自衛隊のイラク早期完全撤退を求める会長声明

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政府が本日、イラク南部サマワに派遣している陸上自衛隊部隊を撤退させることを決定したことは、当連合会が以下の通り、再三にわたり要請してきたことが一部実現するものと評価したい。


当連合会は、2003(平成15)年7月4日イラク特措法案に反対する会長声明を発表して以来、イラク特措法に反対する基本姿勢の下で、同年11月19日には基本計画を定めないことを求める会長声明、2004(平成16)年2月3日には自衛隊のイラク派遣に反対し自衛隊の即時撤退を求める理事会決議、同年4月17日には民間日本人の拉致事件の発生という事態を受けて、重ねて自衛隊の即時撤退を求める会長声明、同年12月10日には自衛隊イラク派遣延長に反対する会長声明、2005(平成17)年12月8日には、自衛隊イラク派遣再延長に反対する会長声明を繰り返し発表してきた。


当連合会が繰り返し声明・決議を発表してきた大きな理由は、イラク特措法が、国際紛争を解決するための武力行使及び他国領土における武力行使を禁じた日本国憲法に反するおそれが極めて大きいこと、イラクへの自衛隊派遣がイラク特措法の「非戦闘地域」の要件を満たしていないところにあった。


当連合会は、政府がこの度の決定をすみやかに実行に移し、陸上自衛隊部隊を早期に無事撤退を完了させることを強く求めるとともに、依然として、イラクにおいて武力行使を続けている米軍等への輸送活動を行っている航空自衛隊についても、直ちに派遣を中止し、全面撤退を行うよう改めて強く求めるものである。


2006年(平成18年)6月20日


日本弁護士連合会
会長 平山 正剛