消費者庁による「国民生活センターの在り方の見直しに係るタスクフォース取りまとめ」に対する日弁連コメント

2011年(平成23年)8月26日
日本弁護士連合会

 

これまで当連合会は、独立行政法人国民生活センターの在り方の見直しに関して5度にわたり意見書や会長声明等を発信し、消費者庁及び国民生活センターによる「国民生活センターの在り方の見直しに係るタスクフォース」(以下「タスクフォース」という。)の検討結果をもって最終結論としないよう、強く求めてきた。本年7月29日の「国民生活センターの在り方の見直しに係るタスクフォース取りまとめ(案)」に対する日弁連コメントにおいても、国民生活センターの在り方についての検討は、国会の意思を尊重し、内閣府消費者委員会(以下「消費者委員会」という。)の意見を十分に尊重すべきであり、消費者委員会でも指摘しているとおり、「検討会を新たに設置して検討すること、タスクフォースの検討結果を最終結論としないこと」を明確に求めてきた。



本日、タスクフォースは、「国民生活センターの在り方の見直しに係るタスクフォース取りまとめ」(以下「取りまとめ」という。)を公表した。



その内容は、実施時期については平成25年度まで先送りしているものの、国民生活センターの機能を消費者庁に一元化する基本方針を維持しており、これまで当連合会が再三にわたり指摘してきた本質的な問題点に何ら応えるものとなっていない点で、極めて遺憾である。



しかし、取りまとめの公表を受けた細野豪志内閣府特命担当大臣(消費者担当)は、この取りまとめを閣議に諮ることなく、「第三者を含めた検証の機会も設けた上で、然るべき時期に政務としての判断を行う」との方針を明らかにした。これは、取りまとめの一部の「試行」を実施するとしているものの、平成25年度の一元化との方針を事実上白紙としたものであり、この間当連合会や消費者委員会、多くの消費者団体等の求めた方向に沿うものであって高く評価できる。今後は、消費者・消費者団体、弁護士等の専門家を含む有識者などから構成される検証機関を新たに設置して、一元化にこだわることなく、また直接相談の復活も視野に入れつつ十分な時間をかけて消費者行政全体の強化に向けた検討を行うべきである。

 

以上