出入国管理及び難民認定法並びに住民基本台帳法の改正法の成立に際しての会長声明

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本日、在留管理を強化する出入国管理及び難民認定法等の改正法及び外国人登録制度を廃止して外国人住民を住民基本台帳に記載することとする住民基本台帳法の改正法が、衆議院における修正を経て成立した。

 

改正法においては、特別永住者の特別永住者証明書の常時携帯義務が削除されたことやDVによる場合などの正当な理由に基づく別居については配偶者の在留資格の取消制度は適用されないことなどが明記されたほか、修正によって当連合会の指摘した問題点が一定程度改善されたことについては評価する。

 

しかし、外国人登録証の常時携帯義務に代えて、在留カードの常時携帯義務が、一般永住者を含めてなお続くという問題点が残された。

 

また、国は在留カード番号の変更履歴などを把握できることから、在留カード番号をマスターキーとして、さまざまな情報が名寄せされて、外国人への監視が強められ、多民族多文化の共生する社会の構築の妨げとなるのではないか、との懸念はなお拭い切れていない。

 

さらに、難民認定申請者を含む仮放免許可者などの、現に住民として生活している外国人の一部が住民基本台帳に記載されないこととなった。このことにより、外国人住民すべてに保障されるべき教育を受ける権利や緊急医療、母子保健などのサービスが、今後は事実上保障されなくなるのではないかとの懸念もある。

 

当連合会は、国に対し、今回の改正法の運用にあたって、外国人のプライバシー権ないし自己情報コントロール権を侵害せず、またすべての外国人住民への権利保障などを低下させるものとならないよう求めるとともに、多民族多文化の共生する社会を構築する視点からも、遅くとも、施行後3年とされた見直し期間までに、在留カードの常時携帯義務の削除や住民基本台帳への記載対象者の拡大などの改正に着手することを求めるものである。

 

2009年7月8日
日本弁護士連合会
会長 宮﨑 誠