」である。年収200万円以下で働く民間企業の従業員は1000万人を超え、生活保護受給者数が過去最高を更新し続けるなど、我が国の貧困問題は深刻さを増すばかりであるが、この貧困問題・生活困窮者対策がヤミ金被害を減少させることに直結する。



また、金融円滑化法の終了もあり、「高利に頼らない」ためのセーフティネットの構築については、個人だけでなく中小企業向けの対策も重要である。



さらに、「残された最後のグレーゾーン金利」である質屋営業に関する年109.5%の特例金利に関しては、当連合会はこれまでも廃止を求めてきたが、現在では、担保価値のほとんどない物を質物として預けさせて、多額の金銭を高利で貸し付ける例が目立つようになってきている。これは、特例金利を目当てに質屋を装う、いわゆる「偽装質屋」による被害ということができ、その被害は顕著であって、この特例金利については早急に廃止し、グレーゾーン金利が我が国から一掃されることを強く求める。



以上のとおり、当連合会は、改正貸金業法の成果を確認するとともに、残された多くの課題にも積極的に取り組んでいくことをここに決意する。

 

2013年(平成25年)6月18日

日本弁護士連合会
会長 山岸 憲司