水俣病の認定義務付け訴訟最高裁判所判決に関する会長談話

 

本日、最高裁判所第三小法廷は水俣病未認定患者が水俣病の認定義務付けを求めた訴訟について、水俣病として認定すべきであることを認める判決を言い渡した。



本日の判決は、「昭和52年判断条件」に定める症候の組合せが認められない場合についても、水俣病と認定する余地があるとの判断を示し、水俣病患者を広く救済することを認めたものである。



当連合会は、2007年9月14日付け「水俣病問題について抜本的な救済策を求める意見書」や2012年6月21日付け「水俣病救済制度の見直しを求める意見書」などにおいて、「昭和52年判断条件」があまりに厳格であると指摘し、認定基準の抜本的改定を求めてきていたが、本日の判決は当連合会の意見に合致するものであり、妥当な判決である。



水俣病の認定基準については、既に、水俣病関西訴訟大阪高裁判決(2001年)において、家族に認定患者がいるなど一定の条件を満たせば感覚障害だけでも水俣病と認定できると判断され、水俣病関西訴訟最高裁判決(2004年)もこれを支持したことから、「昭和52年判断条件」は実質的に否定されたと考えられていた。しかし、国は水俣病関西訴訟最高裁判決後も水俣病の認定基準を変更しなかったため、ほとんどの患者は水俣病と認定されない状況が続いたのであった。国は、長年にわたり厳格な認定基準によって多くの水俣病患者を切り捨ててきたことになるが、この責任は極めて重大である。



国は、今回の最高裁判決を踏まえ、すべての水俣病患者を救済するために、感覚障害等一症状だけであっても、曝露歴がある限りは、水俣病患者として認定するよう、「昭和52年判断条件」を速やかに見直すべきである。そして、これまで長年にわたり厳格な認定基準を前提として多くの水俣病被害者を不当にも切り捨ててきたことを真摯に反省し、水俣病問題の全面的解決のために最大限の努力を尽くす必要がある。



当連合会は、今後も引き続き、水俣病問題の抜本的な救済を目指して全力を尽くす所存である。

 

2013年(平成25年)4月16日

日本弁護士連合会
会長 山岸 憲司