レッド・パージ国家賠償請求訴訟最高裁決定に関する会長談話

 

本年4月25日、最高裁判所第一小法廷は、日本共産党の党員又はその同調者であることを理由とする免職処分又は解雇を受けた3名が国に対して国家賠償を求めた裁判で、実質審理をすることなく上告を棄却する決定を下し、3名の請求を棄却するとの結論が確定した。



レッド・パージについて、既に、最高裁判所大法廷はマッカーサー書簡に超憲法的効力を認めて解雇をすべて有効とした決定を下していたが(昭和27年4月2日など)、今回、改めて国家賠償請求についても、司法救済が否定される結果となった。



当連合会は、レッド・パージにより免職又は解雇された申立人らからの人権救済申立事件について、これまで2度にわたり、レッド・パージは憲法で保障された思想良心の自由、法の下の平等という民主主義の根幹に関わる人権の侵害であり、占領下の連合国最高司令官といえどもかかる人権侵害は許されないこと、日本政府も占領下でレッド・パージを積極的に推し進めようとしていたと認められること、そうである以上、平和条約発効後に主権を回復した日本政府は自主的にレッド・パージによる被害の回復を図るべき責任があったこと等を前提として国の人権侵害性を認め、可及的速やかに、被害回復のための名誉回復や補償を含めた適切な措置を講ずるよう勧告してきた。



今回の最高裁決定によって、国の国家賠償法上の賠償責任は否定されることとなったが、これまで当連合会が2度にわたり勧告しているとおり、今なおレッド・パージの被害者の名誉は回復されておらず、日本政府の責任が重大であることには変わりがない。



国は、当連合会の勧告を受けたにもかかわらずこれまで何らの対応を行っていないが、当連合会は、政府に対し、改めて、当連合会の勧告の趣旨を踏まえ、レッド・パージの被害者の名誉回復のために適切な措置を講ずることを求める。

 

2013年(平成25年)5月17日

日本弁護士連合会
会長 山岸 憲司