2009年の弁護士の採用状況及び2010年の弁護士採用推進について

2010年(平成22年)3月18日
日本弁護士連合会


現・新62期司法修習終了者合計2346名の進路は、2010年3月1日現在、弁護士登録をした者2085名、判事補任官106名、検事任官78名、その他77名でした。これは、当連合会および各弁護士会が、弁護士採用促進及び弁護士業務基盤の拡大に懸命に取り組んだ結果といえます。


もっとも、修習終了直後の就職未定者の割合は若干増加しており、全般的に就職決定時期が遅くなる傾向も見受けられます。2010年の修習終了予定者は、2009年より150名程度減少すると想定されますが、当連合会が実施した弁護士求人アンケートの結果及び厳しさを増す経済状況に照らすと、2010年の採用状況についてはなお予断を許さないと考えられます。


市民が求める法曹を養成するためには、法科大学院、司法修習だけでなく、弁護士登録後も実務を通じて指導・教育を行うことが重要です。この点から、当連合会としては、弁護士採用の促進に取り組むとともに、現在試行中の即時又は早期に独立開業した弁護士に対する支援チューター制度をさらに拡充させることをはじめとして、新規登録後即時又は早期に独立開業した弁護士の支援を積極的に推進していきます。


当連合会は、各弁護士会においてその実情に応じた採用推進策を実施するよう重ねて要請し、あわせて、各弁護士会・弁護士会連合会で採用説明会を開催するなどして司法修習生へ採用情報を十分に提供するよう要請していきます。


司法修習生の就職状況や志望状況をより的確に把握するとともに、就職未定者に対して各地の弁護士需要その他の情報を提供する仕組みを検討するなど、より細やかなマッチングの実現に向けて取り組みます。あわせて、2009年に初めて行った法科大学院の就職支援担当者と当連合会との情報交換会を2010年も開催し、法科大学院との連携にも取り組みます。


また、企業内弁護士が増加する中、2009年も一定数の者が修習終了後直ちに弁護士として企業に就職しています。当連合会は、企業が弁護士を採用するための環境整備に努めるとともに、採用推進に向けた企業への働きかけに取り組み、さらに、官庁・自治体における法曹有資格者採用の促進についても引き続き取り組みます。


以上のとおり、当連合会は、今後も引き続き弁護士採用促進のための取組みと弁護士業務基盤の拡大に取り組んでまいります。


以上


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