死刑執行に関する会長声明

法務省は、11月19日、死刑確定者3名に対して刑を執行した旨発表した。これにより1993年3月以来5年余の間に31名の死刑確定者に対してその執行がなされたこととなる。当連合会は、死刑制度の存廃について国民的議論が尽くされるまで死刑執行を差し控えるべきことを再三にわたり求め、本年6月25日の死刑執行に対しても会長声明をもって、今後の執行を差し控えることを強く求めていたところであった。


死刑については、国連総会において死刑廃止条約(1989年12月15日)が採択され、また、死刑確定者の処遇問題については、国連経済社会理事会による「死刑に直面している者の権利の保護の保障の履行に関する決議」(1989年5月24日)が日本を含む国連総会出席加盟国の全会一致で承認されている。


本年11月6日には、国際人権〈自由権〉規約委員会から日本政府に対して、死刑を定めた犯罪を減少させるとともに、死刑確定者の処遇が規約に反するとしてその改善を求める勧告がなされた。


当連合会においても、11月10日に日本政府に対して、上記勧告に従った対策を溝じるよう強く求めていたところである。にもかかわらず、再び死刑が執行されたことは、誠に遺憾であり、当連合会は、重ねて、今後死刑の執行は差し控えるべきことを強く要望する。


1998年(平成10年)11月20日