新司法試験の合格者数に関する会長談話

新聞報道によると、新司法試験の合格者数について、法務省素案では、2006年度の合格者数を新司法試験800名、現行司法試験800名とされている。


当連合会は、今回の司法改革において法科大学院が法曹養成のための中核的な教育機関として創設された理念を全うするため、既に2004年2月1日、理事会において、現行司法試験と新司法試験の「併存期が開始する平成18年(2006年)からは、現行司法試験の合格者数を大幅に減少させ、司法試験合格者の大半を法科大学院修了者を対象とした新司法試験の合格者とする」旨決議し、同月2日、司法試験委員会宛に「現行司法試験の合格者数は、平成18年(2006年)について500人を上まわらないものとし、その後、これを着実に減少させて、平成22年(2010年)には数十人を上まわらないものとすべきである」との意見を表明している。


当連合会としては、法務省素案は、法科大学院の上記理念を損なうおそれがあると危惧するものである。司法試験委員会において、新司法試験の合格者数について上記理念に従った、更なる議論が今後進められることを期待する。


2004年(平成16年)10月19日


日本弁護士連合会
会長 梶谷 剛